ress-mu-1.2.5" --> マイファーム http://goodnews-japan.net/news/myfarm Tue, 06 Jan 2009 00:17:12 +0000 http://wordpress.org/?v=wordpress-mu-1.2.5 en 食の問題を知ってエコアクションにつなげよう - デンソーエコポイント制度創立2周年記念公開セミナー開催 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2009/01/06/146 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2009/01/06/146#comments Tue, 06 Jan 2009 00:17:12 +0000 編集者 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2009/01/06/146 「いまさら聞けない食の問題」というテーマで、日本の食の問題を知り、エコアクションにつなげようという講演会が2008年12月3日(水)、愛知県刈谷市の株式会社デンソー本社で、中部地方を中心に有機野菜など食材の宅配事業を行う株式会社にんじんの代表、伊勢戸由紀さんを講師として開催された。デンソー社員の他、他企業、NGO、NPO、行政や学校関係者など約150人が参加した。

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        株式会社にんじん代表の伊勢戸由紀さん 

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       デンソー社員他企業、行政などから150名が参加

この講演は、デンソーが環境や地域に対する社員のよい取り組みを、ポイントを発行して応援していくというデンソーエコポイント制度=DECOポンの創立2周年記念公開セミナーとして開催されたもの。DECOポンのポイント発行やポイント交換のメニューとしてにんじんCLUBの有機野菜などの商品が指定されていたり、ファームツアーなどのイベント実施でタイアップしたりしている縁で今回のセミナーが行われた。

講演に先立ち、株式会社デンソーDECOポン事務局の門井徳孝さんから「DECOポンの思いはエコシフト、特に食の分野に力を入れている。安全安心な食べ物の見分け方などは多くの人の関心が集まっているテーマ、環境のためというよりは、自分のための安全安心を考えるというところを入り口にして欲しい」というあいさつがあった。 

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         デンソーDECOポン事務局の門井徳孝さん

その後、株式会社にんじん代表の伊勢戸由紀さんが講演。

自己紹介として職歴ならぬ「食歴」、ご自身の今までを、食事の思い出や変遷とともにご説明というユニークな出だしで参加者も思わず話に引き込まれる。野菜、魚中心の食生活から中学生で朝食にパン食が増え、ファーストフードを初めて食べたこと、成人式でのフランス料理のフルコース、そしてにんじんCLUBに入り長野県下伊那郡の農家の人達との出会いから、有機野菜を食べ「畑と台所をつなぐ」べくその普及に尽力してきたことなどが語られた。参加者も昭和40年代以降の日本人がたどった典型的な食生活にうなずき、自身の食の変遷に重ね合わせながらも、ここ20年は有機野菜と出会った伊勢戸さんと違い平成の日本の食文化そのままの食生活を送って来た人が大半のようだ。 

次に戦後から今までの日本の食の問題として、次の4点があげられた。

1.日本人の食べ物が変わってきた
   おふくろの味から同じふくろ(袋)でもレトルト食品へ
   レトルト食品=洋食の普及で食材の輸入依存度が高くなった
     例として100%の紅茶を筆頭にラーメン、食パン、ビール、スパゲッティなど輸入依存度
     90%以上の食材が無数にある現実

2.化学薬品、農薬など化学合成された薬の使用量が増え、先進国で1位になっている
   2002年には12,000件以上の薬品の申請が出るほど化学物質の量はまだまだ増えている。  
   その結果、
    ・アレルギー症状の増加、3000万人に花粉症や食物アレルギー
    ・環境ホルモンの問題

3.病気の人が増加、1950年には1000人中39人程度だった数値が、1971年には1000人あたり109人に増加、2008年には糖尿病だけで1000人に100人、日本人の1割が糖尿病という看過できない現状

4.農業の経営が厳しくなった
   作っても売れる価格が安く利益が出ない、農家の高齢化の問題など

特に農業の経営の問題は、その現状を知ってもらい、適正価格で食物が取引され農家のみなさんが農業を継続していけるような日本にしていきたいという伊勢戸さんたちにんじんCLUBの思いが語られた。その他にも日本人がさらされている食と食に起因する健康に関するさまざまな危険な現状が、数値や具体例とともに紹介された。

また、伊勢戸さんから参加者のみなさんにすぐ取り組める食物に関するエコアクションとして次の5つがあげられた。

1.近くの食材を使う、ローカルであること
2.ゆっくりスローである
3.まるごと全部は経済的 捨てない、作り過ぎない、残さない
4.おいしいは満足
5.続けること

そして最後に、ある生産者の方の「生産者が売ってあげるのでもなく、消費者が買ってあげるのでもなく対等の立場で畑と台所がつながればよい。おいしいと言っていただけることがうれしい」というメッセージが参加者のみなさんに届けられた。

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      参加者同士での食の問題についてディスカッション

講演の後は、伊勢戸さんへの一問一答の時間も設けられ、生産者の窮状や添加物摂取の現状に大変ショックを受けたという感想や、講演の中では説明しきれなかった料理時のエコアクション、フードマイレージの指標など今後の食をとりまく動きについても、参加者から積極的な質問が出た。参加者に直接お話をうかがうと、有機栽培や低農薬栽培は手間がかかり値段がどうしても割高になるのはわかるが、生産者の考える適正価格と消費者の考える適正価格にギャップがある、という意見も聞かれた。

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            有機野菜や果物、お弁当を販

会場内では有機野菜や果物、お弁当の販売が行われた。このセミナーにより、食という切り口から見たエコを、勉強し対話し、触れて体験することができたが、一方日本の食が抱える深い問題を改めて確認する場ともなった。

(宮島博史)

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生産者らが、自慢の有機農産物を直売 ― あいち有機農業フェスタ2008 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/11/07/145 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/11/07/145#comments Fri, 07 Nov 2008 00:00:37 +0000 編集者 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/11/07/145 有機栽培された農産物が安全で安心なのはわかるけど、どんなところで売られているの?値段は?など、有機農産物に対する関心の高まりをみせる消費者と生産者とを直に結び、有機農業の世界をたっぷり味わってもらおうというイベントが、2008年11月5日(木)、名古屋市東区のオアシス21で行われた。

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 「どう?おいしいむかごだよ!」と、元気いっぱいに声をかける
名古屋市内の生産者

このイベントは、あいち有機農業推進ネットワークが主催し、東海農政局、愛知県などが後援するもの。豊橋有機農業の会や、土と生命を考える会、にんじんCLUBなど、25の生産団体や生産者たちが、自ら作ったお米、野菜、農産加工品、お茶、堆肥などを直売した。また展示ブースでは、オアシス21えこファーマーズ朝市村が、第2・第4土曜日に同所で開催される朝市村の紹介を、東海農政局は有機農業推進への取り組み紹介を行うなど、行政や企業、NPOなどが連携し、各々の農に関わる活動をPRした。

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 新鮮な有機農産物。直に生産者と言葉をかわしながら買い物できるのが魅力

舞台では、農家・出展者のリレートークや、映画、ライブなど多彩なイベントがまる一日行われ、トークの最中には、当サイトでもお馴染みの環境情報紙「Risaリサ」の編集長、鶴哲聡さんも飛び入りであいさつ。

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よしのたかこさん(総合司会)    鶴 哲聡さん          松沢政満さん 

主催者代表の松沢政満さんは、2006年12月に施行された有機農業推進法により、多くの地方自治体や生産者が有機農業をはじめようという機運が高まっていることを指摘。「全農産物の1%以下という現在の総量を少なくとも5%くらいまで底上げし、市場において有機農産物の大きな流れを作りたい」と展望する。消費者にとって最も気になる一般農産物との価格差は、平均して2割高くらいだが、中には肉類など2倍になるものも。しかし、有機のものは、安全・安心に加え、火の通りがいい、栄養価も高いなどのメリットもあり、地産地消でエネルギー負荷も少ないうえ、何より“おいしい”。

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松沢さんは、「中国や途上国の労働力を絞り取るような形で大量生産される農作物でなく、顔の見える生産者が作ったものをリーズナブルな価格で購入することが、持続可能な社会の実現につながっていく」と、家庭で食べる野菜ひとつにおいても、日本人の消費のあり方が日本人の暮らしに相応したものになっていくよう、願いを込めた。

(浜村良子)

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食べる・考える・実感する – green project始まる http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/10/26/144 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/10/26/144#comments Sun, 26 Oct 2008 00:00:34 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/10/26/144 eat local,think green” あなたの選択が地球をgreenにする!というキャッチフレーズの「green project(グリーン・プロジェクト)」が20081025日(土)から名古屋市で始まりました。

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このプロジェクトは、EXPOエコマネーを運営するNPO法人エコデザイン市民社会フォーラムが農林水産省東海農政局の「地方の元気再生事業」に提案、採択されて行ったもので、green program(グリーン・プログラム)とgreen market (グリーン・マーケット)、green point(グリーン・ポイント)の三つで構成されています。 

会場となった名古屋市中区栄のナディアパークと矢場公園では、green marketと名付けられた新鮮で安全な農産物や天然酵母パンの販売、マイ箸作りなどのマーケットとステージイベントなどが行われています。

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主催者からは「地元で採れたものを食べること(地産地消)がgreenな(エコな)ことを考え、行動することにつながることになります。貯まったgreen pointと連携したEXPOエコマネーで植樹などに寄付できます。」とあいさつがありました。

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   あいさつする森川高行さん         「参加するとエコバッグがもらえます」と剱持千歩さん

また、近くの栄ガスビルではgreen programと名付けられた学びのワークショップも行われました。 

このプロジェクトは、今日1026日(日)もナディアパークと矢場公園で行われ、114日(火)~1214日(日)まで、ミッドランドスクエアや金山総合駅など名古屋市内の各所で行われることになっています。 

green projecthttp://www.green-project.jp/index.shtml 

(伊藤剛)

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六本木でお米の収穫祭 - 第1回Happy Rice@MERRY GARDEN収穫祭、開催! http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/09/24/143 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/09/24/143#comments Wed, 24 Sep 2008 00:39:21 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/09/24/143 アートディレクター水谷孝次氏率いる水谷事務所がプロデュースする「MERRY PROJECT」。MERRYなこと(=楽しいこと、幸せなとき、将来の夢など)を世界中に投げかけ、その笑顔とメッセージを集めた「コミュニケーションアート」としてスタート、北京オリンピックの開会式では、世界の子供達の“MERRYな笑顔”を1644枚提供し、話題となったプロジェクトだ。

そんな「MERRY PROJECT」が2008年新たに提案するのは、子供から大人まで都会に住む人々に食物の重要さ、素晴らしさを再認識してもらうための企画「MERRY GARDEN」。今年6月に、六本木ヒルズを仰ぐ、某ビルの屋上に植えられた23品種の稲、野菜たちは元気に育ち、9月21日(日)に、第1回収穫祭が開催された。

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六本木ヒルズを目前に黄金色に輝く稲。水谷代表の
刈り入れで収穫祭がスタート。

雨の降る東京・六本木。今回は、収穫前に本プロジェクトの監修を務めた、東京農大教授・入江憲治氏のお米に関するワークショップも行われ、子供からスタッフまで30名以上が「世界のお米」について学んだ。その後、屋上へ移動。傘をさしながら、23種のうち10品種の稲とトマト・ナス・シシトウなどの野菜を刈り、昼食はバーベキューと特製カレーで今季の豊作を祝った。

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世界のお米についてのワークショップも同時に開催。数種の米を実際に
比較しクイズ形式で理解していく等、楽しみながらお米について学べた。

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ナス、シシトウ、トマトなど収穫した野菜はその場でバーベキュー。
六本木育ちの甘い野菜たちに感動の声も。

「MERRY PROJECTのある六本木は、最先端の情報が集まる場所でもありますが、同時に空気や街自体も汚れているエリア。しかも、収穫した稲や野菜は、毎日六本木ヒルズを見つめながら育ってきました。稲や野菜の成長を見守り観察しながら、さまざまなことを野菜から、教わりました。そして、これらを食べる。こんなにMERRYなことはない」と、水谷代表は感慨深く語った。

残念ながら、収穫の時も、バーベキューの時も、雨はやまず。今回の収穫祭の感想を伺うと、水谷代表は笑顔を浮かべながら続けた。

「以前、ケニアのマサイ族に、『MERRYなことは何ですか?』と聞いたことがあります。彼らが即座に答えたのは、『雨が降ること』。雨が降って草が生え、牛や羊達がそれを食べて、少しでも豊かになればという願いから発した答えです。私たちが止んでほしいと願う雨も、マサイ族にとってはMERRYな雨なのです。これは、私たちだけではなく、野菜にとっても恵みの雨なのですよ。そして、六本木のビルの屋上で美しい花のごとく、カラフルな色の傘が咲き誇っています。これだけでもアートですよ」

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屋上はカラフルな傘でいっぱいに。「六本木に恵みの雨が降った」と水谷代表。

自然の摂理に従順な農作物から生まれる“MERRYな出来事”は計り知れない。自分で育てて始めて、農業の重要性も理解できる。そして、「食べること」のあり難さがわかる。食物問題が重要視される今こそ、このような活動はとても大事に思う。

大盛況のうちに終わった第1回収穫祭。次回は、そば、白菜、カブなどの成長を待つことになる。気になる方はどなたでも参加可能。詳細は、http://www.merryproject.comでチェックを!

(橋本優香)

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真夏にハウスのトマト栽培体験 ― くくむ農園で「本来農業」研修 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/09/04/142 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/09/04/142#comments Wed, 31 Dec 1969 14:59:59 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/09/04/142 「本来農業への道」という持続可能な農業への挑戦へ向けたシンポジウムが、今年、4月に東京でありました。会場は満席。このシンポジウムでは、現在の農業の現状と農業の役割をふまえ、これからあるべき農業へ10の提言を行っています。情報システムの企業で10数年間、会社員として働いてきた筆者にとっても「次世代農業、かっこいい。」そう思えたシンポジウムでした。
※詳しくは、以下に議事やアンケート結果が公開されています。
http://www.sas2007.jp/
※次回は、2008年9月28日に田原市で行われるそうです。  http://www.sas2007.jp/symposium.html 

そこで、「自分も農業の現場を体験して、何が動き始めているのかを体験しよう!」と思いたち、「本来農業の道」の推進メンバーのひとつである、イシグログループが運営する「くくむ農園」に会社の夏休みの間、体験研修を申し入れました。以下では、その体験と、そこで得られた感想を共有したいと思います。 

くくむ農園は、愛知県渥美半島の田原市にあります。遠州灘と三河湾に挟まれた、渥美半島の夏空は、以下の写真のように抜けるような青。そして、照りつける太陽と心地よい風。そんな土地でした。
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ハウスから、遠州灘の方角を臨む

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トマト栽培のハウス

くくむ農園では、規模型生産を目指したハウス栽培でトマトを生産しています。ハウスを使うのは、環境をコントロールできるから。コントロールしたいのは、太陽のたくさんの光、水、そして、虫。トマトは、アンデス高原が原産といわれており、日照が多く雨が少ない地域です。日本は多雨すぎます。また、トマトの受粉には、外来生物のハチ(セイヨウマルハナバチ)を使います。そこで、圃場の内と外は、出入りが少なくなるよう、厳重に管理しなければなりません。このために、ハウス栽培が適しています。

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管理された圃場への出入り口

通常、規模化するトマト栽培は、ハウスの中で水耕栽培を行います。土壌が不均一だと、作物の出来具合も不均一になってしまうからです。また、栽培も楽です。しかし、水耕栽培だと、廃液が出てしまい、環境を汚してしまいがちです。そこで、くくむ農園では、土づくりにこだわった土耕栽培によって規模化しようと挑戦しているのだそうです。土のばらつきは、なるべく押さえ、有機資材を使い、「本来の味がするトマト」を作ることができるそうです。研修中に出荷できないトマトをいただき、朝ご飯にさせていただきましたが、確かに、味は濃いです。
http://www.kukumu.jp/kodawari/index.html

もうひとつ、この農園のトマト栽培の特徴は、JGAPを取得して、きちんと管理した農業を目指していることです。田原市の特徴といえば、トヨタ自動車の田原工場があること。有名な無駄のない組み立てで知られる「カンバン方式」をはじめとする生産方式が、この農園にも影響を与えています。つまり、従来農家の経験と勘と暗黙知に頼ってきた農家の生産方式を標準化して、生産の現場では5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を徹底して、効率的なハウス栽培を目指しているのです。実際に、筆者が家庭菜園を行っていたときには、車のトランクの中によく農機材をごちゃごちゃに入れて出し入れがたいへんだったりした記憶がありましたが、ここではすぐ必要な道具が出てきて気持ち良く作業ができます。

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洗濯コーナー
 

くくむ農園は、有限会社の形式をとっています。社員とパートアルバイトで構成されます。パートアルバイトの女性たちは、近隣の農家の主婦らを中心に技量のある方たち24名です。

お盆休み期間中とあり、数名の女性が参加するだけでしたが、たいへん元気な女性ばかりでした。ひょっこりやってきた筆者もあっという間にとけ込ませていただきました。女性らは、トマトの収穫や出荷が主な作業です。朝8時に出社すると、出社カードを押し、お茶の準備と洗濯にとりかかります。そして、タオルを頭に巻き付け、ポケットに冷凍室から取り出したばかりの保冷剤を詰め込みます。いざ、圃場の中へと向かいます。

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選果および出荷コーナー。使わない時間帯は
カバーをきちんと被せます。

実は夏は、トマトにとって暑すぎるために難しい季節だそうです。ハウスでは、ちょうど出荷のピークがひと段落し、新しく中玉トマトの作付けが行われているところでした。この時期の男手の作業は、育ち盛りのトマトの苗の支柱立て。作付けされているトマトの苗の前後の地面にパイプを突き刺し、支柱で支えます。これはトマトが成長した際に、収穫しやすいように誘引するためです。

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一面、ずっとトマト畑
 

株式会社化することで、人の動員が機動化しますが、一方で、課題もあります。一般農家の夏の農作業といえば、早朝と夕方。一番暑い昼から午後3時くらいまでは休憩です。しかし、会社組織では、朝早すぎてもいけませんし、昼間も働かなければなりません。午前が4時間、午後4時間、合計、8時間。真夏のハウスの中は、もちろん、暑いです。パイプを組み上げるのは肉体労働。本来はさほど重労働ではないハズなのですが、日照を受けて、ハウスの中は、午前10時には35度を超え始めます。こうなってくると、暑いというか、吹き出る汗。15分動いているだけで、動きが鈍ります。景気づけでFMをガンガンならしますが、これは、いい感じ。音楽は脳内麻薬になります。FMが止まると休憩です。50分に10分休憩。休憩時間の、冷たいお茶がおいしい。ハウスの外はさわやかに風がとおり、涼しい。一緒に働いている人たちと、世間話を交わします。 

パートの女性らは、「昨年は、ハウスに窓がなかったから、40度になったけど今年は涼しいわよねー」「体が1週間あれば慣れるわ。慣れ慣れ」ということですが、いやいやいやいや、普通に暑いです。筆者のような体験希望者や、農業経験者にとっては、こうした条件でも働くことが出来るかもしれませんが、多くの都市の若者が喜んで働く職場とは言い難い条件です。 

しかし、たかだか体験だけでは、実際にプロの農家になれるわけではありません。くくむ農園では、今後の農業を支える新しい経営者を育成するプログラムに力を入れようとしています。2年間の研修コースで1年目は現場で学びながら働き、2年目はハウスを任されるという現場密着型の人材開発プログラムです。

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筆者(左)が一緒に働いたのは、くくむ農園
での農業研修の一期生の根木さん

このプログラムでは、3年目から独立して農家として経営を行うことができます。根木さんも、この独立を目指してがんばっています。 

筆者としては、持続可能を目指し挑戦している「現場」を目の当たりにして、そして、そこに挑戦する人たちに出会えて、たいへん有意義な体験でした。振り返ってみると、「次世代型農業」とは、ヒト・モノ・カネにおいての本来あるべき姿の農業を実現する農業と言い換えることができるかもしれません。

• モノ:本来あるべき生産
 –  作物:本来の作物の味わいを引き出す
  –  ライン:作業の標準化によるばらつきの抑制
 –  環境:土地、環境を痛めない

• カネ:本来あるべき安定したキャッシュフロー
 
– 農家にとって:リスクの少ない安定した生業へ
 
– 投資家にとって:安定した投資先

• ヒト:本来あるべき働く喜び
 
– 経営者: 農地を保有する精神欲と経営能力が活かせる仕事
 – 従業員: 誇りとキャリアにつながる仕事
 – パートにとって: 体と心の健康につながる仕事 

今、高齢化、原油・肥料の高騰により日本の農業はかつてない危機を迎えています。一方、世界的な食糧価格の高騰や、株式会社の農業への参入の自由化は、農業の新しい機会でもあります。今、根木さんのように、農業に挑戦してみようという人たち、そして事業機会を見いだそうとしている起業家も増えています。筆者は、こうした起業家たちが農業の道で成功するための最大のかぎとなるのは、働く現場の「ヒト」のやる気を引き出すしくみをいかに構築するか?だと思いました。もしも、日本の食糧自給率を高めることが必要だとしたら、新しい効率的な農業を広めるとともに、働き手がたくさん必要ということになります。この多くの人たちが、スターバックスで働くように「かっこよく」働けるためには、楽しく魅力ある仕事と、魅力あるリーダーづくりが重要になってくるからです。農業が労働集約的な産業であればあるほど、これからの農業の経営は、働くことのやりがいづくりと働きやすさにこだわった現場づくりを考え抜くことが大切かもしれません。

NPO法人アースデイ・エブリデイ理事・服部徹)

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畑の王様便り 「僕の王国へようこそ」 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/30/127 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/30/127#comments Sat, 30 Aug 2008 00:00:30 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/30/127 畑を自分で作り始めてもう3年目になる。たった30坪程度の僕の王国はいつもミラクルに溢れている。最近は僕のような気ままな王様にもしっかりと答えてくれるようになった。僕の場合、好きで畑の面倒みてるだけなので、効率や成果なんかぜんぜん気にしてない、ただの素人なの。ただ、ぼんやり眺めてるだけのぐうたらな、畑に胡坐をかいたずうずうしい王様。

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さて、とは言え夏のあんまりひどい草の生え方に申し訳ないと思い、やっとこさきれいに草を引いたら、やはり僕の王国はたいしたもんで、小さな無数の国民(虫やら蛙やら)が出るわ出るわの大行進。と思ったら春に植えた夏野菜たちが今頃になって精力的に生産を始めた。ナスなんか今年はちっとも実をつけなかったので、王様もどうしたもんかと首をかしげた。ただ、葉っぱも茎も元気なので、まあいつものように黙ってみていたら・・・おやおや、今は生るは生るわのナスまみれ。ほんでもって、4月に巻いたニラは、芽を出したと思ったらあっという間に草に埋もれて一瞬で無くなったのに、今、ここん所の雨でまたグインと芽を出してきた。あんたら4月から今までどこで何しておったのですか?よく生きてたねえ、土の中で・・・。

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僕の王国の場合、一般的な野菜の生産サイクルを無視した出来事がよく起きる。去年は春撒きのキャベツがぜんぜん大きくならず、苗のまんま夏を過ぎ、秋を過ぎ、冬になり・・・そしたら今年の春から夏にかけて大豊作になった。キャベツは越冬できるんだね。春に春キャベツじゃなく秋キャベツを食べるなんて、なんて贅沢なんだろう。

それに、数週間で大きくなるラディッシュをそのまま畑にほって置いたら、でこぼこのどす黒い変な小さなカブになった。生でかじったらとても辛くて喰えん。ところが煮てみたらなんとも美味な赤カブになった。きっと野生化したんだね。

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面白いのは生姜で、今年初チャレンジ。草をひくと土の中から生姜のにおいがぷんぷん漂ってくるのには驚いた。ためしに一個抜いてみたら親指ほどの種生姜に小指ほどの新しょうがが付いていた。さっと洗ってかじったら、辛~い、けど旨~い。生姜は変わった植物で、種生姜は古生姜としてそのまま食べられる。芋なんかは種芋から養分を吸い取って芽が大きくなるから食べられないのになあ。生姜は二度美味しい、優れものなのね。

 たった3年の王様生活で気付くことはホントに多い。僕達は旬を大切にしながら野菜を食べているのだけれど、この旬というやつも人間があてがったもので、本当の意味での自然のサイクルとはぜんぜん違うことに気付く。結局人間の都合の良いように作られただけなの。たとえば白菜も、白菜として食うより春になって菜花になった白菜の新芽の方がはるかに旨い。こりゃ白菜が旬なのか、菜花が旬なのか・・・。野菜は人間からすりゃ食い物だけど、植物の本質としては花を咲かせて種を付け、繁殖することだろうから、植物の旬と食い物としての旬は違うことになる。うーん・・・。

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そんなこんなといろいろな気付きを与えてもらっていると、つい、収穫を忘れ、植物としての変化を見るのが楽しくなって、ミルク滴る採りたてのイチジクをかじりながら、今日もぐうたらとなんとなく小さな王国を眺めては、畑の王様はミラクルに心躍らせているのである。あ、ツバメが僕に白いお腹を見せて飛んでった・・・。

(みどりの屋根・INUUNIQ  飯尾裕光)

Earth library cafe /earth events planning TESHIO―みどりの屋根INUUNIQ(イニュニック) (cafe&office)
名古屋市北区清水5-10-8 グリーンフェロー1F TEL・FAX 052-911-1003
E-mail :midorino-inuuniq@green-fellow.jp
map:http://green-fellow.jp/midori/map.htm

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http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/30/127/feed
江戸時代から農家が大切に守り育ててきただだちゃ豆 ― 庄内協同ファーム(山形県鶴岡市) http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/23/126 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/23/126#comments Sat, 23 Aug 2008 00:30:51 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/23/126 mori080823-01

農産物の生産から加工まで、自分たちでおこなっている『庄内協同ファーム』から、「だだちゃ豆」が今年も届きます。出荷時期は8月上中旬から下旬にかけて。

「だだちゃ豆」とは、「枝豆の王様」と呼ぶにふさわしい、独特の香り高く、甘みのある、とても美味しい品種です。

『庄内協同ファーム』がある山形県鶴岡市は、最上川(もがみがわ)の上流に広がる庄内平野の南に位置しており、北に「出羽富士」と呼ばれる鳥海山(2,236m)、南に月山(1,984m)が、どっしりと腰を下ろしています。
『庄内協同ファーム』は、農業を生業とする若手生産者が集まって生まれたグループで、1989年に設立した農事組合法人。「むらとまちと地域を結ぶ」をモットーに、主に米や枝豆などの生産と、組合員が生産した農産物を原料に餅や干し柿などの加工販売をおこなっています。

だだちゃ豆は、鶴岡周辺の限られた地域で江戸時代から農家が大切に守り生産されてきた枝豆の「在来種」で、サヤが茶色く、くびれも深いため、見た目はあまり良くありませんが、他にない独特の甘みと風味があります。鶴岡周辺の土地条件にマッチしており、この種子を他地域で生産しても、だだちゃ豆の品種特性が消されてしまうという「わがまま」な枝豆。
そんな理由で生産地や生産量が限られていて、出回る量も少ないため、「マボロシの枝豆」と呼ばれることも…。

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さて、今年の作柄(でき)について、出荷担当スタッフ・阿部さんにお話をうかがいました。

「庄内地方の風は、通常西風が多く、東側からの風(方言では〈ダシの風〉という)は少ないのが一般的で生暖かいのが特徴です。ところが今年は、5月の中旬ごろにかなり強いダシの風があり、田植え後の除草のため田にしきつめた紙マルチがはがれるなど被害もありました。
その後も5月末ごろに、またまた強いダシの風が3日間ほどあり、6月に入っても続きました。
この5・6月は雨も少なく、農産物もかなりストレスを感じたようです。 
枝豆の定植(苗を畑に本植えすること)後の状態も、地域によっては、強いダシの風の影響で部分的に下葉が枯れあがるなど、通常は8月初旬から収穫できる早生種に若干被害が出ていますが、8月中旬からの収穫品種は今のところは例年並みの感じです。

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今後も天候に左右はされますが、有機栽培に取り組んで8年目を迎え、生産者も有機の農法にかなり手ごたえを感じてきております。
定植作業は4月下旬から始め、品種ごとの段蒔きをしながら6月下旬ごろまで続け、7月下旬から9月中旬ごろまでの安定した収穫&出荷に備えます。
これからは、地球規模での気候変動が心配ですが、今後も環境に負荷をかけない栽培をしながら、安心、安全で美味しい〈庄内産のだだちゃ豆〉をお届けしたいと思っております」

ちなみに「だだちゃ」とは、庄内地方の方言でお父さんの意味なんですよ。

にんじんCLUB 森さつき)〈関連HP〉
にんじんホームキッチン

「にんじんCLUB」では中部地方を中心に有機野菜や無農薬・低農薬・無添加の食材をお届けしています。

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http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/23/126/feed
農業はビジネスだ!明日の農業を育てたい―イシグログループ http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/17/123 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/17/123#comments Sun, 17 Aug 2008 00:00:46 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/17/123 愛知県の渥美半島一帯に位置する田原市。一年を通して温暖な気候に恵まれ、メロンやキャベツの一大産地としても有名な日本を代表する農業地域です。

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この地で薬局として創業し、90年以上に渡って田原を拠点としながら日本の農業を支え続けているイシグログループを訪れました。

イシグロ農材株式会社、イシグロ農芸有限会社などの7つの会社から成るイシグログループは、ガラス温室やビニールハウスの設計から施工、コンピューター制御による栽培システム、そして、生産物の販売や流通までをトータルにサポートしています。

社長室長の大橋進吉さんに会社の概要をお聞きし、試験農場に案内していただきました。

世界規模での食糧難が叫ばれている今、日本の食糧自給率の低さについて関心を持つ機会も増えてきています。しかし、実際に農業といっても具体的にどのようにして生産や管理を行っているのかご存知でしょうか。恥ずかしながら知識のなかった記者にとって、見聞きするものはどれも興味深いものばかりでした。

自然に大きく左右される農業は、その年の気候によって、生産される量、質が毎年同じになるとは限りません。
家庭菜園でしたら、その時々で農作物の出来がバラバラでも問題ないでしょうが、日本国民の食の供給を担う農家にとっては死活問題です。そのリスクを少しでも軽減するために、様々な技術が導入されています。

作物を荒らす病害虫については、科学的な診断によって原因を突き止めることで、最も適した防除法を用います。
防除法にも様々ありますが、天敵昆虫を入れることで病害虫を捕食するといった、自然に基づいた防除法を取り入れ、できるだけ科学農薬に頼らないように工夫されています。

これまで農家の長年の経験によって受け継がれてきた農業のノウハウを、数値化してデータにし、効率よく高収量・高品質の農産物を育てる環境をサポートするシステム開発も行っています。

グリーンナビΣは、温度・風向・風速・日射などをパソコンで一元管理し、温室の天窓の開閉や暖房機などによる温室環境を制御する複合的なシステムです。 

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コンピュータで一元管理されている

それから、土壌条件に左右されない「袋培地栽培システム」は、袋の中の水分量を測定して自動的に水やりを行う画期的なシステムです。

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袋培地栽培システム 

これらのシステムは、新規就農希望者など、明日の農業を担う後継者にとっても心強いものとなると思います。

イシグログループでは、農産物を安定的に生産できる次世代農業経営者の育成にも力を入れています。
これまで、あまり経営的な感覚を必要とされなかった農業ですが、これからは経営感覚を持った就農者でなければ生き残れない時代になるだろうといいます。新しく農業を始めようと考える人々に向けて、必要な経営感覚と確かな栽培技術、そして流通に至るまでのサポートを施した研修コースが今ちょうど始まったばかり。一人一棟のハウスを任され、栽培力・販売力・経営力を研修によって身につけていきます。

経営的な農業をサポートするため、JGAPの取得にも力を入れ、自社の社員にも38名のJGAP指導員資格の取得者がいます。
JGAPとは、Japan Good Agricultural Practiceの略であり、「適切な農場管理を行える仕組み」という意味です。
農産物の安全や環境への配慮、農業者自身の安全、そして、農場経営と販売に関する適切な管理が行えるという認証であり、消費者にとっては信頼できる農業生産者であるという一つの目安と言えるでしょう。

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見渡す限りのトマトの苗

試験場から数分車を走らせたところにあるくくむ農園
「くくむ」とは、その語感どおり「育む」からきています。

ここでは、研究のノウハウを生かし、有機資材を中心とした土づくりにこだわった土耕栽培によって大規模なトマト栽培が行われています。
この時期はちょうど出荷がひと段落し、新しく中玉トマトの作付けが行われているところでした。

1ヘクタール=約3000坪の見渡す限りのトマトの苗。
ハウス内には前述のグリーンナビΣなどが完備されており、イシグログループが誇る様々な設備が兼ね備えられています。

オランダで大々的に導入されている水耕栽培では、かなりの高収量が期待できますが、その味はお世辞にも美味しいとは言えないそうです。
やはり、甘みがあって美味しいのは土耕栽培のトマト。
沢山の微生物が生きる自然の土の力が持つ魔法には敵わないのですね。

生産されたトマトは、くくむガーデンという販売施設で購入することができるそうです。

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くくむ農園で収穫された中玉トマト 

目指すところは、地域循環型の農業生産。
生産物を地域で販売し、生産の際に出た不要物を堆肥化し、それをまた地元の畑で使用する。地産地消を促し、地域の活性にもつながると大いに期待されるところです。

今回お話を伺っていてひしひしと感じたのは、農業に携わる方々の切実な危機意識でした。
今や農家の平均年齢は65歳を超えています。新しいビジネスチャンスとして魅力ある農業にするために、そして、この国の食糧自給率を少しでも改善するために、新しい就農者を増やし、国民の食を守ろうと知恵を絞っていらっしゃる方々の努力が一日も早く報われますように。私達も毎日の食から考えなければならないことがきっと沢山あるはずです。

(古橋理紗)

※生物多様性の問題に取り組もうとしているNPO法人アースデイ・エブリデイの理事で会社員の服部徹さんが、お盆休みを利用して農業研修を受けました。近くその体験記もお届けします。

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http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/17/123/feed
若者と協働でつくる農村まちづくりセミナー&ワークショップ http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/02/118 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/02/118#comments Sat, 02 Aug 2008 00:00:38 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/02/118 地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)が、将来の地域づくりの担い手である「若者」に焦点をあて、農村に若者がどのような関わりを持てるのか、さまざまな事例とともに考えるセミナーを2008年7月13日に開催し、農業に関心を持つ学生や社会人など50名が集まりました。

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GEICでは、持続可能な地域づくり事業の一環として、事例の学習や情報交換を目的に「環境まちづくりフォーラム」を開催しています。第4回目となる今回は「若者と農業」に焦点をあてた企画。農業に関心のある学生、企業に就職していてもいつかは農業や環境に関わる仕事がしたいと希望する若者の多いことに、ちょっと驚きました。

■事例発表1「学生による地域活性化事業」―小辻紋乃さん(株式会社NOPPO Team LAP担当)

大学院で畜産を専攻していた小辻さんは、農畜産業の厳しい現状を目の当たりにし、少しでも農家の役に立ちたいと考えていたときに、株式会社NOPPOの運営するTeam LAP に出会いました。Team LAPとは、茨城県行方市の6戸の農家と、21人の大学生を結び付ける活動。農地に若者が入ってきたことによって、受け入れ農家や地域に活気が蘇ったというだけでなく、耕作から販売まで取り組むTeam LAPの活動から、販売の工夫で、通常一袋100円のジャガイモが300円で売れたり、それまで収穫されずそのまま畑に放置されていた5円玉程度の小さなジャガイモも、レストランに販売するルートができたり、農家のみなさんを唸らせるような実績も上げています。

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 小辻紋乃さん                     1期生の竹内翔さんと今も活動している安達智子さん

■事例発表2「学生インターンの挑戦が地域に貢献できること」―広石拓司さん(NPO法人ETIC.フェロー)

大分県のNPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会の植田淳子さん、徳島県上勝町のNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの松岡夏子さん、長野県北杜市のNPO法人えがおつなげての小黒彩香さんなど、各地の農村の核となって活躍する若者を紹介。ETIC.の若者の社会的起業の支援プロジェクト―チャレンジ・コミュニティ創成プロジェクト(経済産業省委託事業))モデル事業に採択された北海道岩見沢のコミュニティープロデューサーの有限会社JICC(http://jicc-ltd.com/)の島田昌幸さんからは、北海道三笠市で地域の農家と連携し、新商品開発や産品のブランド化などに芸術系学生を巻き込むことで、学生のキャリア開発と地域農業の活性化推進事例が紹介されました。

農村に関わりたい若者へのアドバイスとして、(1) 参加する意味を明確に、(2)したいことでなく、できることを、(3)やらなくていいことを勝手に買っているという自覚を忘れずに、の3つと共に、「約束したことを実行できるスキル」「モチベーションを維持するスキル」「休むスキル」など、農業には高度なスキルが必要という言葉が贈られました。

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 広石拓司さん                   島田昌幸さん

■事例発表3「ボランティアホリデー/『森林と都会の素敵な関係』プロジェクト」―安藤日出夫さん(株式会社富士通総研 公共コンサルティング事業部)

2004年度に国土交通省、総務省によってはじめられた人口交流事業「田舎を楽しむボランティア・ボランティアホリデー」を担当。また、現在は、「森林と都会の素敵な関係・エコデザインプロジェクト」を担当し、森林・木・環境・エコロジーへの関心、環境を守りたいという都市部住民の思いと、山村、林業者をつなぐ試みを行なっています。

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 安藤日出夫さん           

■事例発表4「農業支援組織で働く」―鈴木さと子さん(全国有機農業推進協議会 職員)

2006年12月に公布・施行された「有機農業推進法」に基づき有機農業を推進する鈴木さん。国際青年環境NGO・A SEED JAPANで、「食の安全と農業を支えるチーム」事務局長を務めた後、今春から全有協に就職しました。今年度は、「もっと食べよう=生活者・消費者へ」、「もっと身近に=流通・加工・外食業界へ」、「もっと作ろう=転換・就農支援」というメッセージを届けるため、有機農産物のポータルサイトを作り、全国5ヵ所でシンポジウムを行う予定です。

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  鈴木さと子さん

後半は、ワークショップ、その後交流会と、遅くまで熱く語り合いました。

(市谷ライヤ)

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http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/08/02/118/feed
自然産業による循環産業革命で持続可能な未来を創る アミタ・熊野英介社長に聞く http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/07/31/117 http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/07/31/117#comments Thu, 31 Jul 2008 00:00:23 +0000 aichikyu http://goodnews-japan.net/news/myfarm/2008/07/31/117 FSC森林認証*1事業を通じた環境・社会・経済に配慮した適切な森林経営をめざす活動をはじめ、農山漁村の地域再生・自然再生事業のプロデュース等、独自の発想で真の環境ビジネスを切り拓いてきたアミタ株式会社。2008年2月に新著『思考するカンパニー~欲望の大量生産から利他的モデルへ』(幻冬舎メディアコンサルティング)を出版した、代表取締役社長・熊野英介さんに、最新の挑戦「森林ノ牧場」について伺いました。

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――「森林で牛を飼う」というのは、どこから発想されたんですか?

40~50年くらい前までは、日本でも森林で牛を飼うのは当たり前の風景だったんですよ。全国で4ヵ所だけ今でも山地酪農をやっていらっしゃる。その酪農家の一人にご指導いただいて、2007年12月、京都府京丹後の雑木林を借り「森林ノ牧場」を開設しました。現在、ジャージー種の乳牛を7頭、森林の中で自然放牧しています。牛は、下草をえさにお乳を出し、排泄物は森の肥料に……という自然の循環を生み出すと同時に、森林を歩き回って下草を食べて整え、倒木などを蹄でならし、森林管理の一端を担ってもくれるんですね。

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――補助金を入れなくても、森林を維持できるわけですね。

森林を木材物販という面からだけ見たら疲弊していくばかりです。森林という空間を、もっと別の形で利用できないだろうかと。たとえば、森林+酪農。林業だけでは何十年かかるところを、酪農乳牛なら乳製品を販売するので1日で収入になります。農業や環境教育というような教育ビジネス、住みたいという人が現れれば住宅ビジネスもいい、自然豊かな暮らし、安全な食、癒しの空間など、森林は沢山のビジネスの可能性を持っています。森林をどのように多機能化し、多能職化すれば収入が上げられるかを実験中です。

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 アイスは通信販売でも購入可能

――手ごたえはいかがですか?

新しい市場を作れるかどうかがカギですね。まず大事なのは、顧客を作るということです。

たとえば2月から京都駅直結の「ジェイアール京都伊勢丹」地下2階の乳製品売り場で「森林ノ牧場」で生産される「森林ノ牛乳」(500ml)を630円(税込)で販売しています。この通常の牛乳の約5~6倍の価格を顧客が受け入れてくれるかどうか。この価格を決める際には、当初、専門家たちはこぞって首をかしげましたよ。でも毎日1回、1本飲んでもらうような既存の牛乳市場に乗せるつもりは全くありませんでした。週1回、豊かな気持ちになるような商品にということで、言うなればスイーツと一緒の発想です。

生乳100%、低温殺菌の安全で美味しい牛乳は、専門家の心配に反し、ずっと完売を続けています。牛乳ですが、敢えて牛乳市場では勝負しない、そういうビジネスの感覚が重要だと思います。パッケージのデザインにも凝って、ビン自体は既成のものですが、「素朴なあたたかさに好感が持て、牛乳のおいしさを引き出している完成度の高いデザイン」ということで、ガラスびんデザインアワード2007で優秀賞をいただきました。

――今後は、「森林ノ牛乳」ブランドを全国に?

いや、あくまで牛乳は副産物で、「森林酪農」というビジネスモデルを普及させたいと考えています。

以前は、各地に学校林というものがあって、校舎を改修する際、その木材を売ったり使ったりしたんですが、今はほとんど放置されている。同時に過疎化が進んで、小学校・中学校あわせて生徒が100人程度という地域がたくさんあります。そういう地域で、100人に毎日、給食で牛乳を飲んでもらうためには、お乳の出る牛が2頭いればいいんです。

通常の柵飼いなら1頭あたり30リットルは搾乳できるところ、森林酪農の自然放牧の牛は1頭あたり10リットル程度しか搾乳できません。でも、2頭で20リットルですから、それを200mlで割れば、100人の生徒に充分いきわたる計算です。乳牛には、搾乳期と閑乳期があるので、常に3頭はお乳が出るようにするためには4頭の牛を飼えばいい。

1頭を飼うために必要な森林は1ヘクタールくらいです。学校林は大体2ヘクタール以上ありますから、当社はそこに牛や設備、ノウハウをレンタルし、保護者に労働を提供してもらえば、伊勢丹で500ml/630円で売っている美味しい牛乳を、子どもたちは毎日飲めるわけです。

――いつも傍らに牛がいる学校、というのも楽しそうですね。

そうです。牛は今のように工業的にズラっと柵の中に並べられ、合飼料を強制的に食べさせられ、人工授精をさせられていると、消耗して5年くらいで死んでしまうのですが、自然放牧だと15年くらいは生きます。乳量は3分の1でも3倍生きますから、1頭あたりの生涯乳量は自然放牧のほうが多い。長生きすれば仔牛を生んでくれますから、資産も増える。こういうアタリマエのことを、もう一回見直しませんかという提案なんですね。

子どもたちにとっても、今の給食の牛乳では飲んでも何の感動もないでしょうが、裏山で飼っている牛のお乳、お母さんが搾ってくれた牛乳なら、自然の恵みを実感できるという良さもあります。

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 牧場の傍にある「森林ノ工房」は、自然素材を利用したストローベイルハウス

――牛の世話をしたい、森林に関わりたい都会人も多いのではないでしょうか。

地方でも農業をしていない人は、多いんですよ。定年になっても、田んぼは親父さんがやっているから、やることがない。そういう人に話を持ちかけると、子どものころには確かに自宅に牛がいた、やっぱり牛はかわいいねぇ……なんて、嬉々としてやってくれるわけです。そんなふうに、みんながハッピーになれるビジネスモデルを創っていきたいですね。

かつては「生存圏」の中に「生活圏(消費)」と「経済圏(生産)」が分離せずに存在していたのに、工業化でそれらが分離してしまいました。もう一度、それらを結びつけるような「関係づくり」を商品化していく企業家が増えて、それらを近づけていかなけ
ればいけません。

昔は、裏山に薪を採りに行く孫に、祖父が「裏山の薪を採りすぎると山の神様の罰があたる」と言って乱伐を戒めたものです。それは、自然を破壊して生産効率を優先すれば、結果として自分たちが生存できなくなるという当事者感覚を持っていたからです。しかし、工業化し、経済が発展してくると、薪は店で買うようになる。それも安ければすぐに必要でなくても買ったりする。自分の裏山は青々と豊かなまま、薪を沢山所有でき、地域のお店も潤う。でも、その代わりに、地球の反対側を禿山にしている……。昔は子どもでも知っていたルールを、立派な大人たちが壊しているんですね。

「生活圏(消費)」と「経済圏(生産)」を近づけていくこと、それが本当の環境ビジネスではないか。自然産業*2で、早急に新産業革命(=循環産業革命*3)でも起こさないと、私たちが幸せに暮らせる地球環境は守れない、間に合わないと思っているんです。

――同感です。本日はありがとうございました。

*1 FSC森林認証
FSC(Forest Stewardship Council: 森林管理協議会)森林認証は、世界的な森林減少・劣化の問題と、グリーンコンシューマリズムの高まりを背景として生まれた、「適切な森林管理」(Well-Managed)を認証する制度。認証された製品が市場に増え、購入が進むことによって、適切に管理される森林が守られ、森林の破壊や劣化を招くことなく、木材消費が進む。

*2 自然産業
自然環境に過度の付加を与えることなく、持続的かつ循環型の営みを可能にする第一次産業(農林水産業、牧畜、狩猟採集活動など生物資源に働きかける産業)および、自然資源の持続可能な利用に基づくその他の多様な経済活動。

*3 循環産業革命
自然産業を基盤とする経済システムが世界に浸透し、次世代に継承されていく社会へのレボリューション。

(市谷ライヤ)

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