いよいよ実施設計です。
実施設計とは、実際の工事に必要な図面を描く作業となります。基本設計が骨格を描くとするならば、実施設計は肉付けをしていく作業にあたります。描かれる図面は意匠図、構造図、設備図に大きく分類されます。
意匠図・・・主に建築の仕上げ部分の詳細や、家具・建具の詳細を示す図面
構造図・・・構造計算に基づき、構造部材の詳細を示す図面
設備図・・・電気設備図(電気の配線、照明器具、コンセント、電話、テレビなどを示す図面)
給排水衛生設備図(キッチン、トイレ、浴室などの配管と器具を示す図面)
空調換気設備図(エアコンや換気扇を示す図面)
以上で建物の図面が出来上がります。
住宅を設計する場合、建物だけで生活が成り立つものではありません。道路から敷地へ入る部分には門があり、そこから玄関までのアプローチ、その向こうには庭があったり。こうした部分は“家の顔”ともなる部分です。
また自動車や自転車等のスペースをどうするのか、勝手口を中心としたサービスヤードをどのようにするのかなど、建物の外部スペースは住み易さや使い易さに大きな影響を与えます。このような部分を描くのが外構図となります。
以上でほぼ設計の作業は完了です。
図面が出来上がったら建築確認申請を提出し、確認済証交付の後、いよいよ工事着手となります。
設計施工の場合はこのまま工事を進めていくことになりますが、設計と施工が別の場合、設計終了後に施工者の選定を行なう必要があります。これには幾つかの方法があります。
①競争によらず特定の業者を選定するもので、「特命(とくめい)」と呼ばれる方法。以前から付き合いがあり、信頼できる施工者を選びたい場合は、こうした形を選択することがあります。
②数社を選定して、設計図書等同一条件で価格競争をする方法。これには競争入札による場合と、見積合わせによる場合があります。
前者は工事価格のみ示し、最低価格の札を投じた業者を選定することが一般的です。それに対し、後者はそれぞれの業者から見積をとり、内容を比較検討して施工者を選定する方法です。
前者のように前面開札によらないので、見積提出者が相互にほかの競争者を確認できない点や、最低価格で入札者を選定せず見積内容の質を重要視する点などで異なります。
設計者は各見積を比較分析し、各業者の特徴や工事に取り組む姿勢などをまとめます。それを元に施主(発注者)と協議の上、業者を決定します。戸建て住宅などで業者間の競争をする場合は、見積合わせによる場合が比較的多く見受けられます。
(土屋知子)






















