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食の問題を知ってエコアクションにつなげよう - デンソーエコポイント制度創立2周年記念公開セミナー開催
(2009年1月6日 09:17)

「いまさら聞けない食の問題」というテーマで、日本の食の問題を知り、エコアクションにつなげようという講演会が2008年12月3日(水)、愛知県刈谷市の株式会社デンソー本社で、中部地方を中心に有機野菜など食材の宅配事業を行う株式会社にんじんの代表、伊勢戸由紀さんを講師として開催された。デンソー社員の他、他企業、NGO、NPO、行政や学校関係者など約150人が参加した。

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        株式会社にんじん代表の伊勢戸由紀さん 

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       デンソー社員他企業、行政などから150名が参加

この講演は、デンソーが環境や地域に対する社員のよい取り組みを、ポイントを発行して応援していくというデンソーエコポイント制度=DECOポンの創立2周年記念公開セミナーとして開催されたもの。DECOポンのポイント発行やポイント交換のメニューとしてにんじんCLUBの有機野菜などの商品が指定されていたり、ファームツアーなどのイベント実施でタイアップしたりしている縁で今回のセミナーが行われた。

講演に先立ち、株式会社デンソーDECOポン事務局の門井徳孝さんから「DECOポンの思いはエコシフト、特に食の分野に力を入れている。安全安心な食べ物の見分け方などは多くの人の関心が集まっているテーマ、環境のためというよりは、自分のための安全安心を考えるというところを入り口にして欲しい」というあいさつがあった。 

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         デンソーDECOポン事務局の門井徳孝さん

その後、株式会社にんじん代表の伊勢戸由紀さんが講演。

自己紹介として職歴ならぬ「食歴」、ご自身の今までを、食事の思い出や変遷とともにご説明というユニークな出だしで参加者も思わず話に引き込まれる。野菜、魚中心の食生活から中学生で朝食にパン食が増え、ファーストフードを初めて食べたこと、成人式でのフランス料理のフルコース、そしてにんじんCLUBに入り長野県下伊那郡の農家の人達との出会いから、有機野菜を食べ「畑と台所をつなぐ」べくその普及に尽力してきたことなどが語られた。参加者も昭和40年代以降の日本人がたどった典型的な食生活にうなずき、自身の食の変遷に重ね合わせながらも、ここ20年は有機野菜と出会った伊勢戸さんと違い平成の日本の食文化そのままの食生活を送って来た人が大半のようだ。 

次に戦後から今までの日本の食の問題として、次の4点があげられた。

1.日本人の食べ物が変わってきた
   おふくろの味から同じふくろ(袋)でもレトルト食品へ
   レトルト食品=洋食の普及で食材の輸入依存度が高くなった
     例として100%の紅茶を筆頭にラーメン、食パン、ビール、スパゲッティなど輸入依存度
     90%以上の食材が無数にある現実

2.化学薬品、農薬など化学合成された薬の使用量が増え、先進国で1位になっている
   2002年には12,000件以上の薬品の申請が出るほど化学物質の量はまだまだ増えている。  
   その結果、
    ・アレルギー症状の増加、3000万人に花粉症や食物アレルギー
    ・環境ホルモンの問題

3.病気の人が増加、1950年には1000人中39人程度だった数値が、1971年には1000人あたり109人に増加、2008年には糖尿病だけで1000人に100人、日本人の1割が糖尿病という看過できない現状

4.農業の経営が厳しくなった
   作っても売れる価格が安く利益が出ない、農家の高齢化の問題など

特に農業の経営の問題は、その現状を知ってもらい、適正価格で食物が取引され農家のみなさんが農業を継続していけるような日本にしていきたいという伊勢戸さんたちにんじんCLUBの思いが語られた。その他にも日本人がさらされている食と食に起因する健康に関するさまざまな危険な現状が、数値や具体例とともに紹介された。

また、伊勢戸さんから参加者のみなさんにすぐ取り組める食物に関するエコアクションとして次の5つがあげられた。

1.近くの食材を使う、ローカルであること
2.ゆっくりスローである
3.まるごと全部は経済的 捨てない、作り過ぎない、残さない
4.おいしいは満足
5.続けること

そして最後に、ある生産者の方の「生産者が売ってあげるのでもなく、消費者が買ってあげるのでもなく対等の立場で畑と台所がつながればよい。おいしいと言っていただけることがうれしい」というメッセージが参加者のみなさんに届けられた。

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      参加者同士での食の問題についてディスカッション

講演の後は、伊勢戸さんへの一問一答の時間も設けられ、生産者の窮状や添加物摂取の現状に大変ショックを受けたという感想や、講演の中では説明しきれなかった料理時のエコアクション、フードマイレージの指標など今後の食をとりまく動きについても、参加者から積極的な質問が出た。参加者に直接お話をうかがうと、有機栽培や低農薬栽培は手間がかかり値段がどうしても割高になるのはわかるが、生産者の考える適正価格と消費者の考える適正価格にギャップがある、という意見も聞かれた。

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            有機野菜や果物、お弁当を販

会場内では有機野菜や果物、お弁当の販売が行われた。このセミナーにより、食という切り口から見たエコを、勉強し対話し、触れて体験することができたが、一方日本の食が抱える深い問題を改めて確認する場ともなった。

(宮島博史)

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