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《和ロハスの生産者を訪ねて(3)》水をきれいにする洗濯用洗剤「海へ…」が伝えること―有限会社がんこ本舗
(2008年10月15日 09:00)


従来の約30分の1の洗浄成分で洗濯でき、皮脂などの油汚れを生分解する洗剤をたずねて、湘南は茅ヶ崎にある「がんこ本舗」にうかがいました。迎えてくれたのは代表の木村正宏さん。生分解する洗濯用洗剤「海へ…」の開発者です。

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-「海へ…」がうまれるまで

家庭から出る油汚れは、水に溶けずに川や海に流れこみ、微生物に食べられることなく水質汚染の原因になっています。この状況を変えて水をきれいにしたいという願いからうまれたのが「海へ…」。ナノテクノロジーによって、洗浄成分が皮脂や汗、食べこぼしなどの油分を包みこみ、微生物が食べられる状態にして生分解(微生物が食べることで二酸化炭素と水に還元)する、油汚れを処理する洗剤です。驚くべきは洗剤成分の8割以上が水で、洗浄成分がほんの少量だということ。しかも洗浄力が高く、ふんわり仕上がるので柔軟剤が不要。泡立ちが少なく、すすぎも1回で済みます。

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これだけの機能をもつ洗剤です。完成までには時間がかかったそう。というのも、「海へ…」の前に発売寸前までこぎつけた洗剤があったのです。それは洗浄成分が少なくて済むものでしたが、水に流れ出た油汚れを生分解する働きが弱いものでした。ここで木村さんは立ち止まって考えます。「そもそも、汚れって何だろう」。

私たちが衣類洗濯の汚れとよぶ皮脂や汗は、もとは体の一部だったもの。今まで働いていたのに皮膚からはがれ、衣類についた途端に汚れとよんで悪者あつかい。そのことに気づいたら考え方がガラリと変わったといいます。汚れは敵じゃなくて役目を終えた自分の一部。洗濯して水に流れ出たら水質汚染の原因なんていわずに、最後は自然に溶けこむ状態にしてあげようと。

いったん洗剤の販売をリセットした木村さんは、理想の洗剤を作るべく海洋タンカーの事故処理施設を訪ね、油汚れを処理するヒントを得て完成までこぎつけます。洗濯は生活に不可欠だから、環境負荷が少ないものがいい。水を汚す原因をつくるなら環境に害のないものへ変えよう。作る人も使う人も伝える人も、そして自然まで。かかわったもの全てがハッピーになる「もの作り」を心がけている木村さん。油汚れを生分解するという「循環」まで考えた洗剤には、これからの自然と人間の関係、共存していくためのメッセージがこめられているようです。

-地球を思っての一歩は、できることから

「なにもこの洗剤じゃなくてもいい。水をきれいにしようという気持ちをもってもらいたいんだ。ほかにも方法はあるだろうし、それは人それぞれでいい」。こう話すのは、木村さんの見つめる先がもっと遠くにあるから。戦争を、国境を、飢えをなくしたい。そのための一歩としてうまれたのが水をきれいにする洗剤だっただけ。遠い話に聞こえがちですが、1人でも多くの人が水をきれいにしようとしたら、地球全体のことを考えるきっかけになるなら、それは大きな一歩です。

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とはいえ、難しく考える必要はありません。なぜなら、がんこ本舗の合言葉は「エコよりニコッ!」。まゆをひそめてエコ問題を語る前に、にっこり笑ってできることをしようという意味です。だからがんこ本舗の商品は使って笑顔になるものばかり。見た目もかわいらしく、水だけで汚れが落ちる「コレカラのフキン」は、先の洞爺湖サミット開催時に『洞爺湖町が選んだ集まれ日本のエコグッズ!』に選ばれました。それに商品を作っているスタッフがにこやか。絶えず笑い声が響くがんこ本舗には来客も多く、地元に愛されている様子がうかがえました。

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これからの地球を考えると、耳をふさぎたくなることも多いけれど、嘆いていたってはじまりません。水をきれいにするもよし、ゴミを減らすもよし。まずは自分の足元から、できることからやってみよう。笑いながら地球の未来を変えていこう――。がんこ本舗から届いたメッセージです。

*がんこ本舗

http://www.gankohompo.com

(小野暁子)

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