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「未来都市サミット」で伝えた愛・地球博の心 - ジョン・ギャスライトさんに聞く
(2009年2月26日 00:00)

UAE(アラブ首長国連邦)の首都、アブダビで、2009年1月13日~15日、未来の都市のあり方をテーマにした国際会議「未来都市サミット」が開催された。約60カ国から、政治、経済、技術、文化、教育、環境などの分野の第一人者、約200名が招待され、意見交換した。日本から唯一、パネリストとして出席したジョン・ギャスライトさんに話しを聞いた。

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アラブ首長国連邦の首都、アブダビで開催された「未来都市サミット」でのイベント

―「未来都市サミット」は日本では余り知られていませんが、どのようなものですか? 

多国籍企業Sandent GroupのアメリカGLT(グローバル・リーダーシップ・チーム)というコンサルタント会社が主催・運営するもので、サミットという形式で、世界中から優れたアイデアを集め斯界の実力者たちを一同に合わせることで、社会や環境、企業が抱える問題解決の一助とし、ビジネス界でリーダーシップを発揮したいというのが狙いのようだ。今回のテーマは、未来都市だった。 

―パネリストに選ばれた理由は何だったのですか?

 ある日突然、「GLTが主催する未来都市サミットに招待します」というEメールが来て、最初はあやしいと思い消去してしまった。再び来たメールには、「“自然の叡智”をテーマにした2005年の愛・地球博覧会(愛知万博)で、グローイングビレッジをプロデュースしたあなたの考え方に感動した」と理由が記してあった。関係者が万博を見学していたらしく、僕の名が挙がったようだ。これは本物だと思った。

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高額の入場料を支払い飲食をしながらパネリストの話を聞く、世界各国の参加者たち

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政治、経済、文化、教育、環境などの分野の第一人者がパネリストとして招待された

―愛・地球博のグローイングビレッジとは、どのようなものだったのですか? 

木を、太陽の光や雨など自然条件の中でベンチや机の形になるように育て、家具として展示した。木の成長ホルモンが、アーティストの才能と自然との協働によって実用的なモノの形へと、導かれた結果だ。グローイングツリーや、遊具も置かれた公園で、ツリークライミングなどの自然体感プログラムを行った。あの時は先端すぎたかもしれないが、今のアラブ首長国連邦にこのコンセプトが受け入れられるというのは、うれしかった。愛、平和、子育てなど全てのものが、時間をかけて育っていく。自然から学ぶのは、そういうものなんじゃないかというのが僕の考え。2度目のメールを見たとき、「愛・地球博はまだ生きている」という感動が心を突き刺した。 

 ―裕福といわれるUAE(アラブ首長国連邦)は、ジョンさんから具体的に何を学ぼうとしたのでしょう?

 UAEは、今、世界で一番いい都市―、たとえば森を育て、ソーラや風力エネルギーを使用し、ゴミを出さない、完全なエコシティを作ろうとしている。同時に新エネルギーの覇者もめざしている。しかし、経済発展を遂げたドバイ首長国では、住民の約9割が外国人で、内6割がインド人を主とする南アジアからの出稼ぎ労働者という。ここでの課題は、“人”作りだ。そこで、日本における市民のエコに対する情熱や活動内容を知りたがっていた。僕は愛・地球博が成功した要素のひとつに、市民参加、いわゆるボランティアの力があったこと、そのノウハウの蓄積がエコマネーなどのさまざまなエコ活動へとつながっていったこと、また、干潟を守るために行政と市民が一丸となってゴミ減量に成功したことなどを紹介した。

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 パネリストとして、愛・地球博でのエコの様子を講演するジョン・ギャスライトさん

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パネリストには、ローマ市やカラカス市の市長、IT企業の首脳など豪華な顔ぶれが参列した

―2010年に愛知・名古屋で開催が決まったCOP10のこともPRされたそうですね。 

UAEのメディア関係者からこんな突っ込みがあった。「市民を動かすことができたのは、お金がある日本だからできたのでは?」と。僕は即座にノーと答えた。愛・地球博はただのお祭りではなかった。はじめは自然を破壊するという理由で、反対者が多く出た。行政も市民も、彼らから学んで賢く成長していった。それで自信がつき、「よし、COP10を誘致しよう!」ということにつながった。市民参加というのは、街と同じでどんどん成長していくもの。一回のイベントで盛り上がるのではなく、持続可能な形でエコ活動を継続していくことが重要だ。それにはチャーミング・エコでないといけない、と訴えた。面白くて楽しくないと、長続きしないから。 

―ジョンさんが推進しているツリークライミングやツリーセラピーに対する反応はどうでしたか? 

 森を育てた後にどう使うか、アドバイスを求められた。30~40年後にツリークライミングができたら、面白いんじゃないかと提案した。16歳以下の若者や身体障害者に木に登ってもらう。身体障害者がツリークライミングをすることを話したら、びっくりされた。これはまさしく、ツリーセラピー。生命の尊さや環境を考えるきっかけにもなる。こういった街づくりは、その子供たちが親になったときに必ず活きる。市民の心を動かすにはお茶目なアイデアが必要だ。参加者からは、「イラク復興に、ツリークライミングのできる街づくりを」なんていうアイデアもでた。

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サミットが開催されたホテルの、会場入り口。シーク教の人々が運営をサポートした

―ジョンさんの他にはどんなパネリストたちが招かれていましたか? 

 ベネズエラ・カラカス市長やイタリア・ローマ市長、フルブライト奨学金のハリアット・フルブライト女史、スイスポスト、IBM、シスコシステムズ、インテルなどの企業首脳、ナショナルジオグラフィックのトップジャーナリスト、ドイツのプリンセスなど、そうそうたるメンバーばかり。日本からは、僕だけ。最初は萎縮し、アリみたいな気持ちになっていた。「こんなちっぽけな僕ですが・・」と自己紹介したら、「違う!あなたは他の人がやっていない、世界を変える力を持っている」と言ってくれた。宇宙開発などマクロの話が多い中で、僕はミクロ(一人一人)の話をした。ミクロがあるからこそ、マクロがある。遠くの星を見ることと、実際の星をミクロで見ることの両方が必要だ。サミット3日間で、2日も講演やワークショップの機会を与えてもらい、非常にラッキーだった。

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サミットの会場となったホテル。豪華な雰囲気が漂う

―ディベート形式の特殊な講演スタイルだったそうですが、印象に残る質問はありますか? 

「なぜ美しいカナダから日本へ移住したのか?」と聞かれた。僕の答えはこうだ。 “○○人”というような出身国で人を判断する方法は、もう古い。自分が一番住みたい街に住んで、周囲の人々と同じ夢を持って、未来を作り、守る。これからは、“街”の時代だ。自分と同じ意見や考えの人が周りにいると幸せだ。夢がかなうから。だから、愛知に住んでいる。大事なのは、そこに住んでいる人と触れ合うこと。すると自然に自分の街をPRしたくなる。たとえば環境についても、学校をはじめ、市民全体が考えていないとさびしい。UAEが将来、エコシティを作れば、世界中からエコに関心のある人が集まってくるだろう。そこでの基本は、“家族”。各家庭が幸せでないと。家族が集まって街や市になり、やがては世界が作られるのだから。 

―ありがとうございました。 

(文/浜村良子、写真提供/ジョン・ギャスライト氏)

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