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まもなく紅葉の見ごろを迎える - 平成の名水百選、長野県木祖村の水木沢
(2008年10月14日 08:59)

皆さん、この連休、いかがお過ごしですか? 秋晴れの中、ハイキングやトレッキングを楽しまれている方も多いと思います。木曽川の源流の里、長野県木曽郡木祖村でも、木の葉が美しく色づき、この週末から月末にかけてが紅葉のピークだそうです。素朴で神秘的な木祖村の大自然。今回は、たくさんの見どころの中でも、8月末に行われた全国源流シンポジウムのエクスカーションに参加した折の、「水木沢(みずきざわ)」の様子をお届けします。

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「平成の名水百選」に選ばれた、水木沢の清流 

環境省により「平成の名水百選」に選ばれた、水木沢。景観の素晴らしさや水辺の親しみやすさもさることながら、地域一体となって保全活動に取り組み続けていることが、選考理由にあげられたそうです。長野、岐阜、愛知、三重をまたがる全長229キロメートルの木曽川から分かれた笹川の、わずか2.5キロの支流。その流域には、樹齢200年以上の木曽ヒノキやサワラ、アスナロ(ヒバ)、ネズコ、コウヤマキなどの針葉樹と、ブナを代表とする広葉樹の天然林が混交して生育しています。

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神秘的な天然林の中を歩く

スタート地点の管理棟では、無料で杖が借りられます。熊よけの鈴をぶら下げて、いざ出発。午前中は、本流南側の「原始の森」へ。約1キロのコースです。すぐに沢のせせらぎが。山の滋養をたっぷり含んだ澄んだ水の美しさ!天然林の森は、生物多様性の宝庫です。カエルがじっとたたずんでいたり、愛らしい真っ赤な冬イチゴも顔をのぞかせています。

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 ところどころにある、山の滋養たっぷりの湧き水で、ノドをうるおす。おいしい!

樹が発する香りでしょうか、爽やかというよりも厳かな新鮮な空気。幻想的な深い森に入っていくにつれ、神聖な気持ちが増してきます。案内役の湯川喜義(きよし)さんが、木の根の部分に指をあて、「ここを押すと、土がフワフワしてやわらかいでしょう。水がたまっている証拠です。雨が、木の根や地面に積み重なった葉やコケなどの山肌にたくわえられ、だんだんと染み出て、最終的に湧き水となって出て来ます。だから、『森は緑のダム』と言われるのです」と、森のメカニズムを説明してくれました。展望台では太陽の光がまぶしく、遠くに木曽駒ケ岳が望めました。

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 木漏れ日がキラキラ、きらめいて美しい

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 実際にクマに出会うことはまずないそうだが、用心のため!

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 視界の開けた展望台。遠くに木曽駒ケ岳が望める

管理棟へ戻って昼食。午後は、北側の「太古の森」へ。約1.2キロのコースです。1933年に敷設された森林軌道の跡を歩きます。薮原駅付近から木曽川を遡って支流の笹川沿いに作られた軽便鉄道で、木材の搬出だけでなく、住民の足としても大活躍。一時はスキー客も利用していたそうですが、トラック輸送の興隆で、姿を消しました。こんな山奥にまで鉄道を作った昔の人のエネルギーに感心し、カーブになった道を歩きます。

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今は無き、森林軌道の跡。ヒノキなど森林資材を搬出していた(右)

 さて、ここで、森の体験イベント開始です。皆でチップを運び、遊歩道の整備をします。背負子(しょいこ)に、ヒノキのチップの入った袋をくくりつけ、上まで運びます。重さ、2~3キログラム。ヒノキは腐りにくく、10年くらいはもつそうです。チップを蒔くと、木の根が保護され、歩く人の足にもやさしいという、森と共存するための人の知恵です。これまでの道がやわらかく歩きやすかったのも、スタッフの方々が蒔いてくださったチップのおかげでした。こんなふうにして、山や森が守られているのですね。 

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ヒノキのチップを運ぶ体験イベント。2ついっぺんに運ぶ女性もいて、びっくり!

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 背負子(しょいこ)にくくりつけてチップを運び、歩道に蒔き、足でならす

スタッフの一人は温暖化の影響を、「例年、冬は-20度くらいだったのが、ここ数年-15度になり、雪の量も少なくなりました」と。また「現在では、伊那谷の方から鹿が入ってきています」と、多くの鹿が棲息すると禿山になってしまう恐れがあると警戒していました。ところどころに、倒木更新の姿が。種がこぼれて土から芽が出る(実生更新)のでなく、倒れた木から、新たな命が芽生えているのです。この若木が200年たった頃の日本は、どんな情景でしょうか?―

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森は、生物多様性の宝庫。さまざまな生命に出会える

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サルノコシカケ(右)。さすがに大きくて、これなら猿も腰掛けられると納得!

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倒木更新。倒れた木から、新たな命が芽生えている

たとえば誰かがブナの質問をすると、一人が答え、また別のスタッフがそれにちなんだ話をつないでいきます。まるで次から次へとリレーのように。知識の深さ、話題の多様さもすばらしいですが、スタッフの方々の、森が好きでたまらないという気持ちが響いてくるのに感動しました。木祖村役場の皆さん、営林署の皆さん、ありがとうございました。

(浜村良子)

*JR薮原駅から、細島行きバスで終点。または車で15分

*木祖村観光協会(0264-36-2543)
  木祖村役場産業振興課(0264-36-2001)

*関連記事:http://goodnews-japan.net/news/blog/2008/10/08/4208

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