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《和ロハスの生産者を訪ねて(1)》石けん製造でエコロジーを広める―太陽油脂株式会社
(2008年7月2日 09:00)

近年、環境問題に対する意識の高まりとともに、天然素材から作られる昔ながらの石けんが見直されつつある。その石けんを60年以上作り続けてきたのが神奈川県横浜市に本社を構える「太陽油脂株式会社(以下、太陽油脂)」だ。

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石けんの起源は、実に5000年も前にさかのぼる。日本には室町時代に宣教師によってもたらされたそうだが、国内で一般的になったのは明治初期のころという。作り方はいたってシンプル。ヤシ油やオリーブ油などに、海水から取り出した苛性ソーダなどのアルカリを混ぜるだけで簡単にできる。この製法は古代からずっと変わらない。

また川や海に流れると水中のカルシウムと結びつき、カルシウム石けんになるが、これは微生物や魚の餌となる。このように、環境中に放出されても1日で分解されてしまうので、環境に与える負荷はきわめて少ない。

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その環境に負荷を与えないという点が、全国各地の自治体でも受け入れられている。例えば、世界遺産として有名な岐阜の白川郷や、地域ぐるみで有機の里を目指す新潟の五頭温泉郷では、太陽油脂の石けんブランド「パックスナチュロン」のシャンプー、リンス、ボディーソープを取り入れている旅館が数多くある。また、日本有数のカキの産地として知られる北海道の厚岸では、カキが育つ海を守るために町をあげて石けんの使用を推進しており、保育所、病院、庁舎などの公的施設で使用している。さらに、町の指定販売所で石けんを購入した消費者には、価格の25%を助成するという制度まである。

これらの地域に共通しているのは、美しい自然があり、水がきれいなことだ。このことは、石けんが豊かな緑を守ることができる、暮らしの中の重要なアイテムだということを証明している。

元来、食用油脂メーカーだった太陽油脂は、その副産物として石けんの製造をスタートさせた。戦後に米国から合成洗剤が入ってきた時期、その時代に逆らうように石けん作りを行ってきた理由を、営業部家庭品部販売一課の北原学さんは次のように語る。「合成洗剤が大量生産・大量消費されるようになってほどなく、公害や水質汚染が問題となりました。それを憂慮した消費者団体や婦人団体、生協などから化学合成成分の入っていない石けんを作ってほしいという熱い要望があったのです。」太陽油脂は、日本の消費者と共に歩み、成長してきた。今でも毎年、消費者団体と研究会を開催したり、生協などに向けて講演会をしたり、小学校の総合学習で工場見学を受け入れたりしており、その数は年間に60回以上にのぼる。「太陽油脂が、今でも昔ながらの製法やパッケージにこだわり続けるのは、消費者に対する誠意の表れでもあるのです」とも話す北原さん。

今回、太陽油脂本社の敷地内にある石けん工場を見学させていただいた。ここでは固形石けんだけでなく、シャンプー、リンスなどの液体石けん類や、ハンドクリームやUVクリームなどの化粧品類が作られている。工場内は隅々まで清潔に保たれ、それぞれの作業部屋がガラス張りになっていて、作業工程が順を追って見られるようになっている。各行程では、包装や検品など丁寧な人の手作業が欠かせない。

取材時は、ちょうどハンドソープの詰替え用パックの製造が行われていた。今ではさまざまなメーカーから発売されていて、すっかり馴染みとなった液体石けんの詰替え用パックだが、実は太陽油脂が全国に先駆けて製造・販売したものだという。

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また10年近く前から工場の屋上に太陽光発電パネルを設置したり、天然ガスを使ったコージェネレーションシステム(ガスタービン発電)を導入して、CO2削減の取り組みを行ってきた。他にも、工場からの排水は、微生物を利用して魚に悪影響を及ぼさないレベルまで浄化されている。実際に、浄化槽の脇にはこの排水を満たした水槽があり、その中ではメダカが元気に泳いでいた。

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太陽油脂では、石けんをはじめ環境にやさしい製品を作り出すだけでなく、製造過程でも環境への負荷をできるだけ軽減するよう、工場の至るところにロハスなしくみが取り入れられていた。

身近なものから、できることから、変えていく。企業全体でその姿勢をつらぬく太陽油脂。環境問題の解決が急務とされている今、このような企業が1つでも増えることを望むと同時に、一人ひとりが足元から生活をエコシフトしていくことを願う。まずは、生活の中に石けんを取り入れることから始めてみてほしい。

(佐々木ろりえ)

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