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《クリチバの奇跡に学ぶ》人を大切にするバス中心の公共交通政策 - バスの地下鉄化で成功
(2009年9月30日 02:49)

前回にも述べたように、100万人を超える大都市の公共交通機関は地下鉄、という都市計画家の世界的な常識を破って、クリチバ市は独自の解決策を考えました。クリチバ市の文化、経済、技術などに適した解決方法として、先進国では見捨てられているバスでの公共交通を選んだのです。工事費用は100分の1、工事期間も10分の1で、ここでも、人を大切にする都市づくりが基本になりました。

もちろん、日本の大都市で運行されているバス交通では、解決になりません。必要なのは、市民が望む、快適、快速、時間に正確、安全、安くて便利であり、人を大切にする街づくりを掲げるクリチバ市ではなおさらです。ではどのように工夫したのかを説明しましょう。

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ターミナルなどの施設

尚、ここで私の意見として必ず知っていただきたいのは、都市の計画は、もうこれで良い、という絶対的なものはなく、いつも動的なもので、適応性がなくてはならないということです。例えば、クリチバ市のバス計画で有名になったチューブ・ステーションは、始めの計画ではなく、必要の中で生まれて来たものです。3台連結のバスも同様です。

1.まず基本的には、バスを地下鉄と同じ扱いにする。―バスの地下鉄化

2.幹線軸道路(5本)に、バス専用レーンを設け、バスが、他の自動車の邪魔を受けずに、スムーズに走行できるようにする。

3.ターミナル(軸線と環状線との交差点)では、日本の大きな駅のプラットホームのように、乗り換えが、新たに料金を払わなくても自由にできるようにする。  

4.プラットホームを路上につくり(チューブ型バスストップ)、ホームに入るときに料金を払う。また、ホームの床の高さをバスの床の高さと同じにする。―乗り降りの時間短縮

5.日本の電車システムと同じく、各駅停車バス、快速バス、急行バス、環状線バス、などがあり、その他に病院廻りバス、観光専用バス、障害者専用バスなどがある。すべて1つの切符で乗り換え可能。

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チューブ・ステーションでの乗降

以上のようにバスが車より便利で安くつくという感覚を市民に植え付け、できるだけのバス利用を促そうとしているのです。ちなみに、クリチバの人口の70%がバス利用者で、世界の同規模の都市と比較して、クリチバでは道路を走っている自動車数が30%少ないという調査結果があります。(東京や大阪で、交通量が今より30%少なかったら、どんなに楽でしょうか。)

 さらに、9ヵ所のターミナルには、市民通りが設けられ、そこには、電力、水道局、市役所の各局、銀行、職安、等々の出張所があり、バス利用者は、そこで必要な用をほとんど済ますことができ、証明のハンをもらうと、そのままターミナルから、新たに料金を支払うことなくバスに乗れます。 

 このように、バス利用者に多くの利点があるように計画されており、ここでも、クリチバは人(この場合ではバス利用者)を大切にしているのです。また、地上にいると、季節の移り変わり、花の美しさ、紅葉などが見られ、また、街の景観も観察でき、環境的に正しいひとづくりに役立ちます。

クリチバ市のバス交通システムには、10の企業が参加し、計画は、時間表、バスの種類、台数、料金、新路線の決定まですべて市の交通局が行っています。今のところ、利用者が多いので、採算が成り立ち、市からは、一銭の補助金もありません。料金は、市内均一で、現在日本円で約120円程度です。

 こうしたバス交通網とは別に、クリチバ市には現在、150Kmの自転車道路網があります。全て標識もあり、自転車専用道路です。日本も、政府が、自転車の使用を奨励しているようですが、それなら、行政側は、しっかりした安全な自転車道路をつくるべきで、今のままで、いくら環境のためにと呼びかけても、応じてはくれないと思います。

(元クリチバ市環境局長の中村矗=ひとし)

※この記事は、中日環境netにも掲載されています。

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