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生物多様性の分野で世界のESD拠点のリーダーに ― 中部ESD拠点代表の飯吉中部大総長に聞く
(2008年8月21日 09:00)

地域で持続可能な開発のための教育(ESD=Education for Sustainable Development)を推進していくための仕組みとして、国際連合大学が認定したESD地域拠点。これまでに世界55地域(日本は仙台、横浜、岡山など6地域)が認定されており、その一つである中部ESD拠点は、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けて、生物多様性の分野での活躍を期待されています。「中部ESD拠点協議会」の共同代表のひとりで中部大学総長の飯吉厚夫さんに、現状と今後の方向性についてお聞きしました。

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―2008年1月の中部ESD拠点協議会発足から半年以上経ちましたが、今はどんな状況ですか。

まず運営委員会をつくりました。参加していただいた機関は愛知、岐阜、三重の三県にまたがって50以上あります。中心になるのはやはり大学で、名古屋大学、三重大学、岐阜大学や、名城大学などいくつかの私立大学、NGO、自治体などが参加しており、経済界からは中経連に参加してもらっています。高校、中学、小学校や、動物園、植物園などの施設にも広げていくのが今の課題です。活動内容については、全体でどうこうという話ではなく、参加しているそれぞれの団体が、それぞれにESD的な活動をしていただくというのが最初です、それが広がって連携・共同でいろいろやるということも進んでいくのは非常にありがたいことだと思っています。今は、自分たちが何をやろうとしているのかをはっきりさせていくことが大切で、私はこの半年はそういう形で様子を見ていくのがいいのかなと思っています。11月ごろに全体の総会をやるので、そのときにいろいろなところから発表してもらって、こことここは一緒にやれるんじゃないだろうかとか、こういう組み合わせでやれればもっとおもしろい活動ができるんじゃないだろうかとか、を運営委員会で整理してもらって、具体的な活動に入っていきます。

―生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の地元として、中部ESD拠点には生物多様性の分野でのリーダーシップを期待されていますが…。

7月初めにバルセロナで第3回RCE(ESD促進のための地域拠点)国際会議がありました。年1回開かれる総会で、各地のRCEの代表が来ていましたが、中部拠点が一番新参者なんですよね。でも、一番まじめなんですよ。国連大学から報告書の提出を義務付けられているんですが、それを一番まじめに書いていて、評判になりました。ポスターセッションも一番評判がよくて、賞をもらってきました。とにかくESD中部はばっちりみんなの頭にインプットされました。ESD中部は、生物多様性の分野でこれからかなりイニシアティブを取って、いろいろやることになるんじゃないでしょうか。それから、仙台、岡山、横浜など国内の他のESD拠点との連携していくために、国内のESD拠点全体の総会もこれからたぶん年1回くらいやらなければいけないでしょうね。

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―COP10にはどう取り組まれますか。

生物多様性が大事だというのは分かりますが、それを議論するなら現状がどうなっているのか、客観的なデータが国内的にも中部でも必要だと思います。まずそのあたりをしっかり勉強してから議論しないとかみ合わなくなってしまうと思います。愛知県がCOP10に向けて、この地域でモデルの森を何ヵ所か指定して生態系を調査していますが、その一つに中部大学も含まれています。中部大学には森や微生物の専門家もいるので、大学の中にCOP10向けの研究者のチームをつくって、COP10に向けて何ができるか検討していきます。

―ESDはまだあまり知られていないようですが、ESDを広げていくにはどうしたらいいとお考えですか。

中部大学としては今、全学の学生に共通するESDカリキュラムをつくっているんですよ。教養課程の一環になると思いますが、ESDとはどういうものか、ESDはいかに大事かを全学生に講義します。国連がESDの10年をつくったのは、市民の意識を変えるというのが出発点です。最後は市民の意識を変えていくことが一番大事で、そうしないと21世紀は持続可能にならないということですよね。教育となると、もっと小さいときからしないと、ということになりますが、われわれの働きかけが足りないのか、高校や中学、小学校は、うちの併設校くらいしか入っていません。それをどうやって広げていくかも大事だと思います。催しのときに子どもたちを呼び込むというのは、森の健康診断などでもっと広げていけると思いますが、それぞれの小中学校も「自分たちもESD教育をしなくてはならない」となれば、中部ESD拠点の活動は成功だと思います。2014年まであと6年くらいでそういうことができればいいなと思っています。

(文・安在尚人、写真・伊藤剛)

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