地球環境パートナーシッププラザ(GEIC)が、将来の地域づくりの担い手である「若者」に焦点をあて、農村に若者がどのような関わりを持てるのか、さまざまな事例とともに考えるセミナーを2008年7月13日に開催し、農業に関心を持つ学生や社会人など50名が集まりました。

GEICでは、持続可能な地域づくり事業の一環として、事例の学習や情報交換を目的に「環境まちづくりフォーラム」を開催しています。第4回目となる今回は「若者と農業」に焦点をあてた企画。農業に関心のある学生、企業に就職していてもいつかは農業や環境に関わる仕事がしたいと希望する若者の多いことに、ちょっと驚きました。
■事例発表1「学生による地域活性化事業」―小辻紋乃さん(株式会社NOPPO Team LAP担当)
大学院で畜産を専攻していた小辻さんは、農畜産業の厳しい現状を目の当たりにし、少しでも農家の役に立ちたいと考えていたときに、株式会社NOPPOの運営するTeam LAP に出会いました。Team LAPとは、茨城県行方市の6戸の農家と、21人の大学生を結び付ける活動。農地に若者が入ってきたことによって、受け入れ農家や地域に活気が蘇ったというだけでなく、耕作から販売まで取り組むTeam LAPの活動から、販売の工夫で、通常一袋100円のジャガイモが300円で売れたり、それまで収穫されずそのまま畑に放置されていた5円玉程度の小さなジャガイモも、レストランに販売するルートができたり、農家のみなさんを唸らせるような実績も上げています。

小辻紋乃さん 1期生の竹内翔さんと今も活動している安達智子さん
■事例発表2「学生インターンの挑戦が地域に貢献できること」―広石拓司さん(NPO法人ETIC.フェロー)
大分県のNPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会の植田淳子さん、徳島県上勝町のNPO法人ゼロ・ウェイストアカデミーの松岡夏子さん、長野県北杜市のNPO法人えがおつなげての小黒彩香さんなど、各地の農村の核となって活躍する若者を紹介。ETIC.の若者の社会的起業の支援プロジェクト―チャレンジ・コミュニティ創成プロジェクト(経済産業省委託事業))モデル事業に採択された北海道岩見沢のコミュニティープロデューサーの有限会社JICC(http://jicc-ltd.com/)の島田昌幸さんからは、北海道三笠市で地域の農家と連携し、新商品開発や産品のブランド化などに芸術系学生を巻き込むことで、学生のキャリア開発と地域農業の活性化推進事例が紹介されました。
農村に関わりたい若者へのアドバイスとして、(1) 参加する意味を明確に、(2)したいことでなく、できることを、(3)やらなくていいことを勝手に買っているという自覚を忘れずに、の3つと共に、「約束したことを実行できるスキル」「モチベーションを維持するスキル」「休むスキル」など、農業には高度なスキルが必要という言葉が贈られました。

広石拓司さん 島田昌幸さん
■事例発表3「ボランティアホリデー/『森林と都会の素敵な関係』プロジェクト」―安藤日出夫さん(株式会社富士通総研 公共コンサルティング事業部)
2004年度に国土交通省、総務省によってはじめられた人口交流事業「田舎を楽しむボランティア・ボランティアホリデー」を担当。また、現在は、「森林と都会の素敵な関係・エコデザインプロジェクト」を担当し、森林・木・環境・エコロジーへの関心、環境を守りたいという都市部住民の思いと、山村、林業者をつなぐ試みを行なっています。
安藤日出夫さん
■事例発表4「農業支援組織で働く」―鈴木さと子さん(全国有機農業推進協議会 職員)
2006年12月に公布・施行された「有機農業推進法」に基づき有機農業を推進する鈴木さん。国際青年環境NGO・A SEED JAPANで、「食の安全と農業を支えるチーム」事務局長を務めた後、今春から全有協に就職しました。今年度は、「もっと食べよう=生活者・消費者へ」、「もっと身近に=流通・加工・外食業界へ」、「もっと作ろう=転換・就農支援」というメッセージを届けるため、有機農産物のポータルサイトを作り、全国5ヵ所でシンポジウムを行う予定です。

鈴木さと子さん
後半は、ワークショップ、その後交流会と、遅くまで熱く語り合いました。
(市谷ライヤ)

















