エコ住宅を訪ねて―前編
都市の郊外に、新しく出来る住宅地を日本では「ニュータウン」なんて呼びますね。フィンランドの首都ヘルシンキの北東部に位置するViikki (ヴィーキ)にもそんな「ニュータウン」があります。しかし、ヴィーキにあるのはエコシティプロジェクトによる実験的エコ都市住宅。普通のニュータウンとはちょっと違うのです。
ヘルシンキ大学を含めた官民共同による、バイオサイエンスやバイオテクノロジーを中心としたサイエンスパークと、広大な自然保護区、そして住宅地からなるヴィーキ地区は90年代半ばから開発が始まり、2001年に完成しました。住宅地には現在約1700世帯、3000人が暮らしています。ここでは他の一般的な住宅に住む人に比べ、水道、光熱などのエネルギーを町全体で20%も節約をしています。
エコ住宅に住む人たちがどんな生活を送っているのか、早速見てみましょう。
ブルーに輝くのは、なんとソーラーパネル
町を作るにあたってのテーマは「自然と住宅のMix=共生」。環境共生をテーマにデザインコンペを行い、その入選案に沿ってディベロッパー(開発業者)とエコロジーの専門家、建築家がチームを組み、さまざまな形態の住宅を作っていったのです。彼らが始めに行ったこと、それは、「エコな生活とは何か?」という定義について、話し合い考えを統一する事でした。
それは以下の通りです。
・建築時と、その後の生活で環境を汚さないこと。
・省エネルギーであること。
・そこに暮らす人が健康であること(精神的な健康も含む)。
・食べ物の自給が出来ること。
・リサイクルを行うこと。
なるほど、と思う内容ですね。しかし私は、精神的な健康=エコ?と、少し不思議に思ったのです。それは、実際に住宅を見てまわるとあちこちにその答えが見つかりました。

建物の外にある、共同の収納スペース。屋根に設置してあるソーラーパネルは随分オシャレですね。実はこれが答えのひとつでした。ソーラーパネルは本来とても目立つものです。これを、いかに外観を損なわずに配置するかは建築家にとって大きな課題の一つだったそうです。毎日目にするものの美しさが、フィンランド人の健やかな心には必要不可欠なのだとか。
またヴィーキの住宅の一つひとつは割と狭く、かわりに共同スペースがあちこちにあります。たとえば運動のできるジム、車いじりのできるガレージ、木工や機織りのできる図工部屋なんてものも!
こちらは、共同のサウナです。
このサウナこそ、フィンランドの人には欠かせないもので、疲れを癒すだけではなく、団らんや会議などさまざまな用途があり、日本の銭湯や温泉のような存在のようです。なんとサウナにはサウナの妖精がいるので、騒いではいけない、政治の話もマナー違反、と言われているそうです。この写真のサウナは薪で温めるタイプですが、薪割りの作業はデスクワークの人達にとって肩こり解消の運動であり、とても人気があるんだよ、と教えていただきました。
もしかしてこのような共同スペースも、精神的な健康と関係があるの?と質問をすると、もちろん!という答えが返ってきました。

こちらは、教会の壁です。化学薬品も塗料も使わずに仕上げた木の壁は、耐久性の優れた木を研究して選ばれたものです。この壁の風合いは永久的ではないけれど、人々の生活とともに変化するのは自然なことだ、という考えがあるのです。教会は本来、生活の中心にあってオープンなスペースであるべきだ、ということで、内装も白木がふんだんに使われたシンプルで居心地のよい感じで、住民に開放しているフリースペースもありました。
こうして見ていくと、精神的な健康というのが決して大げさなことではなく、またそれを後回しにしてはエコな生活、そしてロハスな生活があり得ないのではないかというのが自然と感じられるようになりました。
さあ次は、エコ住宅でエネルギー20%オフの秘密を探ります。
(次回は2008年8月10日掲載予定です。)
■筆者プロフィール
ほそがいふみ(パタンナー・アトリエみつまめ主宰)
アパレル会社でパタンナーとして、5年間勤務。在職中から手作りのよさを広めるべく、ハンドメイドの雑貨作りユニット『アトリエみつまめ』として活 動する。「手作りをもっと気軽に、もっと楽しく!」をコンセプトに製作した雑貨は、地元名古屋や岐阜のクラフト市などを中心に出店・販売している。また現 在は、おしゃれママのはじめての手作りを応援をする、「縫いやすくて可愛いコドモ服の型紙」を製作中。ものづくりを通して物を大切にする心を、母親を通じ 子供たちへ伝えたいと活動中。
*アトリエみつまめブログ http://3mame.seesaa.net/






















