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和LOHASに暮らす知恵~「ごはんのある食卓」―食事療法士・辻野将之
(2008年7月11日 09:00)

日本人がお米を食べる量は年々減ってきているらしい。1人が1年間に食べる量は、1960年には114.9kgだったのが2004年には61.5kgと、ほぼ半減しているという統計もある。どうしてお米を食べずにいられるのか不思議に思う。

そもそも人間の歯はぜんぶで32本。臼歯が20本、門歯が8本、犬歯が4本という比率で、全体の5/8を占める臼歯は穀物をすりつぶす役割だ。つまり人間は穀物をたっぷり食べるのがカラダにしっくりくるから、自然とおなかが減れば穀物を求めるようにできている。

だから誰に教わるでもなく、欧米人はわざわざ小麦を加工してパンを作り、アジア人は手間ひまかけて稲を栽培してごはんを食べる暮らしをずっと続けてきた。

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そして同じごはんでも、私は特に玄米を好んで食べている。なぜなら、玄米と白米では天と地ほども違いがあるからだ。
稲からお米を収穫し、もみ殻をはずしたものが玄米、さらに糠(ぬか)を削り取ったものが白米。ほとんど意識されることはないが、お米は糠を取られると死んでしまう。実際に、白米を水に浸しているとやがて腐ってしまうが、同じことを玄米で試すと芽が出てくる。つまりひと粒の玄米は稲となり、数千粒もの子孫を残せる「命」を持っている。

この生命の連鎖を断ち切り、すぐにその命をいただくのが本当の意味での食事だと私は考えている。野菜や魚も新鮮なうちにいただくのが、いちばんおいしい。お米も、新米の玄米がいちばんおいしい。

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蛇足ながら、自分で玄米を炊くときの手順を紹介しよう。

まずは土鍋に玄米を入れて水で少しすすぎ、お好みで麦・はと麦・粟(アワ)・稗(ヒエ)などの雑穀を入れて水分を調節する。ポイントはもみ殻付きの玄米が混ざっていたら、もみ殻をはがすこと。このひと手間が炊き上がりの食感に大きく影響する。

水に浸したら、そのまま浸け置きせずにコンロに火を点ける。火加減のコツは、「始めチョロチョロ中パッパッ、赤子泣いてもフタ取るな」である。弱火から始めて途中は中火でじっくり20分ほど炊き、その後15分~20分は蒸らす。蒸らしている間はおなかの減った赤ん坊が泣き出そうとも、決してフタを取ってはならない。ここで水蒸気を逃がしたら台なしである。

玄米を炊いていると、家中に糠の香りが広がってくる。私は毎日決まった時間に、約束のように流れるこの夕食の匂いが大好きだ。

炊き上がったら、すぐにお米をなべ底からしっかりひっくり返す。これによって上下のむらをなくし、最後まで美味しくいただくことができる。玄米は昔から言われているように、とにかくよく噛んで食べる。ちなみに、私はひと口で100回以上は噛んでいる。消化吸収がよくなるというのもひとつの理由だが、じっくり噛んでいるとお米ひと粒ひと粒のなかに秘められた、やわらかな甘みがにじみ出てきて、しみじみと旨い。

日本の食卓に箸置きがあるのは、ごちそうをじっくりと噛むことで、繊細なうまみを余すところなく味わうための知恵である。使わない手はない。

日本人の心とカラダを維持するためには、ごはんのある食卓が必要だ。これは今までもこれからもずっと変わらない。そしてごはんのある食卓は日本の水田を守り、自然環境を守ることにもつながっている。

■筆者プロフィール

辻野将之(つじのまさゆき)

株式会社SoRA代表取締役、食事療法士
所有資格:はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師、調味料ジュニアマイスター

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東洋医学と食事療法の知識と実践を学び、日本の食事情を実見するため全国の食の生産者を訪ね歩いた経験を持つ。2006年には株式会社SoRAを創立。代表として、人と自然を健全に保つ日本文化の再建を志している。現在は「そら鍼灸食養治療院」のほか、宿泊型の生活習慣改善プログラム「森林養生」で治療活動に従事。限りなく海水に近い塩「うみたま」の販売、東洋医学を分かりやすく紹介するメールマガジン『70%健康マガジン』の配信もおこなっている。

※リンク

株式会社SoRA http://www.soragroup.jp/

そら鍼灸食養治療院 http://www.hoshinoya.com/plan/forest/index.html

森林養生 http://soragroup.jp/shinryo/index.html

うみたま http://www.umitama.net/

70%健康マガジン http://magazine.soragroup.jp/

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