豊かな自然を象徴する「森」と、そこで育まれる再生可能な「木」を活用すること。それは、自然の循環と一体になり、持続可能な社会を築こうとする現代社会の重要なテーマのひとつ。
こうした「持続可能な循環型社会」づくりを目指すには、森林を通じて地域の諸問題から地球環境問題にまでかかわっていく、知識と教養、情熱あふれる人材の育成が鍵となる。

【森林文化アカデミー】 周辺には豊かな森林が広がる
森林文化アカデミーは、豊かな森林資源に囲まれ、「ものづくり」と「木造建築」の伝統薫る岐阜県美濃市にある。これから森林の分野での活躍を目指す人だけでなく、現在の森林・林業関係者や自然環境に興味のある一般の人々までを対象に、実践的な高等教育の場として平成13年に開校した。
専修教育・学習部門に設けられたのは「森と木のクリエーター科」と「森と木のエンジニア科」。地域が抱える森林・林業の諸問題を地域の人々とともに解決することを主眼におき、既存の学校教育の枠組みにとらわれない、地域に根ざした教育と研究を奨めている。
少人数制で実践的な知識や技術を習得する場を積極的に設け、将来的には森林や環境、建築分野などのエキスパートや技術者のほか、地域おこしや独立・起業で新たなビジネスをつくり出せるような人材の輩出まで視野に入れているという。
学び舎となる施設には間伐材などをふんだんに使った面格子構造が用いられ、耐震性が高く粘り強い構造を保っている。この面格子は強度を高めるだけでなく、格子の間隔を調整することで風や光をうまく取り込んだり、場所によっては目隠しの役割を果たすものだ。このほかイベントなどに利用するホールでは、無垢材を使った梁をあらわにして大空間を演出するなど、施設内のあちこちに伝統的な日本の建築技術を取り入れている。

【森の情報センター】 大空間で生涯学習講座やさまざまなイベントが開催される
教務課の吉田宗平さんによると、森林文化アカデミーの各施設は公共施設などの木造化を推進するモデルであり、毎年、学生の設計・施工による新しい施設も誕生しているという。この森林文化アカデミー全体が、森林・人・都市の共生のありかたを提示し、さらには日本の森林産業の活性化を促すモデルになることを目指しているそうだ。
(鶴丸美穂)



















