G8洞爺湖サミットで活躍した2008年G8サミットNGOフォーラム。1年以上にわたって築いてきたネットワークを、2010年の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けてどう活かすべきかなどについて、NGOのネットワークでは先輩格の環境と開発に関するドイツNGOフォーラムで代表を務めるユルゲン・マイヤーさんに聞きました。
―G8サミットNGOフォーラムは、環境ユニット、貧困・開発ユニット、人権・平和ユニットという3つのグループに分かれて活動してきましたが、ドイツNGOフォーラムは、どんな仕組みになっているのですか?
「ドイツNGOフォーラムには、テーマ別に、生物多様性、砂漠化、女性、居住、貿易、気候変動とエネルギー、食糧と農業、ローカルアジェンダ21、森林、水という10のワーキンググループがあります。どのグループに参加するかは自由に選ぶことができます。1つだけのワーキンググループに参加しているところもあれば、5つのテーマにかかわっているところもあります。団体の興味に沿って、参加するワーキンググループを自由に選ぶことができるのです。日本のG8サミットNGOフォーラムのように分野別に縦割りになっていると、環境問題は私たちのこと』『平和の問題は私たちのこと』というようになりがちですが、ドイツのような流動的に動ける仕組みだと、『このテーマは私たちに関係している』というように、横断的にかかわることができます」
―日本のG8サミットNGOフォーラムは、9月に解散する予定ですが…。
「解散するのは、もったいないと思います。ドイツでは、92年にフォーラムができ、環境系のグループや開発協力系のグループが、永続的に友好関係を持ってきました。環境系と開発協力系がうまくうやっているのは、ノルウェー、デンマーク、ブラジル、ドイツくらいで、日本のNGOフォーラムは、そのいいチャンスになると思います。テーマごとにグループが出たり入ったりするのは自由にすればいいと思いますが、関係は永続的な方がいいと思います。いちいち国際会議があるたびに新しいネットワークをつくるのはとてもたいへんで、効率的ではありません。このテーマはこの人たち、このテーマはこの人たち、というようにフレキシブルに変えていくのがいいと思います」
―スタッフは相当たいへんな思いもしたようです。
「でも、次の会議が来るのは決まっています。疲れている場合じゃありません。」
―2010年に名古屋で開催される生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)に向けて、地元の人たちを中心に生物多様性フォーラムが結成されました。生物多様性条約にかかわるNGOの多くが東京にある中で、どう活動していくか、難しい面もありそうですが…。
「東京で話し合いがある時は名古屋の人を招き、名古屋で話し合いがある時は東京の人を招く、というように、名古屋と東京で一緒にオペレーションできると思うようになるプロセスが必要でしょう。名古屋の人がどんどん外に出て行くことで、協同は可能になると思います。たとえ経験が少なくても、やることによって少しずつ学んでいけばいいんです。私たちも、92年のリオの地球サミットのころから、いろんなミス、失敗を重ねてきて、今、ここにいます。人間だから、誰も完全ではありません」
―生物多様性条約のジョグラフ事務局長が、名古屋で開かれたNGOとの意見交換会で、COP10の本番前に、NGOのサミットを開いて、その内容を交渉に反映させるという発言をされ、日本のNGOの人たちは、とても勇気づけられました。
「NGOのサミットはもちろん大事なことの一つです。それはきっと実現するでしょう。ただ、もっと大事なのは、その前にいくつかのステップがあるということです。NGOのサミットで出てくることは、いろんなことを積み上げていった最終段階のものです。そして、COP10は終わりではなく、議論を現実の世界に落とし込んだり、記憶に留めさせるという作業がその後に続くのです。たとえば、大きな会議が終わった後も、定期的に議論するようなシンポジウムを開いたり、メディアで取り上げられるようにしたり、といった一過性に終わらせない努力が必要です」
―G8サミットでは、アイヌの人たちが、手探りの状態から、先住民サミットを開くことに成功しました。
「生物多様性条約にとって先住民は極めて重要な位置を占めています。COP10に向けて、アイヌの人たちと対話して、かかわりを持てるかどうかを話すタイミングがやってくると思います。COP10でもきっと大事な役割を果たすことになるでしょう」
(安在尚人)























