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水を守る宿命から生まれた源流学 - 第9回全国源流シンポジウム in 木祖村(その2) 
(2008年9月11日 10:42)

源流域、また上下流域の連携強化のため、2008年8月30日に長野県木祖村で開催された第9回全国源流シンポジウム。後半では源流地域の取り組み事例の発表に続き、パネルディスカッションが行われた。

事例を発表したのは、山梨県道志村長の大田昌博さん、栃木県湯西川ダム工事事務所長の佐藤寿延さん、奈良県川上村企画財政課長の坂口泰一さんの3名。

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村の中央を流れる道志川が、横浜市民の固有の水源となっている道志村。村は水源地としての役割を果たし、横浜市は村の自然環境を守り、村民の生活基盤の向上を積極的に支援する具体的な取り組みが報告された。例えば、横浜市が10億円、道志村が1千万円を拠出し、その運用益で村をサポートする「公益信託道志水源基金」や、横浜市水道局より出荷される源流水「はまっ子どうし」の売り上げの一部からなる「水のふるさと道志の森基金」、また市のニート対策として「横浜型若者自立塾」を村内に設立するといった新たな共同事業も紹介された。 

ダムを活用し、地域全体がもうかるビジネスモデルを創出した国交省関東地方整備局湯西川ダム(2011年度に完成予定)工事事務所。日本初の長期間にわたる水陸両用バスの商用運行と近隣の川治ダムの現地見学をセットにした旅行商品を一般向けに実験販売(大人2500円、こども2000円)したところ、平均乗車率約99%という人気ぶりで、ダムとダム湖が超一流の観光資源であることを実証してみせた。現状では鬼怒川流域ダム観光活性化会議(事務局:日光市観光課)が運営主体となっているが、将来は運行ルートを湯西川温泉駅→湯西川ダム湖の遊覧→湯西川温泉街まで延長し、公共交通機関として乗合いバス事業を展開、100%民営化をめざす。国産第一号の水陸両用バスも登場。宿泊客やローカル鉄道の客数増加に伴い、物産店の売り上げも増加するなど、地元へ大きく貢献しているという。 

吉野川の源流地で、500年の歴史をもつ吉野林業の発祥の地、川上村では、2カ所のダム造成のために650軒が水没。水を守る宿命を背負い、下流域のために自らその役割を果たしていこうと決意し、村の資金で源流部の原生林740ヘクタールを購入した。この森を保全するために、「森と水の源流館」を作り、吉野川がまたがる奈良県、和歌山県も参画し、運営組織の財団法人を設立。根底にある理念は、源流学だ。川上村には、今の時代に本当に必要な、生きる力や自然との付き合い方を学ぶには、源流学しかないという思いがある。同村は、1996年に、源流の村としての意志を表明した「川上宣言」を発信している。

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続くパネルディスカッションでは、東京農業大学教授の宮林茂幸さんをコーディネーターに、国交省河川環境課長の中嶋章雅さん、名古屋市副市長の山田雅雄さん、NPO法人全国源流ネットワーク代表の中村文明さん、森の名手名人の巾崎理一さん、農協観光大阪支店の山登由紀子さん、実行委員長の澤頭修自さんらが活発な意見交換を行い、流域間で更に連携を密にしていくことの重要性を確認した。

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最後に木祖中学3年生の秋山聖香さんが、長野県木祖村「源流の里宣言」を読み上げ、次回開催地の奈良県天川村の車谷(くるまたに)重高村長があいさつし、閉会した。

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一滴の水から、川や森、源流に生きる人々とのつながりが見えました。生物多様性の概念でもある“つながっている”ということが身近にわかるシンポジウムでした。

(浜村良子)

《関連記事》 源流から創る明日の日本-第9回全国源流シンポジウム in 木祖村(その1)

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