持続可能な社会をつくるという大きな目標に向かって様々な情報を発信している「グリーンメディア」。まだまだ社会的な認知度は低いものの、新しいメディアも次々に生まれるなど、着実に活動の実績を重ねつつあります。
そうしたグリーンメディアが協力し合うことで、事業の活性化を目指すとともに、既存のマスメディアがより“グリーン”になるようにマスメディアの中にいる人たちともつながっていこうというグリーンメディア・アライアンスが、本格的に始動しました。
グリーンメディア・アライアンス自体は昨年スタートしたものの、オルタナ、green.tv Japan、greenz.jp、グッドニュース・ジャパンの4つの参加メディアはいずれもまだ事業の立ち上げ時期で互いに余裕もなく、実質的な活動はほとんどできない状況でした。そんな状況を打破しようと、この春くらいから、定例会を重ね、組織として活動内容の検討や規約づくりなどを進めてきました。
そして、2009年8月6日(木)、東京・五反田の5TANDA SONICで初の総会を開き、新会員も迎えて、本格的なスタートを切りました。総会に引き続いて、greenz.jpが毎月開催している「green drinks Tokyo」で、キックオフパーティーを兼ねたトークイベントを行いました。
トークでは「green mediaは次世代メディアのメインストリームになれるか?」をテーマに、参加メディアのメンバーとゲスト3組が、グリーンメディアの歴史と今、そしてこれからについて順に語りました。スピーカーは以下の6名(敬称略)です。
第1部【green mediaの歴史】
ゲスト:田中泰義(日本環境ジャーナリストの会会長)
ホスト:安在尚人(グッドニュース・ジャパン代表取締役)
第2部【green mediaの今】ゲスト:鈴木亮さん(A SEED JAPANメディアCSRプロジェクト)
ホスト:森摂さん(オルタナ編集長)
第3部【green mediaの未来】ゲスト:仲俣暁生さん(批評家、編集者)
ホスト:鈴木菜央(greenz.jp編集長)
トークでは、グリーンメディアの「信頼性を確保することが新しいメディアに問われている」(田中泰義さん)、「より深い分析、鋭い論説の記事が増える必要がある」(鈴木亮さん)「新聞とWEBが一緒になって取り組むことが大切」(鈴木菜央さん)など、グリーンメディアの課題についても語られました。
スピーカーに注ぐ参加者の視線は熱く、トークの後のパーティーでも参加者同士が新しい形の情報発信について熱心に情報交換をするなど、グリーンなメディアへの期待の強さを非常に強く感じるイベントでした。
分科会で活動
グリーンメディア・アライアンスとしての活動は今後、いくつかの分科会に別れて進められることになっています。多様なメディアが共同して再生可能エネルギーの共通PRなどを行うアドネットワークの事業や、メディア関係者のネットワーキング、ジャーナリスト講座の開講、ブロガーネットワークなどが予定されています。
グッドニュース・ジャパンは、「生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)」「地域」という視点からの分科会を担当しています。
筆者(安在)は、今から15年前に、エコ雑誌を創刊したいと思って、中日新聞の記者を辞めました。green drinks Tokyoのトークでも話したのですが、その当時は、エコ雑誌を作るといっても、環境問題そのものは伝えられてもその解決のための取り組みは極めて限られていて、社会の変革につながるようなネタが足りない、というのが実感でした。そのころから比べると今はまさに隔世の感があり、逆にあまりにも話題が多すぎて、フォローしきれないというのが多くの人々の実感ではないかと思います。
メディアの世界も大きく変化し、新聞を見ていれば足りた時代から、ネットの世界で膨大な情報が生まれ続けている時代になっています。
しかし、あまりにも情報が増え、それを発信する方法も多様化したために、かえって情報の洪水の中に埋もれて、正確な情報、必要な情報が得にくくなってしまっているという面もあるように思えます。世代によって、情報の得方が違うことによる情報のギャップもあるでしょう。
こうした状況の中で、グリーンなメディアがつながることは大きな意味があります。
グリーンメディアの役割として、「人類の未来が危ない」という“総論”を伝えることはもちろん重要ですが、それにも増して求められているのは、それぞれの分野、地域で問題の解決に向けて取り組んでいる人たちの具体的な経験や知恵を伝え、それを蓄積していくことではないでしょうか。
日本の様々な取り組み、世界の様々な取り組みの中の優れた事例を分かりやすい記事にして紹介していく―そのことが、持続可能な社会を創るために活動している人、これから何かに取り組みたい人に、有益な情報を提供し、次の一歩への勇気を与えるはずです。
グリーンなメディアが協力して、そうした情報をより整理された形で提供できるようになれば、社会の変革にきっと役立てると考えています。
また、グリーンメディアは、視点を「中立」ではなく「持続可能性」に置いているのが特徴です。そのため、情報発信だけでなく、積極的に様々なムーブメントを創っていこうと試みています。
私たちグッドニュース・ジャパンも、COP10に向けたセクターを超えた情報共有の基盤となるサイトづくりや、地産地消をテーマにした取り組みを計画しています。こうしたメディアとリアルな活動の連動も、これからのグリーンメディアの一つのあり方ではないかと、私たちは考えています。
生まれたばかりのグリーンメディア・アライアンスの将来にぜひご注目ください。
(文・安在尚人、写真提供・greenz)
























