先日もご紹介した「豊森なりわい塾」。2009年11月26日(土)と27日(日)の2日間、プログラムが開催されました。

26日は、人口問題について、講義と受講生研修が行われました。
まず、駒宮博男さん(NPO法人地域の未来・志援センター副理事長)による「小地域の人口予測」についての講義が行われました。
講義では、岐阜県恵那市を事例に「恵那市においては、2025年には、働き手と高齢者の人口が同じ数になる。1人で2人分養わないといけない時代がくる」というお話がありました。
中山間地域では、既に高齢者の数が働き手の数を超えているところもあり、加えて、「そもそも人口が激減している」という問題もあるとのこと。人口を維持するためにも、継続的な雇用が必要である。田舎暮らしで問題になるのは、”働き場”、”公共サービス”、”学校の統廃合”とのお話でした。
豊田市役所の天野正直さん(社会部自治振興課 課長)による講義「豊田市の人口問題と対策について」では、豊田市の中山間地域の定住対策、都市部と中山間地域との交流、が必要、というお話がありました。
※豊田市の中山間地域の面積は全体の68%を占めています。しかし人口は、全体の7%しかないとのこと。
その後、「国立社会保障・人口問題研究所の「小地域簡易将来人口推計システム」を使って、受講生それぞれの住む地域の将来の人口を調査するワークショップが行われました。
ワークショップで得られたデータをもとに、受講生同士でディスカッションが行われ、人口減少によりどのような影響があるかなど、活発な意見が交換されました。

27日は、1日かけて30名の受講生それぞれが「豊森で(は)何を目指すのか」を語るプログラムが行われました。
これまで約半年かけて豊田市内で実習・ヒアリングなどを進めた現状で、さぁ、これからどうするの?というところを、自由に話してもらい、それを事務局と専門家がサポートしながら話しをつなげていく、いわゆる「発散」部分にあたるプログラム。当たり前ですが、各自色々な考えをお持ちで、また、今後何をしたいか、についても色々な段階におられるようで、広範囲かつ濃密な内容のお話しをお聞きすることができました。
ほんの一部ですが、当日出た意見などをご紹介します。
<受講生の声>
・楽しい、ワクワク、が必要。
・受講生を「森をどう使うか」「家を建ててみる」「ビジネス化する」というようなグ ループに分け、”参加するプログラム”にすることが重要。事務局をやるグループ、事業計画を作るグループ、もあってよい。
・会社を作り、人づくりをする。なりわいを作り、市場形成する。ムーブメントつくり、意識の高い購入者層を構築。
・インフラ整備。新しい形のゼネコン作るのも面白い。100年使える技術を開発する。
・地場産業のブランディング。ライフスタイル誌作りたい。情報発信。養蚕。地域ブランド構築。たまり場作ることも重要。
・地域内、あるいは、豊森内の金の循環、流通が重要。
・”多業”(複数の仕事を行うこと)での生活。”共に生きる”、つまり、つながりや役割分担が大切。
・材木のビジネスモデルを構築。里山・林を有効活用するビジネス化。製材所、木工所が地域にないといけない(雇用を作る)。
・薪やチップの流通。広告的な役割も必要。天然住宅について学ぶべき。
・「家造り」プロジェクトが良い。天然住宅のもので。⇒足助の古民家修復。セルフビルド(フィンランド)を国産材で。
・木の家具屋。地財地消。持続可能な生活をする中で必要となる家具を販売。使う人たちの教室も実施。
・地域の便利屋。森の整備。森の幼稚園。農作物のネット販売。農家カフェ。農的生活、等。
・家族の問題。”こんなことがやれたらいいな”というアイデアはあるが、家族がついてこない。⇒森でどう仕事作るかが重要。
また、豊森事務局からは、2年目の方向性に関しての考え方が話されました。
<事務局の声>
・豊森が目指す方向性は、「人づくり」「仕組みづくり」「地域づくり」。2年目のカリキュラムとしては、共に作り上げるグループワークを考えたい。地域で活動するためには、「稼ぎ」「仕事」「暮らし」を考えること、豊田市民や 行政とつながること、が重要。
・勝手に地域に入るのではなく、”求められたら”入る、というスタンスでいるべき。地域が抱える課題に対して、本気で取り組む覚悟が求められる。
・地域との縁、つながりが出来れば、見えてくるものがある。アイデアや関わり方、など。1年間、地域をグルグルまわって聞き書きをする方法もあると思う。ただし、「で、何をするのか」を明確にしておく必要あり。
・流域圏という考え方。上下流の中で、誰がどのようにビジネス構築するのか、
それらビジネスによる収益を、循環させるか、を考えるべき。地域通過、地域内の資源循環等、重要。
・森を軸として地域活動。1人1人の課題が、大きなテーマにどうつながっているのか、を意識する必要あり。
・「”豊森”とは、これだ」という、ブランド、広報も必要。
1日では足りないほど、色んな意見が出ました。
数ヶ月、豊森で活動した結果として、具体的にやるべきことが見えている人もいれば、逆に課題点を発見し、それをどうクリアすべきなのか、と考え始めている人もいるようです。各自の現状スタンスは様々ですが、これも”豊田の中で実際にフィールドワークを重ねたから”こそ、より明確にやるべき道や課題点がわかってきた、ということなので、これも豊森プロジェクトの一つの成果ではないかと思います。
やはり「森」「材木」を用いた展開、というのが大きなテーマであるという方向性が見えました。
今後、具体的に展開していく様子も、引き続きウォッチしていきたいと考えています。
(高須健一)
豊森なりわい塾:http://www.toyomori.org/
NPO法人 地域の未来・志援センター:http://www.c-mirai.org/























