2007年11月1日(木)、三重県鈴鹿市白子町にある木造2階建ての「おおとり保育園」を視察するバスツアーが開催されました。
この企画は同年10月31日~11月3日まで開催されている「第38回名古屋国際木工機械展/ウッドエコテック2007」の併催イベントで、木造都市シンポジウム実行委員会が主催しました。
近年、木造建築の在り方が見直されてきています。
現在、日本の木材自給率は約20%といわれますが、国産木材の需要が増えれば国内の林業が活性化し、森林保全にもつながります。地元産の木材を使う地産地消ならば、地域振興に貢献するだけでなく、ウッドマイレージもうんと低くなり、CO2削減にも貢献します。そしてなにより、無垢材を用いた建築物はシックハウスなどの弊害がなく、癒し効果さえあるといわれています。
「でも、木造建築って割高じゃないの?」という声も聞こえてきそうですが、(株)シェルターが開発したKES(ケス)構法という建築法を用いると、工期がかなり短縮されるために人件費などが大幅に削減され、コストを抑えることが可能です。
また接合部分に独自に開発した金物を用いることで、従来の工法に比べて格段に高い強度を得ることができたといいます。
まったく夢のような話しですが、百聞は一見にしかず。このKES構法の実例を視察しようと、2007年6月に竣工したばかり のおおとり保育園を視察するツアーが開催されたのです。
ポートメッセなごやからバスに乗り込んだ一行は、目的地に着くまでにKES構法や木造建築の可能性などについて、関係者からの説明を受けました。
KES構法について説明する(株)シェルターの高橋昌彦・東京営業所所長
木の持つ癒し効果について熱く語る、“愛工房”の伊藤良則さん
「木造革命」や「風景再生論」などの著者であり、地球環境問題評論家の船瀬俊介さんは、「木造建築は断熱効果も高く、省エネ建築。温暖化対策のためにも、もっと木造建築を増やすべきだ。そして杉材の床は軟らかく弾力があり、高齢者にも優しい」と、木造建築の良さをユーモアたっぷりに語りました。
現地へ着くと、かわいい看板が出迎えてくれました
保育園というと、つい原色の派手な色彩を思い浮かべてしまいます。しかし、おおとり保育園は、シックな色の外壁に施された意匠が、落ち着いた優しさを醸し出しています。
玄関からほとんど段差もない設計
階段のステップは、園児たちがつまずいてケガをしないように円くなっています
階段の手すりは、園児にも大人にも配慮した高・低2段
扉や窓にも、木製に意匠が
収納棚や本棚なども、建築家がデザインしたオリジナルのもの
園児の指詰めに配慮して、扉の下方は少しすきまが空いている
扉ストッパーも木製。内外どちら側からでも操作できます
各クラスには、それぞれ鳥の名前が付いています
階段の吹き抜けには、明かり取りの天窓が
空気の対流を促すシーリングファン。照明は省エネタイプの蛍光灯
洗面所やトイレも木造。なんだか温かい感じがします
「全国的にあつかった今年の夏でもエアコンなしでもまったく気になりませんでした」と藤野輝久理事長
杉の無垢材の床に座ると、なんだか温かくて、話も弾みます
広々としたプレイルーム
木製のパーテーションは折戸になっていて、パタパタと閉じると間仕切りがなくなって、広ーくなります。床には細いレールがあるだけで、段差もありません
はだしが気持ちいい、無垢の床
遊具も木製
KES構法の仕組みが分かる机。特殊な金物を用いることで、強度を高め、しかも作業効率もアップしました
(原野スキマサ)
















