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建築を通じて持続可能な社会づくりを - 「天然住宅」代表理事・相根昭典さん
(2008年4月22日 01:31)

国産の無垢材を使い、伝統工法で建てる「天然住宅」が目指すものは、「日本の森を再生し、伝統的な技を守りながら、安全な素材を使って長く住む事ができる良質な家づくり」。

非営利中間法人天然住宅の代表理事で一級建築士の相根昭典(さがね・あきのり)さんに、建築を通じた持続可能な社会づくりについてうかがいました。

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    2008年4月10日に行われた「天然住宅」発表会で(左が相根昭典さん)

--循環型社会を目指して、エコ建築やエコヴィレッジの実現に向けて活動しているそうですが、まず「エコヴィレッジ」とはなんですか?

私たちが提案するエコヴィレッジとは、地域の中で、かなり自立した暮らしを可能にするものです。昔の「結」や「郷」といった相互扶助の仕組みを現代に活かしながら、押し付けがましくなく自主的に支え合っていける環境づくりを目指しています。

そこではエネルギーはバイオマス燃料や自然エネルギーを最大限に利用し、食料は自給。イギリスのパーマカルチャー(パーマネント“持続的・永久の”、アグリカルチャー“農業”、カルチャー“文化”を合わせた言葉。持続可能な環境を自ら作り出し、自給自足、自立を目指すこと)を取り入れたものですが、日本でもこのような環境づくりができるレベルになってきたと思います。

こうした環境が成り立つと、収入がなければ生活できない、電気やガスや水道が止まったら生きていけない…という不安もありませんから、収入を得るために会社に縛られる必要もないですし、今の社会の仕組みに囚われずに生活することもできるはずです。

また、生活から出た廃棄物はバイオマスコンポストで処理するなど、周りの環境を汚さないための仕組みを取り入れます。エコヴィレッジは、地球が私たちに「住んでいいよ」と言ってくれるような街づくりでもあります。

--エコヴィレッジを築くにあたって、建築家である相根さんが提案するのが国産の木材で作る健康でエコな住まいの天然住宅ですが、今後の課題はありますか。

現状の建築の世界では、電化製品などに比べるとエコロジカルな取り組みが随分遅れています。特に専門家の目で見てエコ住宅と呼べるようなものは年間100棟もなく、マーケットもごくわずかしかありません。また、誰もがエコ住宅のノウハウを持っているわけではないので、施工業者や職人が実際に作り始めてから浮上する問題点も多く、そのために予定より工期が延びてしまうこともあります。まだまだ前人未到の分野なので、失敗を次に活かせるよう努力を重ねながら、エコ住宅作りのシステムを構築していかなければなりません。

今の建築は、廃棄されてもリサイクルできないものを作り続けているだけです。「そうじゃないもの」を作るために、業界全体でコストなどの問題を共に乗り越えようという姿勢が必要だと思います。

どんなに良いコンセプトを打ち出したとしても、施工業者や職人、クライアントまでが同じ意識を持たなければエコ住宅は完成しません。これからも天然住宅を作り続けながら、エコヴィレッジとエコ住宅のコンセプトを世の中に広めていきたいと思います。

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       相根昭典さん(建築事務所で)

--ありがとうございました。

(鶴丸美穂)

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