地球温暖化とも密接に関わっているゴミ問題。各家庭で、また事業所単位で、CO2と同様にゴミの削減も持続可能な社会のための大きな命題となっている。2008年6月26日に中部異業種間リサイクルネットワーク協議会(CRN)が企画した、ゴミ処理の先端的な現場を視察するツアーに記者も同行させていただいた。その模様を2回に分けてリポートする。
説明に耳を傾ける中部異業種間リサイクルネットワーク協議会のメンバー
午前中に訪れたのは、愛知県三好町にある「アイモール三好(ジャスコ)」。スーパーマーケットのジャスコと飲食や衣料などのテナントが一体となった巨大な建物の裏側に、目的の『消滅型生ごみ処理機』が設置されていた。
生ゴミ処理機は、微生物の力で生ゴミを炭酸ガスと水に分解し、完全に消滅させるというもの。水は浄化槽経由で公共下水へ排水されている。具体的には、内部にあるドラム(円筒状の処理槽)内にモミガラ、その他の媒体を入れて菌床を作り、バイオ微生物(菌)を培養。ドラムを回転させて攪拌を行い、有機物の生ゴミを、バイオ強制酸化により炭酸ガスと水に高速分解し消滅する仕組みだ。モミガラに付着生息する微生物菌は自己増殖を繰り返す。従来の攪拌式をロータリー式(ドラム回転攪拌)に改良することで、異物混入による回転羽根の損傷などのトラブルを解消。分解能力もアップし、臭気も極力抑えることが可能となった。
発売元の有限会社ジイ・エス・テクノの稲葉宏二さんは、「24時間稼動の完全自動運転なので、生ごみの水切りも、残さの取り出しも、微生物(菌)の補充も不要です」と手間要らずを強調する。野菜類、果物類、魚類、肉類、穀物類は完全に分解・消滅。トウモロコシの芯、コーヒーの出し殻、梅干の種、卵の殻などは分解困難なため、粉砕してから投入する。また、分解不可(投入してはいけない)なものとしては、ナイフ・フォークなどの金属類、ビニール・プラスチック類、大きな骨やアルミ箔などがある。
粉砕機で粉砕された生ごみが、運送パイプ(右図)で生ごみ処理機に圧送される
生ゴミ処理の堆肥型は、手間のかかる割りに堆肥の処理に困る場合もあり、「消滅型の方がラク」という参加者の声も。廃液は人体には問題ないとの分析結果がでているが、グリーストラップ(油分分離槽)または浄化槽へ排水しなければならない。廃液の浄化が今後の課題だろう。
「菌に出会って、人生が変わった」と おっしゃる稲葉さん。塩分の強いものは微生物の活力を失わせるので、漬物などは水で塩抜きしてから。油が付着すると酸素が少なくなり、菌床が酸欠になるといった「微生物には微生物の範囲がある」と目を輝かせる。現在では、一部の給食センターや病院、老人ホームやレストラン、ホテルなどでもこの処理機が活躍しているそうだ。規模は小さくてもキラッと光る技術で、エコビジネスを立ち上げ、社会に貢献。さすがにモノづくりの土地柄だけのことはある。
ちなみにこの生ゴミ処理機は、ジャスコ本体ではなく、各テナントが共同で購入したものだという。CRNのメンバーは経営者や企業から派遣された人も多く、まなざしは真剣そのもの。熱心に質問をし、メモをとる姿が印象的だった。
(浜村良子)























