映画『歪屋(ひずみや)』は、名古屋市西区の円頓寺本町商店街で雑貨・アクセサリーなどを販売する『零屋(ぜろや)』を経営しながら映像製作活動を行う森零(もり・ぜろ)監督作品です。

2009年1月30日(土)と31日(日)の2日間、14時から名古屋市西区役所新庁舎講堂で無料上映会が開催されます。無料試写会(カンパ制)なので、お時間ある方は是非一度会場に足をお運びください。
映画の内容は、「時限時計」というタイムマシンを巡る冒険活劇。「見た人が、時や空間の概念に疑問を持つような映画」なのだとか。円頓寺商店街や四間道、名古屋城など、西区を中心とした背景が舞台として登場します。

撮影風景

撮影風景
上映会を前に、監督にお話しをお聞きしました。※『歪屋』の内容については、後日掲載します。内容が気になる方は、是非上映会にお出でかけください。

疾走する出演・監督の森零さん!
(インタビュアー、以下高須)映画製作は、森さんが代表を務める「円頓寺活動写真」が行っています。円頓寺商店街との関係はどのように構築したのですか?
(森監督)今回の映画は、自分の自己資金で作ろうと決めていました。だから、必要以上に 支援を求めたりすることなく、知人たち数人で製作チーム「円頓寺活動写真」を作ってスタートしました。撮影する中で、地域の人にも撮影や着付け等で協力していただいたので、自然と関係構築できたように思います。
(高須)よくある「地域と協働して作る映画」だと、最初からそれありきでスタートするので、中々うまくいかないとも聞きます。
(森)私にとって円頓寺は清洲越え(1600年代)からの地元ですから。非常にゆかりの深い場所で、友人たちと映画を作る。凄く自然な流れがあったので、スムーズに地域にも理解頂けたのではないかと思います。
(高須)製作に関わったメンバーは、何名くらいですか?
(森)中核となったメンバーは、15名ほどです。それに、ロケスタッフやエキストラ等あわせて約150名に関わっていただきました
(高須)この映画を製作するキッカケを教えてください。
(森)2006年頃、円頓寺のおもちゃ屋さんのご主人のセミドキュメンタリーを作るため、円頓寺に何度も通っていました。このご主人がSF好きで、喫茶店で色々とお話している内に、「歪屋」の構想が出来ました。「これは映画にしなきゃ!」と思ったので、本格的に動き始めた、という訳です。
(高須)そのときは、円頓寺で活動はされてなかったのですか?
(森)そのときは、零屋が別の場所にあったんです。店が円頓寺に移転したのが2008年5月です。ただし、移転して直ぐに地域一体が水没しまして映画製作を一時中断したので、本格的に映画製作再開できたのは、2009年2月からです。
※注1 円頓寺界隈は、水はけが悪く、台風のたびに浸水が起こっていたそうです。
※注2 森監督は、22歳で上京し、1994年に名古屋に戻るまで、東京やニューヨーク等で、役者として活動されていました。そのあたりも面白いお話がいろいろあるようなのですが、その辺はまたの機会にお聞きしたいと思います!

和太鼓を叩く、森監督!
(高須)映画の資金はどうされたんですか?
(森)最初から、自己資金でやろうと決めてました。「何事も、ゼロから始まり、ゼロに帰す」という考えで動いてまして。名前も店名も、「零(ゼロ)」をつけているのはそういう理由です。商業映画と違い、インディペンデントだからこそ、「こうやりたい!」と思うものをダイレクトに創作できると思います。
(高須)映画を作る上で重要視していることは何ですか?
(森)衝撃を伴う魅力のインパクト、ですね。僕はこれを「テルス」と呼んでいます。例えば、「この映画、ハイテルスだね(すっごい衝撃的だよね!)」という感じで。無論、造語ですよ(笑)!
(高須)この映画のテルスは?
(森)それを判断するのは観客ですが、自分としては、商業映画にはできないハイテルスの作品を作ったつもりです。
(高須)別の監督さんの作品で、ハイテルスと感じるものは?
(森)ヤンクーネン監督やチャウ・シンチー監督等の作品です。日本の昔の監督でマキノ正博さんの作品もスーパーハイテルスの塊です。マキノ監督には、私が東京にいるとき(1988年)に、私の世界一好きな映画『血闘 高田馬場』(1937年作・主演・阪東妻三郎)の面白い制作秘話 を話していただいた事がありまして、その記憶は私の一生の宝物になりました。
(高須)最近、映画関係で円頓寺全体が盛り上がってますよね。
(森)僕の映画製作が、一つのキッカケになっていればうれしいです。例えば、名古屋大学の学生さんが中心になって開催した「円頓寺映画祭」や円頓寺を舞台とする別の映画企画などもスタートしてます。緩やかにそれぞれが”つながって”、映画作りの人たちが集まる場となればいいなぁ、と思ってます。
(高須)まさに大きなキッカケになっていると思います。
(森)僕が『歪屋』を、たくさんの知人や地元の方と力を合わせて完成させた。続いて他のプロジェクトも、それぞれメンバーが力を合わせて完成させる。それらが積み重なって、つながっていくことによって、この場所にムーブメントみたいなものが生じるのではないかと。それを期待してます。
(高須)森監督は、名古屋ビジュアルアーツ映像科講師という顔ももたれてます。最近の若者への感想があれば。
(森)映像を作りたい、というモチベーションは感じます。しかし現実は若者たちをどんどん萎縮させている気がします。僕の若い頃と、映像作りたいと思う人の割合はそんなに変わってないと 思うんですが、いかんせん絶対数が少なくなってます。中々ムーブメント的なものを作れない状況は、映像の世界だけでなく、音楽や表現の世界全体に言えると思います。だから私は学生たちに、「無難な評価を求めたり、こじんまりした表現を身につける前に、楽しく作って、どんどん発表して、たくさんの失敗を積み重ねて、そこから、自分にしかできない何かを見つけていきましょう」と教えています。
(高須)第2弾作品について教えてください。
(森)もう構想はできあがっています。内容はまだ言えないですが、円頓寺や名古屋を舞台にした、SFアクションムービーです。面白くて忘れられない映画にしたいなぁ...。参加者も随時募っています!
(高須)将来の目標は?
(森)実は、”一生に一度だけの大作”の構想がありまして。22歳の時に構想して以来、頭の中で練り続けています。いつか、映画化実現したいです。
(高須)気になりますね!どんな内容なんですか?
(森)すみませんが、これまた詳しくは言えません(笑)。「現在の価値観とは少し異なる世界観」を表現する反面、「人類の捨てきれない本能的なもの」を、これでもか!と刺激する映画になると思います。また、CGではなく ロケや1分の1のセットで出来るだけリアルに撮りたいんです。 最近CGを多様する風潮がありますが、僕はあまりそれには興味なくって。CGで作った世界観は、どこか机の上の香りがしませんか?そんなものよりも、例えばジャッキー・チェンのアクションや、偶然吹いた風の方が、生の迫力が心に刺さってしまうと思うんです。私の頭の中に23年間増幅し流れている”生涯の夢の1本”は、『ベン・ハー』や『クレオパトラ』のような、きっちりと世界観を作り上げた映画、です。
(高須)最近、「普遍的なテーマを扱う映画」が人気ですね?
(森)そうですね。そういう映画は、僕も楽しく観れるので、よく観ています。そういう映画って、「本来あるべき世界」つまり「当たり前の世界」を描いている訳ですよね。そういう作品が人気あるということはつまり、「本来あるべき生活・世界、を失ってしまった現代」を良く現していると思います。そういう意味でも興味深いです。
興味深いお話をお聞きしました。上映会がより楽しみになりました!

演者・スタッフでの記念撮影。左下あたりには中京テレビの恩田アナウンサー達の姿も!
<上映会>
◇日時:2010年1月30日(土)と31日(日)の2日間、14時から
◇場所:西区役所新庁舎講堂
◇入場:無料試写会(カンパ制)
◇イベント:
・30日は、歪屋で音楽を担当している、火消太鼓の演奏と、モンゴルからきたデリヘイさんの馬頭琴演奏あり。
・31日は、エンディングテーマを担当した、みつ&フラワーアミーゴスによるバンド演奏あり。

火消し太鼓の皆さん
(インタビュアー:高須健一 / 画像提供:円頓寺活動写真)
円頓寺活動写真:http://endoji.com
零屋:名古屋市西区那古野二丁目 / 電話:052-581-1201























