生物多様性をテーマに“プレCOP10”という位置づけで、第16回アジア太平洋環境会議(エコアジア2008)が2008年9月12日(金)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で始まり、開催記念環境シンポジウムが、なごや環境大学特別公開講座の一環として開催された。
オープニングでは、なごやエコキッズによる合唱に続き、名古屋市環境局長の加藤正嗣さんらがあいさつ。
基調講演では、歌手で国連環境計画(UNEP)親善大使の加藤登紀子さんが、亡きご主人から引き継いだ、千葉県の「鴨川自然王国」について報告。土に宿るとてつもないエネルギーや、農作業を通し、いのちを紡ぎ出す喜びに目覚めた若者たちの様子などを語った。また、藤前干潟を訪れたときの感動とともに、干潟を守った名古屋市民の行動をたたえ、「ぜひ誇りを持って、語り継いでいってほしい」と述べた。「知床旅情」などを熱唱し、豊かな歌声とともに映像でもメッセージを伝え、参加者を魅了した。
続いてCOP10なごや生物多様性アドバイザーの鉄崎幹人さんと長谷川明子さんが、COP9が開かれたドイツ・ボンの近郊都市、カールスルーエでの視察報告をし、市民の願いで、コンクリートから、柳の木による自然の護岸へと形をかえたアルプ川などが映像で紹介された。
パネルディスカッションでは、日本福祉大学国際福祉開発学部教授の千頭(ちかみ)聡さんをコーディネーターとして、藤前干潟を守る会理事長の辻淳夫さん、名古屋市の上流域、岐阜県中津川市加子母(かしも)に住むイラストレーターの本間希代子さん、COP10なごや生物多様性アドバイザーの広田奈津子さん、加藤登紀子さんが意見を交換し合った。「自然を守る側と壊す側の対立軸をなくすには、社会全体の計算尺を変える必要がある」「自然の循環と経済の循環のバランスがとれた、生命流域(バイオ・リージョン)の創造を」「自然と人との間には、一線を超えてはならないルールがある」などの意見が出された。
「土、干潟、緑、森・・。豊かな暮らしを次の子どもたちに~私たち都会の役割を考える~」と題された今回のシンポジウム。日本を含む11カ国の環境大臣や副大臣ら、また16の国際機関の担当者が出席する13日の本会議を前に、タイ、パプアニューギニアなど、一部アジア太平洋諸国の関係者も列席し、講演や報告内容を真剣に聞き入っていた。
(浜村良子)






















