G8洞爺湖サミット最終日、2008年G8サミットNGOフォーラム(以下、NGOフォーラム)の代表星野昌子さんらが、今回の活動を総括。今回の目的は、市民社会を政府との対話に開かれたものにすることであったということで、それぞれが成果を報告しました。


代表の星野昌子さん
「2007年2月結成し、日本国内140数団体のNGOがネットワークをつくりました。これは、日本のNGOにとって初めての経験でありましたが、日本国内のNGOだけでなく、各NGOのカウンターパートである、GCAP(貧困をなくすためのグローバル・コール)やCAN(気候行動ネットワーク・インターナショナル)などの海外NGOとのネットワークも生かし、世界の市民社会へも開かれたネットワークを作り上げることができました。今年4月に京都で開催したCivilG8などでは政策提言活動でも、国内外の市民の声を届けることができ、またサミット開催期間中、ここ国際メディアセンターでは、ワーキングスペースを確保し、合計20数回の記者会見を実施しましたし、札幌市内のコンベンションセンターでは、市民サミット2008、7月5日にはピースウォークにも参加することができました。こうした意味で、“開かれた”という意味のことは、かなりの程度満足しております。9月には一旦解散を予定しておりますが、必要があれば、このネットワークを生かして、継続的につながりをつくることができるだろうと思います。」

副代表のひとり、大橋正明さん
「札幌市内での活動について主に報告したいと思います。入国や警備に関して、何人もの外国人ゲストらが数時間から、場合によっては一晩もの長時間、審問を受けるなど、異常な事態がありました。こちらで把握している情報ですが、バングラデシュやケニアなどからの人、韓国の人の場合は、20~30人が入国拒否になったと聞いています。また、市内での過剰な警備は、日常生活に不安な雰囲気をもたらすものでありました。サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)からの声明にも賛同しています。6日から3日間行われた市民サミット2008には多くの参加があり、メディアからの注目も多かったことはよかったと思います。」

もうひとりの副代表、鮎川ゆりかさん
「外務省との1年にも及ぶ交渉でアクセスを手に入れることができました。結果としては、100名分のパスとNGOセンター・ワーキングスペースを設置してもらい、こうした記者会見場も開設してもらうことができました。NGOの認知度や有用性に対する認識の高まりがこうした結果を生んだものと思っています。2000年の沖縄サミットのときには、NGOの活動スペースがメディアセンターとは別の場所に設置され、1日に一度NGO担当の行政官がブリーフィングを行うということで、十分に議論することはできませんでしたが、それに比べるとかなり議論を深めることができたと思います。」
NGOフォーラムが開いた市民社会という“トビラ”は、一筋の希望の光だと思いました。これまでの経験を一度に放つように、矢継ぎ早に次々と行われる記者会見。専門性の高さ、語学力、コミュニケーションの円滑さ……どれをとっても、日本の市民社会の成果が結実した印象を与えるには十分過ぎるものでした。2000年の沖縄サミットでもNGOは活躍しましたが、今回は国際メディアセンターに常駐し、タイムリーな情報発信が行われました。まだまだマスメディアでの認知度は、NGOの活動の多様性が十分認知されないなど、中途半端なものですが、今後に引き継がれる雛型はできあがったといえるでしょう。しかしながら、課題が大きいことも事実。下から社会を変えるという方法論が“死んだ”といわれる今日、NGOフォーラムも含めて、日本社会にはいまだ(あるいは世界の市民社会にも)独自の方法論が育ってきていません。特定非営利活動法が制定されると、NPOが行政と協働する事例が増えましたが、すぐに、行政依存型NPOが半数以上を占めることが指摘されるなど問題の方がいまや活動にとっては大きい状態です。今回の経験が広く共有され、NGOフォーラムが開いた“トビラ”の向こう側が豊かになっていくことを期待します。
(文:佐藤直樹、写真:志葉玲)























