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2050年に電力需要67%を自然エネルギーで供給可能―自然エネルギー政策プラットフォームが発表
(2008年7月4日 09:00)

風力、太陽光/熱、中小規模水力、地熱、バイオマス……温暖化の原因となる温室効果ガスを出さないことから、自然エネルギーが国際的に注目を浴びていますが、その普及に取り組む国内8団体が、エネルギー政策の検討や提言を行う「自然エネルギー政策プラットフォーム(以下、JREPP)」を発足、2008年7月1日に東京都・大手町で記者会見を行いました。会見では、JREPPが作成した「電力需要の67%を自然エネルギーで」「自然エネルギー普及で温室効果ガス排出を75%削減(2000年比)」という内容の「2050年自然エネルギービジョン~ 持続可能な低炭素社会の実現を目指して」が示されました。

■2050年のエネルギーは自然エネルギーが中心

 
 JREPPの記者会見

今回、JREPPを発足させたのは、全国小水力利用推進協議会日本風力発電協会、風力発電事業者懇話会、日本地熱開発企業協議会日本地熱学会、日本建築学会地球温暖化対策推進小委員会、ソーラーシステム振興協会、そして環境エネルギー政策研究所(ISEP)。会見で飯田哲也ISEP代表が「2050年自然エネルギービジョン」の内容を説明。「太陽光18%、水力とバイオマスがそれぞれ14%、風力と地熱がそれぞれ10%、これらの自然エネルギーで電力需要の67%をまかなえる」との試算を明らかにしました。

給湯や暖房などの熱利用でも、「バイオマスや太陽熱、地熱などが需要の31%をまかなう」、全エネルギー需要中の自然エネルギーの比率も「59.7%まで引き上げる」ことが可能だとしています。また、エネルギー自給率を5.4%(2000年)から51%へと大幅アップさせることができるとして、飯田氏は「資源の少ない日本にとって、エネルギー確保の面からも、自然エネルギーの普及は重要」と強調しました。

JREPPは今回報告されたビジョン通りに自然エネルギーの普及が進めば、「2000年比で75%の温室効果ガス削減ができる」としていますが、今回発表されたものは「中間報告」で、来年のCOP15(国連気候変動枠組条約第15回締約国会議)に向け、さらなる検討を続けるそうです。

■自然エネルギー普及、カギは電力系統と固定価格買取制度


熱弁をふるう飯田哲也さん

JREPPは「2050年自然エネルギービジョン」を実現するため、国や自治体への政策提言を行うとしていますが、1日の会見で特にその重要性が語られたのが、電力系統の改変と固定価格買取制度でした。
電力系統とは、発電した電気を家庭や事業者へと送電・配電するシステムですが、電力各社は「電力供給が不安定で、電力系統に悪影響を与える」として自然エネルギーの導入に後ろ向きです。しかし、JREPPは「電力系統そのものを自然エネルギーに向いたものに作り変えるべき」「各電力会社が連携して、それぞれの電力系統をつなげて、お互いに補うことは可能ではないか」と提案、電力会社へ協力を求めました。
電気事業者による自然エネルギー由来の電気の買取については、現在運用されているRPS制度*1に加え、欧州で自然エネルギー普及に多大な成果を挙げている固定価格買取制度*2を併用すべきと提言。「既に国会議員達に相談しているが反応は良く、各党で検討され始めている」(飯田氏)と報告しました。

*1 2003年4月から施行された「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」に基づく制度。自然エネルギー普及の名目で導入されたが、電力会社に義務付けた自然エネルギー由来の電力(グリーン電力)の買取が総発電量の1.35%しかないこと、買取価格が低く抑えられたままだったこと等から、自然エネルギー普及の起爆剤とはならなかった。

*2 グリーン電力事業者の供給する電力の料金に、一定額の助成金を上乗せして電力会社が買うというもので、上乗せ額は、消費者もしくは納税者が負担する。これは化石燃料や原子力由来の電力との価格競争に負けないにするため、「グリーン電力は儲かる」と事業参入を促すためで、ドイツやスペイン等での再生可能エネルギーの爆発的な普及に大いに貢献した。志葉玲

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