2008年9月25日 トキが27年ぶりに佐渡の野へと戻って行きました。かっては日本各地の人里にいた決して珍しい鳥ではありませんでした。しかし、20世紀に入ると、徐々にその数は減少、1981年 佐渡に残っていた最後の5羽を捕獲し、また今日に至りました。
過去、絶滅への一途をたどった原因の一つとして、農薬の使用・機械化により、田んぼからエサであるドジョウやカエルが居なくなったこと、農薬に汚染されたエサを食べることで赤ちゃんができなくなったなどの生体障害が指摘されています。
そのため、佐渡市では無農薬・有機肥料の田んぼつくりを積極的に奨励、農家の人たちに協力を呼び掛けているようですが、まだ全島を通しての動きとはなっていません。
なぜトキにも人にも安全な田んぼ作りに佐渡の農家の人たちは腰を上げようとしないのか、たんに今までのやり方を変えるのがおっくうだ、というだけではないようです。
佐渡においても農業の高齢化が進んでおり、70才を超えてなお、米作りをしている方が多くいます。
農薬を撒かないということは稲以外の雑草も田んぼの中にたくさん生えるようになり、今までにない病気や害虫も出てくるということです
数か所に点在する広い田んぼの雑草を だれが取るのでしょうか?新たな害虫・病気の予防や退治には どうやっていけば良いのでしょうか?
また、有機肥料にすると肥料の質や形が変わってきます。一人の手作業ではとても間に合いません機械を使うにしても、有機肥料に合った専用の機械を新たに購入しなければいけなくなることもあるようです。お年寄り夫婦の米づくりの手伝いをさせてもらいました。
「(無農薬で)やったらいいのはわかるし、やってもいいとも思う。 けど、俺っち二人じゃ手が回らん。」
確かに、今の農薬使用・機械化した田んぼでさえ 手一杯そうでした。
放たれたトキには、どれが安全な田んぼであるかの見分けはつくはずも無く、とは言ってもなかなか切り替えられない農家の実情もあります。人によって居場所をなくし、人によって助けられ、延命してきたトキと人との歯がゆい関係が、
今から佐渡で始まります。
(SADO伝統文化と環境福祉の専門学校 環境マネジメント科1年 水野 新)















