名古屋市のメーンストリート「広小路通」の将来像を提案する「広小路・夢・デザイン展」が同市中区栄の三井住友銀行SMBCパーク栄で開かれた。最終日の2008年12月8日(月)には、模型などを出展した市内7大学10研究室の学生らが市民を前にプレゼンテーション。市主導の活性化計画が足踏みするなか、大胆な緑化や歩行者空間化など、環境の時代を見据えた幅広い提案が示された。

「広小路通」の再生を目指す8つの提案についてプレゼンテーションする学生たち
広小路通は城下町が築かれた江戸時代から尾張名古屋の目抜き通りと位置づけられ、戦後は幅30メートルの通り沿いに商業ビルやオフィスが立ち並び、通りの散策が「広ぶら」と呼ばれるほどにぎわった。だが自動車交通量の増大で片側二車線化されるとともに南北が分断され、幅5・5メートルほどしかない歩道は違法駐輪などで歩きにくくなり、人通りが激減。地元商店街などが再活性化を求めるなか、名古屋市は昨年、栄-伏見間の約800メートルを片側一車線にして歩道を広げ、幅50センチのせせらぎをつくる「広小路ルネサンス」構想を明らかにしたものの、車線減少の影響を受ける交通業界などが激しく反発。市議会でも事業費16億円で2010年完成という市の目標を「拙速だ」などとする意見が大勢を占め、今年2月議会で諮られた交通社会実験費などの関連予算案が認められず、構想は事実上頓挫した。
これに対し、市内の建築家らでつくる「名古屋建築会議(NAC)」は独自の提案づくりを模索。行政や議会の動きを探りつつ、各大学研究室に呼び掛け、8区画ある通りの1区画ずつを自由にデザインするという形式で展覧会を実現させた。
学生らは先月下旬の3日間、市内の会議室を借り切って集中的に模型を制作。縮尺100分の1という条件以外は他チームと調整せず、先月28日の展示初日に初めて8つの模型が並ぶというユニークな企画に挑戦した。
提案は、片側二車線を残した通りの上に“空中回廊”をつくる超現実的なものから、市の構想に近い拡幅した歩道に段差や構造物を張り出させる堅実なものまでさまざま。プレゼンテーションでは、歩行者空間化を提案した学生が「こうした計画ができるまでには車への依存度は減っているはず」「車を通すにしてもエコバスに限定すべき」などと訴え、市職員を含む参加者からは「商業施設の商品の供給はどうするか」「公園的にするだけでは人は集まらない」「地下街との関係を考えたらもっと面白くなる」などと活発な意見が飛び交った。
プロジェクトを主導した名古屋大学講師の恒川和久さんは「これまでは市民を巻き込んだ議論がなかった。こうして目に見える形で地元の人と一緒に考え、1年、2年と続けることで現実の動きにつなげていきたい」と話した。
模型は10-11日に同市千種区吹上の市中小企業振興会館、12-27日は同市中区金山町の名古屋都市センターでも展示される。
(関口威人)

拡幅した歩道に基壇や構造物で変化をつける愛知淑徳大・清水裕二研究室案

幅2mの構造体を帯状に並べ、「狭広路」とする名古屋大・恒川和久・生田京子研究室案

片側一車線化し、ミラーやボックスなど多様な仕掛けを施す名古屋市立大・伊藤恭行研究室案

通りの歴史を意識させ、企業の技術交流拠点とする名古屋工業大・伊藤孝紀研究室案

完全な歩行者空間とし、立体的にも一体化させる椙山女学園大・村上心・橋本雅好研究室案

空中に歩道を持ち上げ、霧をまいて地上を冷却する大同工業大・山田幸司研究室案

















