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愉しく生き延びるためのスロービジネス入門書・辻信一さん監修
(2008年9月25日 09:00)

アメリカの保険会社がばたばたと倒れ、食料不足に原油高。世界恐慌がやってくるとメディアは大騒ぎ。太陽光の強さを確実に肌で感じる温暖化、ゲリラ豪雨は、この文明の終焉を告げているようです。

ところが権力と利権が大好きな、おじさん達の凝り固まったおつむはなかなか変わらない。NYタイムズにまで「豚に口紅」といわれる自民党総裁選。「エコ」の名の下で進められる車中心、原子力発電中心主義。いつまでもアメリカへ擦り寄り,最新兵器の実験にドバドバとカネを使う防衛庁。そうこうしているうちに増え続けるネット難民。あ〜も〜いい加減そのネガティブな連鎖やめません?

問題は“石油がなくなって「経済発展できない」”ことではなく、「経済発展し続けなければ!!」と、人や自然の命を殺さずにはいられないその「がんばりジャンキー体質」なのでは。そろそろ、本気で私たちは新時代に向かって、生き方のチャンネルをシフトするべきでしょう。

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辻信一さんの監修する「ゆっくりノートブック」は、そんな来るべき「懐かしい未来」への入門書です。第2弾となる「テクテクノロジー革命〜非電化とスロービジネスが未来をひらく〜」は、1000以上の特許を持つという日本のトップ発明家、藤村靖之さんと文化人類学者の辻信一さんの対談集。
オール電化ならぬ「非電化」を提唱し、日曜大工で出来る超低コストの太陽光発電や、非電化冷蔵庫の開発、水の重力を利用したエレベーター、モンゴルの遊牧民向けに開発された馬力発電器具、ナイジェリアの非電化ジュース工場など、驚きの発明秘話が明かされます。

コピーライトならぬ「コピーレフト」として、ノウハウや、図面を公開しているのも太っ腹。もともと大企業で出世街道を歩んでいた藤村さんの商才が生かされ、「地元にある材料を使い」「地球や環境にいい事をして、なおかつ適度に儲かる」ことを目指している。なぜなら各地域で持続可能な経済をつくることこそ、自立に繋がり、“豊かな国が貧しい国から搾取してきた”前時代的な経済システムへの否定になるから。

対談は自然に囲まれた那須にある藤村さんの非電化工房に、辻さんが数日間泊まり込んで行われた。息子さんのぜんそくがきっかけで、子供にいいことしかやらないと決意したこと、こどもにやさしいことは環境にもやさしいこと、藤村さんの言葉を、ゆっくりと、じっくりと辻さんが、引き出していく。こういう時間を過ごす事こそ、真の豊かさだと思う。たぶん、それはちょっと昔、囲炉裏をかこみながら人々が過ごしていたあたりまえの時間。いつから、誰が、その幸せな時間を私たちから奪ってしまったんだろう。

経営難に悩む中小企業の社長さんや、ワーキングプアで精神的余裕を持てない人達に、この本を読んでもらいたい。閉塞感から抜け出すヒントが詰まっていますヨ。ちなみに間伐材のパルプで作られた再生紙や,蛍光染料無添加のインクを使うなど本の素材にも気合いとこだわりが。再生紙の本って、軽くて持ち運びやすいかも〜。

(画家・増山麗奈

「テクテクノロジー革命〜非電化とスロービジネスが未来をひらく〜」(大月書店)定価1200円+税

非電化工房ホームページ

ゆっくり堂HP

辻信一 HP

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