和LOHAS トップ
おいしい名古屋の水源を訪ねるECOツアー - なごや環境大学の共育講座
(2008年11月14日 14:12)

名水といわれる名古屋の水道水。安全でおいしい水道水として、この缶入り“名水”が、災害備蓄用などの目的で名古屋市より販売されているほどだ。その主な水源施設となっている岐阜県下呂市の「岩屋ダム」をバスで訪ねるECOツアーが、2008年11月9日(日)、なごや環境大学の協力で開催された。

hama119
紅葉がうつくしい、東海の水がめ、岐阜県下呂市の岩屋ダム

主催は、町田慈子さんを代表とする「和LOHAS(ロハス)の会」。名古屋市上下水道局技術本部の木村秀治さんが、特別講師として参加した。参加者は23名。車中では木村さんによる水資源などについての説明が行われた。

hama119  hama119
木村秀治さん             名古屋市上下水道局制作のカラフェ(水差し)

名水は、いわば木曽川の清く豊かな清流のおかげ。しかし、木曽川自流だけでは名古屋市民の水をまかなうに充分でなく、新たに利用できる水を作り出すため、岩屋ダム、木曽川大堰をはじめ、味噌川ダム、長良川河口堰、また今年4月に完成した徳山ダムといった水源施設が作られた。味噌川・徳山の両ダムは、渇水時のバックアップとしての位置づけが高い。蛇口をひねれば当たり前に出てくる水だが、一般市民がこの水を使用できる背景として、各自治体は水利権を有していなければならない。大規模な渇水対策などを施すには、ダムや堰を建設し新たに利用する水を作り出すことで、新たな水利権を得ねばならない仕組みになっている。

木村さんはこうした説明に続けて、「“名水”は軟水なので、少量の石鹸でもよく泡立ちます」と、水道水が環境にも家計にもやさしい点をアピール。また、「風呂の残り湯は打ち水などに。米のとぎ汁を庭にまくと草花の肥料になります」と、大切な水を上手に使い切るよう参加者に呼びかけた。

hama119
岩屋ダムで水資源機構職員から説明を聞くツアー参加

「飛騨金山ぬく森の里温泉」道の駅で精進料理の和ごころ弁当を堪能した一行は、岩屋ダム管理事務所を訪れ、(独)水資源機構職員からダムの概要説明を受けた。東海の水がめといわれる同ダムは、総工費344億円をかけ1977年に完成。生み出された水は、愛知、岐阜、三重各県と名古屋市に水道・農業・工業用水として供給されている。同時に中部電力により11万戸分の電気が発電されている。屋外に出て、ダム湖を望む。折りしも紅葉のピーク時。息をのむほどに美しい紅葉を目前に、参加者からため息がもれる。自然と巨大な人工湖とが作り出した調和の美。かつてここには204戸の営みがあったという。湖面の濃い緑が、寒さの中、静まり返っていた。

hama119 hama119
室内からの眺めも絶景。ダム湖の生態系の説明を聞く(右)

hama119
多目的ダムとして、中部電力が11万戸分の電力を発電する

帰路の途中、愛知県犬山市にある犬山取水場に寄り、春日井浄水場職員より説明を受けた。同場で取水された水は、春日井市の春日井浄水場と名古屋市の鍋屋上野浄水場へ送られる。水質事故や急激な水質変化にも対応できるよう、厳しい水質監視がされているという。

hama119 hama119
犬山取水場前               スタッフから水循環についての説明を聞く

お弁当つき3000円という超お値打ち価格でのECOツアーに、参加者らは大満足の面持ち。参加者のひとりは、「水は人が大切に守っているものということがよくわかり、水源を初めて意識した。今後は気象や雨量も気になるだろう」と感想を述べた。 

hama119
精進料理家・和西小牧さんの手による「和ごころ弁当」

奇しくも、「緊急性は低い」との理由で、大津市に予定されている大戸川ダム(総事業費約1080億円)の建設凍結が滋賀県・京都府・大阪府の3知事により合意されたばかり。同ダムを含め4つのダム建設を明記した国の淀川水系河川整備計画案は、三重県も含んだ流域知事の異例のスクラムにより、方向転換を大きく迫られる可能性が出てきた。9月には熊本県知事が、川辺川ダムの計画白紙撤回を求めている。2010年にCOP10(生物多様性第10回締約国会議)が開催される予定の愛知県でもダム行政のゆくえが大きく注目されている。その意味でも今回のECOツアーは、参加者ひとりひとりが水を見つめ、水に向き合ういい機会となった。  

(文:浜村良子 写真:渡邊翔一)

コメント

コメントする

(コメントは承認された方のみ表示されます)

トラックバックURL

トラックバック

MAP