名古屋市瑞穂区に本社のある丸美産業株式会社は、農学博士でコラムニストのジョン・ギャスライトさんを講師に招き、2008年8月5、6日の2日間、所有する岐阜県高山市の秋神高原で自然体験学校を開催しました。参加したのは、同社が分譲販売するマンション(愛知・岐阜・三重に165棟)の住民で組織する“丸美コミュニティ”の子どもたちやその家族。材木業を事業の発祥とする同社は、子どもたちが、大自然の中で木や生き物と直に触れることで、自然の偉大さや地球環境の大切さを学んでほしいと企画しました。
一行を乗せたバスは名古屋を8時に出発し、昼食をとった後、1時半頃、丸美リゾート飛騨秋神高原のインフォメーションフロント『朝夢美館(あゆみかん)』に到着。さすがに高原地。空気がさらっとしていて涼し気です。ジョンさんの出迎えを受けて、誰しも思わず笑みがこぼれます。ジョンさんの言葉、「ここでは写真を撮るとき、チーズと言わずに、“ツリー”と言うんだよ」に、せーの、で、「ツリー!ツリー!」と叫んでみます。皆、とびっきりの笑顔が作れました。
準備体操の後、ツリークライミング(木登り)と自然探索の2グループに分かれ、それぞれ出発。ジョンさんが担当するツリークライミングでは、ジョンさんが代表を務める『ツリークライミングジャパン』のメンバーが真っ赤なユニフォームに身を包み、ヘルメットや装具を用意して待っていてくれました。
まず、幹に手を置いて「よろしくお願いしまーす」と木にあいさつしてから始めます。「ゆっくり登って、周りを見て、木にキスしたり、匂いをかいだり。ツリークライミングでは、早く登った人が勝ちじゃない。一番楽しんだ人が勝ちなんだよ」とジョンさん。
選ばれたのは、樹齢100年以上の、ミズナラの木。「20日くらい前に、下見のために来てトラック1杯分くらいの枝を剪定したんです。今日見たら、あの時と見違えるほど、元気になってる。きっと、ずっと放っておかれて寂しい思いをしてたんじゃないかな」と、ツリークライミングジャパン・メンバーの一人、上田康美(こうみ)さんは、木と人間の関係を話してくれました。
皆、コツをつかんで上手にロープを手繰り寄せ、木登りしていきます。始めは、おびえた表情を見せていた小さな子どもも、高い枝に腰掛けて、満面の笑顔。「森の木はいつも手をつなぎあっている。根っこはみんな絡みあっているから。だから木は、洪水や台風のときなど、お互いに助けあって流されないように、森を守っているんだよ」「僕らの生きてる社会も同じ。皆、手をつなぎあって、助け合って成り立っているんだ」と、ツリークライミングを日本に初めて紹介したジョンさんは、子どもたちに語りかけます。木のことが少しわかりかけた子どもたち。輝く瞳でうなずきます。最後に「ありがとうございました」と木にお礼を言って終了しました。次は自然探検です。
ジョンさんの応援に駆けつけ、自然探検で講師を務めるのは、地元で秋神温泉旅館を営み、氷点下の森のイベントを手がける小林繁さん。「白樺の木の皮は、一度はがすと白くならないので、むいちゃいけないよ。でも、皮はこうしてよく燃えるから、もしも遭難してマッチが少ししかないときなんかは、思い出してうまく活用して」。ネコが大好きな“マタタビ”や、サロンパスの匂いのする“ミツメ”など、たくさんの木や草のことについて話してくれました。
大きな矢車草の葉っぱを見つけ、素早くお手製の帽子を作る小林さん。参加者たちは、用意されたスコップと植木鉢を手に、お土産として持ち帰るために、かえでやどんぐり、もみじ葉イチゴなどの若木探しを始めます。楽しかった山での思い出の若木が、どんな大きな木になるか、数年後が楽しみですね。
山でツリークライミングと自然探検を体験した後は、池でイワナのつかみ採り。晩御飯のおかずとなるイワナの塩焼きを作るため、50匹のイワナが池に放たれました。さあ、みんなでヨーイ・ドン!
さすがにジョンさん、上手です。1匹つかまえては、子どもたちの手に。「ほら、イワナだよ。さわってごらん。はねるから、上手にバケツにいれてね」。ちょっとドキドキ・・・。逃げないでよ・・・。
「キャー、雨だ~」。突然、空から大粒の雨が。みるみるうちに、豪雨となり、雷も鳴り出しました。皆、いっせいにバーベキューをする、雨宿りできる場所へと駆け出します。
皆がうらめしそうに空をみつめ、雨宿りしている間も、ジョンさんはひたすらイワナを採りつづけます。シャツもズボンも、もうびっしょり。1匹採っては皆の方へ放ってくれます。子どもの一人が走っていって、それをつかみ、バケツに入れます。バケツの中のイワナは11匹・・・ってことは、池の中にはまだ39匹もいるの?大丈夫、大丈夫、と大きな体のジョンさん、いかにも楽しそうに小さなイワナと格闘しつづけます。
ようやく雨も上がって、お待ちかね、夕食の時間がやってきました。晩御飯のメニューは、バーベキュー。厚さ1cm以上もあるステーキやエビ、コーンやナス、しいたけなどの新鮮野菜を炭火で焼きます。その豪華さに、子どもも大人も「うわ~っ」と大歓声!
ジョンさんは、各テーブルを回り、はい、ポーズ。皆で元気よく「ツリー!」の連呼。たくさんの思い出写真が撮れました。努力の結晶、イワナもおいしくいただきます。ビールもジュースも肉も野菜もたらふくいただいて、笑顔いっぱい、大満足の夜でした。
食事の後は、ジョンさんから、ツリークライミングの修了証書が一人ひとりに渡されました。チェンソーパフォーマンス協会代表でもある上田康美さんが、電動のこぎりで得意の技を披露。子どもたちは、丸太がリスの形に変わっていく様子をじっと見入っていました。
もし雨が降らなかったら、星空観察もあったという盛りだくさんの自然体験学校。残念ながら星が見えない夜空でしたが、バーベキューを終える頃には、霧がかかって、幻想的な山里の風景が。たくさんのことを学べた長くて楽しい一日が終わります。また、明日はどんな一日になるのでしょうかー?
*翌日の模様は(その2)でお伝えします。なお、自然体験学校は、8月5,6日、12、13日、15、16日 の3回に渡って行われました。
(浜村良子)
















