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4年に1度、関係者が集結 - 第4回世界自然保護会議に参加して
(2008年11月21日 09:00)

スペインのバルセロナで2008年10月5日~14日に国際自然保護連合(IUCN)が開催した第4回世界自然保護会議(WCC4th)に生物多様性JAPANの一員として参加してきました。会議は4年に一度開催される自然保護に関する最大規模の国際会議で、世界各地の政府関係者・NGO・研究者・専門家が集まります。今回も自然保護に関する最先端の話し合いが行われました。この会議の会場の様子や雰囲気等を伝えたいと思います。11月25日(火)には、参加報告会も開催します。(詳しくは文末に)

(生物多様性JAPAN・音谷沙絵)

世界自然保護会議は、専門委員会とフォーラム、及び、今後のIUCNの活動方針などを決める会員総会の3部で構成されていました。“変化をもたらす新しい兆し”a new climate for change “健康な地球、健康な人々”healthy environment healthy people “生物多様性の保全”Safeguarding diversity of life の3つを主要テーマに掲げ、フォーラムでは、様々なイベントが開催されていました。まず、ホームページおよび受け付け時に配布されるガイドブックなどで興味があるイベントを探します。ホームページでは、“生物と文化の多様性と先住民”Bio-Cultural Diversity and Indigenous Peoples “エネルギー”Energy “森林”Forests “島嶼”Islands“法律と管理政策”Law and Governance               “海洋”Marine “市場と企業”Market and Business“地中海”Mediterranean“保護区”Protected Areas“権利と自然保護”Rights and Conservation“生物種”Species “水”Water という12のキーワードでイベントを絞り込むことが可能です。

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メンバー会議の様子

私は、地域や文化と生物多様性に興味があったため、まず、“生物と文化の多様性と先住民”で絞り込みを行いました。しかしながら、絞込みを行っても60ほどのイベントが見つかり、参加するイベントを決めるのは極めて困難な作業でした。ほとんどのイベントが英語を使用していましたが、中にはスペイン語のイベントもあり、テーマが面白そうでも参加は断念しました。イベントに参加できなくても資料だけでももらって帰ろうと考えていたのですが、ペーパーレス推奨のため、資料を配布しているイベントは少なく、私の目論見は外れました。

 この会議は、最新の情報収集とネットワークづくりの場として最適です。電話やメールで世界各地の人と連絡を取り合うことができる時代とはいえ、特にネットワークづくりは、会ったことがあるか無いかで全く効果が違うと私は思っています。ひとつひとつのイベントは1時間半ほどでそれほど長くは無いのですが、数が膨大なため、同じような題材を扱ったものもたくさんあります。そのため、様々な意見や情報を得ることができると同時に、同じ方に何回も会うこともあり、互いに自然と親密感を覚えていました(私だけかもしれませんが・・・)。さらに、イベントとイベントの間の30分は、個別の意見交換の場になっていました。また、参加者全員が発言する機会のある少人数制のイベントも用意されていました。ただ残念であったのは、学生や私のような若者の姿が少なかったことです。

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会場への案内板

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カラフルなデザインが施されたロビー   民芸品の展示コーナー

生物多様性JAPAN(BDNJ)としては、日本人の自然観や日本の自然保護への取り組みを国際的に紹介するための英字冊子「Conserving Nature」の配布を行いました。参加者に冊子を渡すとき、つたない英語で説明を添えると、きちんと聴いて下さいました。国際会議に参加したことで、文化的背景や自然条件の違いは、それぞれの地域で生活する人の自然に対する価値観にも大きく影響を及ぼすことを改めて感じました。生物多様性を守っていくためには、地域の多様性が重要です。この多様性にはもちろん、民族の多様性や文化の多様性も含まれます。お互いの文化を尊重して、お互いがむやみに否定することなく、知識や知恵を共有していくことは大事です。そのためにも、日本からの情報発信も今後、ますます増やしていく必要があると感じました。

 また、今回の開催地バルセロナにはアントニオ・ガウディの建築物が数多く残っています。会議のシンボルマークもガウディのデザインを使用していました。ガウディは自然をよく観察し、風や光の通り道のことも視野に入れ、生物からヒントを得たデザインや機能性を取り入れて建築を行ったといわれています。ガウディの建築を見て、科学が進歩した現在でも、自然のことは分からないことだらけであるにも関わらず、人間はやはり変わらず自然の様々な恩恵を受けて生活をしているのだということがよくわかり、自然の偉大さ、素晴らしさを表現した偉人を肌で感じました。

 蛇足ですが、海外に行くと、いつも日本食が恋しくなります。日本では海の幸から山の幸まであらゆるものを楽しむことができ食の幅が広いです。これは豊かな自然があるからこそです。おいしいものは人を幸せにすると私は考えています。人々の幸せのためにも生物多様性を守ることは重要だと会議以外においても改めて感じました。

最後に、世界自然保護会議の主なイベントの形式をご紹介しておきます。

・ 地球規模のテーマを扱うワークショップ Global thematic workshops
IUCN事務局による地球規模のテーマを扱ったワークショップは、50以上、準備されていた。

・ 持続可能性に向けた対話集会 Sustainability dialogues
大会場で、持続可能性をキーワードに特別ゲストを招いて行うディスカッション。7つの話題が用意されており、経済・文化・社会面から自然の価値について話し合われた。

・ 連携ワークショップ Alliance workshops
主催者の独創的な提案で、知識やノウハウを参加者に提供し、問題への理解と合意形成を促進させることを目的に165ほどのワークショップが開催された。日本からは日本自然保護協会と環境省による「里山/アジアのカントリーサイドランドスケープ  人と自然の持続可能な関係」が開催された。

・ 知識共有スペース knowledge café
120近くあるテーマの中から自分で自由に選んだ主題についての、12人程度で机を囲んでの話し合いの場。少人数制のため、より活発な意見・情報交換やネットワークの形成が行えた。日本自然保護協会主催の「バルセロナから名古屋へ COP10におけるNGOの役割」も開催されていた。

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ノレッジカフェの様子

・ 国連開発計画 UNDP Pobl
生物多様性の危機の影響は、先進国より発展途上国の方が受けやすい。生物多様性や自然の持続可能な利用問題は貧困問題とも繋がっている。この問題に取り組むイベントは、専用の会場が用意されており、期間中様々なイベントが23ほど開催されていた。

・ 研修会 learning opportunities
参加者のスキルアップのために50ほどの研修プログラムが用意されていた。

・ 保全もの映画 conservation cinema
野生生物や保全をテーマにした映像の上映が行われていた。短編が多く1分程度のものもあった。

・ ポスター展示 posters
環境保全に関する120枚近いポスターが期間中に入れ替わりで展示されていた。

・ 一般向けイベント social event
映画や音楽、伝統的ダンス、様々なレセプションなどのイベントも15ほど準備されていた。IUCN親善大使であるシンガー・ソングライターのイルカさんによるコンサートも開催された。

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イルカさんのコンサート

・ バルセロナへの航海 sailing to Barcelona
バルセロナへの船旅というお楽しみも。残念ながら参加できなかったが、参加者には好評だった。

・  パビリオン pavilion Event
会場ロビーに水、森林、将来像などをテーマにしたものや地元であるカタロニアのパビリオンがあり、そこでも121ものイベントが開催されていた。

・ 展示ブース exhibition
展示用に147ブース用意されていて、日本の環境省やNGOも出展していた。 

☆第4回世界自然保護会議 参加報告会 を開催します。

第4回世界自然保護会議に参加した生物多様性JAPANのメンバーらによる報告会を開催します。併せて、今年5月にドイツ・ボンで開催された第9回生物多様性条約締約国会議(COP9、生物多様性JAPANからも4名が参加)での話題も含め、2010年に名古屋で開催が予定されているCBD COP10に向け、開催国として何ができるのか? 何がしたいのか? 私たちはどのような国際的国内組織を作って行くべきか? を一緒に考えましょう。> 

日時 :2008年 11月 25日(火)主催 :生物多様性JAPAN共催 :財)日本自然保護協会,IUCN-J※ 地球環境基金及び経団連自然保護基金の助成により開催いたします。参加費 : 無料

要・事前予約

詳細は下記サイトをご覧ください。

http://www.bdnj.org/activity/081125.html

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