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記録映画『葦牙(あしかび)』2月6日から名古屋で上映中
(2010年2月6日 08:00)

記録映画『葦牙(あしかび)』が2010年2月6日から名古屋で上映されています。この映画は、『いのちの作法』『白神の夢』など様々な記録映画を撮っている小池征人監督の作品です。名古屋では、2月6日(土)から2月19日(金)、3月6日(土)から3月26日(金)まで名演小劇場で公開されます。

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  小池監督(試写会上映後の舞台挨拶)

“21世紀こそ子どもたちの世紀に”。この映画は、親に虐待された子ども達の心の軌跡と、それを見守り、育み、心の回復に真剣に立ち会おうとする人々の記録です。(公式サイトより)

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 (C) 記録映画『葦牙―あしかび―』制作委員会 All rights reserved

映画の舞台となるのは、岩手県盛岡市の北にある児童養護施設『みちのくみどり学園』。昭和32年(1957年)に虚弱児施設として創設され、平成10年(1998年)児童福祉法等の一部改正により、児童養護施設に移行。現在では在園児童の約7割が被虐待児と言われ、県内各地域の親元を離れた子ども達がこの学園で集団生活を営んでいます。

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    みちのくみどり学園提供

映画に登場するのは、虚構ではなく実在の子どもとその親たちです。様々な理由によりこの学園に来る事になった子ども達の、この学園での自然な生活が、淡々と描かれています。※虐待のシーンなどは一切登場しません。

作りこまれたドラマは一切ないのですが、子ども達のリアルな表情や行動は、ドラマ以上に存在感を持っています。それを可能にしたのは、製作スタッフの4ヶ月間の泊まり込みによる取材・撮影活動。カメラという異物を子ども達が受け入れるまでには、長い時間がかかったと思います。忍耐強く取り組んだ撮影チームに頭が下がります。

撮影した内容がたとえテーマに即したものであったとしても、必ずしも映画に出来る訳ではありません。被写体である子ども達本人や保護者などの了解がなければ映画の中に出す訳にはいきません。当然、取材自体にも了解が必要です。

この辺は、みちのくみどり学園の園長さんを初めとする職員が、誠意を持って本人や保護者にこの映画の主旨を説明したことから、映画製作が可能になったという訳です。つまり、この映画は熱意を持って取り組んだ製作チームと職員の努力の賜物ということになります。

また、撮影すること、映画に登場することを許した子ども達、さらには虐待の加害者でもある彼らの親達の”勇気”も、素晴らしいものだ、と感じました。我々は、養護施設に対して、「特殊な場所」という固定観念を持っているのかもしれません。でも、この映画に登場する「みちのくみどり学園」は、ごく普通の生活の場であり、子ども達は凄く楽しそうです。子ども達はそこから学校へも通い、帰って来ると、ケンカしたり、勉強したりして、過ごしています。

親の愛情を知らない子ども達は、人とのコミュニケーションのとり方がわからないといいす。“こころ”が作られていないのです。この映画の中にも、そのような子ども達が登場します。しかし、みちのくみどり学園では、単に学園だけではなく、地域全体で彼らを支え、“こころ”を再生する取り組みを行っています。

“地域養護”という新しい視点。学園内だけではなく、盛岡市内はもちろん、周囲の中山間地域各地で地域の方々と交流しながら、彼らが生きる力をはぐくむ活動をしています。ある時は、山小屋で、職員と子ども達で合宿をする。またある時は、大工さんの手を借り、和太鼓を作り、自分たちで作った和太鼓を叩く。

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    みちのくみどり学園提供

学校での部活動に専念し、大会への出場を目指し、それをサポートする顧問の先生の姿。さらに、学園の年中行事として必ず自分に向き合わなければならない中学3年の弁論大会に向けては、子ども達が決めたテーマに約1カ月とことん付き添う職員たちの姿がある。これらの取り組みの中で、いやおうなしに、人とのコミュニケーションのとり方を学ぶ訳です。

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(C) 記録映画『葦牙―あしかび―』制作委員会 All rights reserved

自らの意思で行動するすべを学んだ子ども達の姿はたくましく、大人びて見えます。登場するある子どもがこういいます。「僕が大人になり、子どもが出来たら、絶対に同じようなことをしないようにしなければいけないんだ」。虐待された子どもが自分の子どもに虐待するケースが多い、と良く聞きます。しかし、小池監督は言います。「そのようなケースは1/3。つまり、2/3はそうならないんですよ。それを皆知ってほしい」。

「未来殺しから未来づくりへ」。製作者のこの言葉は、観ている我々に重くのしかかってきます。
目先の豊かさを追い求め、子ども達を軽んじている現状を変えていかなければ未来はない。
日本社会に物質的な豊かさが期待できない今だからこそ、子ども達に未来を切り開いてもらいたい。その思いが、この映画からそして、みちのくみどり学園に関わる方々から読み取れます。

自分に出来ることって、なんだろう。これから、じっくりそのことを考えてみたい。そう思わせてくれた映画でした。

※なお、映画の内容やあらすじについては、公式サイト等でご確認ください。

<上映時間>

2月6日(土)から2月19日(金) 10:00/12:10
3月6日(土)から3月26日(金) 19:15 

(高須健一)

葦牙:http://www.kazesoyo.com/

みちのくみどり学園:http://www.aiji.or.jp/old/midoritop.htm

名演小劇場:http://homepage3.nifty.com/meien/

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