「お山の杉の子」の唱歌を知っていますか?「むかしむかし そのむかし・・・」で始り、「お船の帆柱、はしご段、とんとん大工さんたてる家、本箱、お机、下駄、箸、・・・」と「お役に立ってみせまする」と杉の子は、山に植林されました。
さて、戦後65年が過ぎ、その杉は、まさにお役に立てるほど大きくなり山に大量に蓄積されてます。日本列島にこれほどたくさんある人工林を十分に「お役に立てる」ことができていないのが、今の日本です。近くの山の木は、私たちに空気やおいしい水を提供しています。しかし、森林は放置され、間伐を推進しないと「緑のダム」としての機能を十分に発揮できぬまま、根が露出し、腐葉土もなくなり、保水性をなくした土壌は、土砂崩れの原因となってしまうのです。
では、なぜ間伐をしない森林が多いのでしょうか?それは、林業がもはや経営できないほどに立木の価格が下がってしまい、木を売却しても、次に植林や間伐などのメンテナンスができないのです。現在は輸入材に頼ってしまい、国内で使用する木材の二割程度しか利用できてません。国産材を利用することは、運送によるCO2を減らし、地域の環境保全にも繋がることです。
暮らしの中に、自然素材で耐久性が高く、湿度の調整をしてくれる国産材を取り入れることは、地域環境の保全活動に繋がります。
(大江忍・ナチュラルパートナーズ代表)
【プロフィール】
大江忍(おおえ・しのぶ)昭和36年(19651年)愛知県生まれ。一級建築士。地元の木材をはじめとする自然素材を使用した環境・健康に配慮した住まいづくりを実践。「近くの山の木で家をつくる運動」を提唱する家づくり、森づくり活動を展開中。
ナチュラルパートナーズ:http://napas.jp/
※この記事は、2010年1月11日(月)付の中日新聞「環境と暮らし」のコラムを許可を得て転載しています。
(伊藤剛)





















