――2010年に愛知・名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開催されます。INAXは、COP10に向けた組織「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」に当地方で唯一加盟されました。その意図を教えてください。
少しさかのぼりますが、INAXは2008年4月から「第10次環境宣言」というものを出しました。最重要テーマは「地球温暖化対策」で、2050年にCO2を80%削減する目標を打ち出しました。しかしながら、地球環境問題の全体像をとらえると「地球温暖化」と「生物多様性」は表と裏の関係があることがはっきりしてきているので、第10次環境宣言の中に「生物多様性維持」についても盛り込みました。
ですから、「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」に加盟するかどうかというよりは、INAXと生物多様性の問題をどうやって読み解いていくかというプロセスの中で、JBIBの発足に積極的に関わってきました。その流れとして愛知・名古屋でのCOP10開催があったのです。これからは、議論をリードしていく立場になれるといいなと思っています。
―― これからはどんな議論になっていくのでしょうか?
識者から教わった考え方で整理すると、「生物多様性によって自然界のバランスが保たれ、生態系によるサービスが提供され、人類は大きな恩恵を受けている。自社の事業もその恩恵の上に成り立っているのだから、自社にとって生物多様性は大事だ」ということになります。そこのところをちゃんと読み解かないといけないと思っています。
―― 生物多様性とINAXの事業とは一見遠そうですが、どんな取り組みをなさいますか?
決して遠くありません。INAXはトイレや風呂、キッチンなどをつくっている生活密着型の企業です。大げさに言えば、人類の生活文化を左右する製品をつくっている重要な責任を持った企業なのです。お客様は企業がつくる製品を選ぶしかないのですから、人類にとって幸せになる製品を自問自答しながらつくる義務があるのです。
(注)インタビューさせていただいた前日(2008年7月2日)には、水を使わない無水小便器を発表したばかりでした。
そもそも、INAXは水まわりとやきものを本業としています。水は、森林による生態系サービスそのものであり、やきものの原料である土は生態系サービスによって生成されるものです。ですから、INAXが生物多様性の維持に取り組むということは単なるCSRではなく本業だと考えているのです。
― 2010年のCOP10に向けて、そしてポストCOP10に向けて何をされますか?
とても重要なテーマですから、積極的に関わっていきたいと考えています。他の企業の方々にINAXの取り組みを紹介しながら、その企業の本業と密接にかかわる生物多様性の問題を読み解くことの大切さを広めたいと思っています。
(聞き手:安在尚人、写真:伊藤剛)























