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職人の技を伝える家づくりを-ノナカ社長・野中了介さん
(2008年4月29日 09:28)

日本の木造住宅には、伝統的な職人の技が活かされています。建築一筋、今年で創業39年を迎える株式会社ノナカ社長、野中了介さんにお話を伺ってきました。

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                  モデルルームにて

訪れた社屋併設のモデルルームは、和室となっています。靴を脱いであがると、無垢の杉板の感触が足裏になんともいえない気持ち良さを与えてくれます。壁面は中霧島壁という火山灰素材、天井には火山灰を使用。実は、野中さんは以前に左官職人をしていたとのお話を伺って、壁面の仕上げの素晴らしさに納得した次第。

このモデルルームには、ノナカのアイドル、ダックスフンドの「ハッピー君」と、猫の「さくらちゃん」の姿が。ペットを家の中で飼っていると、その臭気に悩まされるものですが、ペットがいると言われても分からないくらい、この部屋は臭いませんでした。これも、無数の孔を持つ珪酸質の殻で包まれた植物性プランクトン「珪藻土」が、部屋の通気性を良くしているからだそうです。その他、珪藻土には熱に強いといった様々な特性があることを教えて頂きました。

野中さんは「木造住宅は単に木で作ればいいというものではありません。壁に珪藻土など昔ながらの自然素材を使用したり、地窓などを取り入れて風通しをよくすることで、より快適で心地よい空間に仕上がります。多くの人に、このような日本の住宅の良さを知ってほしい」と語ります。

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                   野中了介さん

昭和17年生まれの野中さんは知多市の出身で、豊かな自然の中で子供時代を過ごしたそうです。どんどん自然が失われていく現代を強く愁い、自然に戻る材料を使うこと、省エネであることを考えた建築を推進しています。

また、職人の後継者作りに意欲的に取り組んでいることにも感銘を受けました。職人さんは、冬は寒風吹き荒ぶ中かじかんだ手で作業をし、夏は猛暑の中、ヘルメットを被り汗だくになりながら過酷な環境の中で働きます。
エアコンの効かない屋外で作業するだけでも大変ですが、「左官」の仕事は、建築現場の職種の中でもとりわけ「時間が読めない」仕事です。壁などの塗り具合は、その時の気温や湿度等で左右されるため、「今日はもう遅いからここまで。残りの作業は明日」という具合に、作業を途中でやめて帰るわけにはいきません。このような労働環境や労働時間などの問題があるため、積極的に左官の仕事をやってみたい、という若い人が現れないのが現状なのだそうです。

野中さんは「日本の建築の伝統技術を守るためにも、後継者となる若い人材の育成は必須。今後、職人たちの労働条件を改善しながら、その上で大工や左官の仕事の魅力をアピールしていかなければ。そのためには賃金を上げる、作業の効率化をはかるなど、検討すべきことがたくさんありますが、今は、とにかく伝統技術を活かした家づくりを推進することで、職人たちの活躍の場を増やしていくことも大切だと思います」と熱く語りました。

「日本人のDNAには、木の良さを活かした和の住まいを好む血が流れているはずです。是非モデルルームに足を運んで、木の住宅の趣や心地良さを感じてください」という野中さん。「日本の昔ながらの住まいの魅力や伝統技術を守っていこう」という、力強さを感じた訪問となりました。

(取材:土屋知子 写真:鶴丸美穂)

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