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和LOHASな人~原点に還る味『うみたま』で、本物を体感してほしい―食事療法士・辻野将之さん
(2008年5月16日 13:15)

この塩を一つまみ味わったとき思い出したのは、炊き立てごはんの塩おむすびや、採れたて新鮮なトマトやきゅうりの味だった。どちらも夏休みののんびりとした昼下がり、おなかを空かせて祖母の家に戻ると、食卓に用意されていたものだった。その味はなぜか格別で、今もトマトが大好物だったり、お弁当のおむすびにしっかり塩を効かせて作っていく習慣は、ここが始まりだったのかも知れない。そしてその味を思い出すきっかけになったのが、沖縄・粟国島の海水100%で作られた自然海塩の『うみたま』だ。

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自然海塩『うみたま』の発売元である株式会社SoRAの代表・辻野将之さんは食事療法士。往診専門の「そら鍼灸食養治療院」で、生活習慣病の患者さんへ食事指導を中心とした診療を行っている。

――食事療法士になられたきっかけを教えてください。

18歳の時、地元にいる知り合いの女性が癌を患いました。その当時自分の認識では、「癌=死の病気」というもので、すごくショックを受けたんです。治ることはないと思っていました。しかしその知り合いがしばらくして、手術もしないで癌が治ったというのです。良くなった理由を聞いたところ、ある先生のもとで「食事療法、玄米菜食をして、そうしたら癌が治った」のだというのです。その話を聞いたときは、びっくりして信じることができませんでした。早速その彼女の癌を治した菅野賢一先生に会いに行き、説明を受けたのがこの世界に入るきっかけです。そこで「食物がからだをつくる」という話を聞き、ものすごい感銘を受けたのです。その後弟子入りし、約7年間助手をしながら菅野式食事療法を学びました。

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――「食物がからだをつくる」ということですが、そこで自然海塩『うみたま』と出会うのですか?

すぐに『うみたま』までたどり着いたというわけではありません。2003年、7年間の修行を終え、今度は野菜や調味料など食の生産者さんを訪ねる旅を始めました。自分が毎日食べているものが作られる現場を自分の目で見たかったからです。実際訪れてみると、どの生産者さんも良いものを作りたいという理想と、現実として生活のために作っているものにはギャップがあることが多いと実感しました。その中で作り手の理想で一番おいしいと思ったのが、沖縄で出会った、「粟国の塩」でした。沖縄本島からフェリーで2時間、島周辺の美しい海水で作られた塩は素晴らしい味でした。またそして島で30余年塩造りを続ける、製塩職人の小渡幸信さんの素晴らしさにも魅せられ、この味を伝えていきたいと思うようになったのです。

その後しばらくして、東京で「そら鍼灸食養治療院」を始めることになります。治療のメインは食事療法。また随時、鍼灸や整体を行い、からだについてさまざまな側面から考えて感じてもらいます。この治療方法は現代医学の治療と違い、からだを部分ごとにパーツで見るのではなく、全体のバランスで診ていくことが重要となります。これは東洋医学の考え方に基づいていて、からだを作る根本となる食べ物をとても重要視しています。

――そこで毎日の食事に欠かせない「塩」となるわけですね。

はい。塩は人が生きていくうえで必要不可欠なものです。日本人の食に欠かせない味噌、醤油、これらのものにも必ず塩が使われています。逆に言えば、だからこそ本当に良い塩を使ってほしいのです。現代の食べ物は人の手に入るまでに、ほとんどが人工的な加工を施されています。それは塩も同じことです。そこで私は患者さんに自信を持って勧められるような、より自然な海水に近い塩が欲しいと思うようになりました。そこで「粟国の塩」の製塩職人・小渡幸信さんにお願いして、いままでよりさらににがりを残してもらい、ミネラルが豊富な自然海塩を作ってもらいたいとお願いにいきました。しかし答えはNG。理由は、にがりを残した塩は湿気を含みやすいので、作り手がいくら良いとわかっていても、消費者には使いづらいという欠点しか伝わらないからということでした。それなら、僕が本物を求めている消費者(患者さん)に届けますと意気込み、『うみたま』が誕生したのです。

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――この塩は一般に市販されているものより湿り気があるように見えますが、どうしてですか。

それがこの塩の重要なポイントになります。通常海水から塩を作るときは、まず釜で炊き、その後ざるにあげます。このとき下に落ちるのがにがり、ざるに残るのが塩となります。『うみたま』はこのにがりの成分を残して作られます。そのため海水に近いミネラルが豊富な塩となるのですが、成分に含まれるマグネシウムが水分と結合しやすいため、湿り気の多い塩になるのです。常識的に塩はさらさらでなければ売れないものですが、『うみたま』はあえてそれを度外視して作っていただきました。このにがりに残ったミネラルがあるからこそ、美味くてからだに良い塩となるからです。

――『うみたま』の由来を教えてください。

『うみたま』は、「海のたましい」や「海のたまもの」、海水の成分が自然なバランスで凝縮した「海のかたまり」という意味も込められています。人間の血液や羊水のミネラル・バランスは海水のそれに非常に近いので、「海」というキーワードにこだわりました。

――この塩を誰に食べてもらいたいですか。

一番食べてもらいたいのが、まず妊婦さんです。なぜかといえば、人間はいまのような進化を遂げるのに46億年もの月日を費やしています。しかし生まれてくる赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で、たった十月十日でこの進化をすっ飛ばし、この世に誕生するのです。からだへの影響も大きく、一日一日がとても重要です。塩はからだを作っていく、重要なもとになるものですから。またお母さんたちに使ってもらって、子供たちが本物を味わう機会を持ってほしいですね。ご飯も野菜もとても美味しく頂けるので、これをきっかけに食に対する意識を高めてもらえればうれしいです。

美味しい食事を楽しみながら、からだに良いことを体感できる自然海塩『うみたま』。この塩に、辻野さんが食事療法士として伝えたい想いが、いっぱい詰まっているのだろう。そして病気になってから自分のからだや食生活を考えるのではなく、普段から生活習慣に気を配ることが重要だと改めて感じた。

また昨今、利潤追求のための食品偽装事件など、消費者の立場を考えない企業活動が目立つ中、生産者や消費者、両方の立場で本当にいいものを届けようという辻野さんの話は、ものづくりの原点を考えさせられた。そして本物を味わったとき、こどもは原点を知り、大人は原点に還っていくことができるのではないだろうか。

◇そら鍼灸食養治療院:http://soragroup.jp/shinryo/
◇うみたま:http://umitama.net/

(蛭田有里子)

コメント

  • 辻野忠男 - 2008年5月20日 0:05
     ヒトの特徴は「直立二足歩行」にあります。二本足で歩き始めて、「足」を得ました。余った器用な前肢を、体を支える役割から解放して、「手」を作り出しました。その手を使って道具を作り出し、ヒトはそれで獲物をとるようになりました。道具をつくっていても腹の足しにはなりません。その道具が完成されたあとのことや、その効果を夢見て、道具作りが進みます。ここで間接的な思考や、先を読む力を持った「大脳・新皮質」が誕生しました。「足」→「手」→「脳」と、ヒトへの道筋ができ、「足」はその土台です。  最初の直立二足歩行は、海辺での生活から始まりました。浅瀬では直立歩行し、深みでは泳いだのでしょう。海底の泥をしっかり踏みしめて、流されないように「かかと」が完成します。首から上は海面から出して、獲物や赤ん坊を頭上に掲げたり、ヒト同士の(顔中心の)コミニュケーションをしたのでしょう。直立二足歩行や表情筋の豊かさの原始的完成です。  歌舞伎俳優や舞踏家、格闘家は、胸から上は上に伸ばして、腰から下は下に引くようにして、大きくまっすぐに、きれいに歩きます。実は海辺での歩き方、自然なポーズです。  何よりも進化には都合がよかったのは、海辺はえさが豊富でした。海草、魚、貝など選り取りみどりです。もちろん「海辺の塩っ気」たっぷりの食料です。「塩」はヒトへの進化の初期から関わっていたと思われます。  「塩分取りすぎにご注意!」は、工場生産の塩に対しての「経験的警告」でしょう。体が実は拒否反応を示していたと言えそうです。「良い塩」は、少々取りすぎても「体は拒否しない(病気にならない)」のではないでしょうか?逆に「なつかしさ」を思い出させる塩へのこだわりを大切にしていることが気に入りました。  進化史上えんえんと続いている、人間の「気持ちよさ」に依拠した「塩」づくりに期待します。人間らしさや健康を取り戻すキーワードになるかも知れませんねえ。    
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