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自然エネルギーの世界的権威が語る、市場の急成長とその背景
(2008年7月6日 09:00)

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 講演するエリック・マルティノ氏

自然エネルギーの世界的権威で、「21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク」(RE21)のグローバル・ステータス・レポートをまとめたエリック・マルティノ氏が、北海道・札幌市で講演しました。「自然エネルギー都市会合」(主催:環境エネルギー政策研究所北海道グリーンファンド)での基調講演で、マルティノ氏は、近年の自然エネルギー市場の急速な成長と、自治体が自然エネルギー普及に果たした役割について、熱弁を振るいました。

■自然エネルギーの経済効果は大きい

マルティノ氏が、ニューヨーク・ウォール街で行われた自然エネルギーへの投資についての会合に参加したところ、600人もの参加者が押しかけ、そのうち半数はCEOで、しかも、モルガン・スタンレーやシティーバンクなどの金融大手からの参加者が多かったそうです。

マルティノ氏は「昨年の自然エネルギーへの投資総額は1000億ドルを優に超える。国別で言うと、ドイツがトップで140億ドルだが、注目するべきは中国が120億ドルと第2位に躍り出たこと。そして米国が3位で100億ドル。この三国が新規自然エネルギーへの投資の先導者だ」と、自然エネルギーへの投資額が急激に増加していると語ります。

莫大な投資を背景に、自然エネルギー利用は大きく伸びています。「昨年、風力発電の総発電容量は100ギガワットに達した。太陽光発電も10ギガワット。熱利用では、中国での太陽熱による温水器や暖房の導入が目覚しい。新規設備容量(18ギガワット相当)のうち、75%が中国で導入されたものだ」(マルティノ氏)。

また、「自然エネルギーによる雇用は世界全体で250万人、特にドイツが多く新たに25万人の雇用を獲得している。自然エネルギーを扱う135の上場企業の時価総額は1000億ドルを超えた」と、自然エネルギーの経済効果は極めて大きいとマルティノ氏は言います。

 
 
急増する自然エネルギーへの投資額

■市場の成長のカギは政策、自治体の役割も大きい

自然エネルギー産業の急成長には、政策が密接に関係しています。「電力の固定価格買取制制度*1は、37カ国、9つの州で導入されている。また、スペインでは新たに建築物を建造する場合に太陽光発電設備の導入を義務つけたり、米国では30%の税額免除を行っている。」

そして自治体の果たす役割についても、「バルセロナは2000年に全ての新たな建築物や一定規模の建築物の増改築に対し、太陽熱給湯器の設置を義務付けた*2。その後、同様の条例をスペイン全土70の自治体が取り入れ、2006年3月にはスペインの国家建設基準法でも太陽光発電・熱利用の設置が義務付けられる様になった」と、一つの自治体の取り組みが国全体の制度を変えることもある」と、自治体の政策が大きな役割を担っていると自治体へのエールを送りました。

*1 固定価格買取制度とは、グリーン電力(自然エネルギーで発電された電力)の事業者の供給する電力の料金に、一定額の助成金を上乗せして電力会社が買うというもので、ドイツやスペイン等での再生可能エネルギーの爆発的な普及に大いに貢献した。

* 2 小規模建築物への義務付けのみ、2005年に廃止。

(志葉玲)

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