名古屋を生き物と共生する持続可能な都市にしていくための指針となる「生物多様性なごや戦略」の第1回策定会議が2008年6月19日(木)、名古屋市中区の名古屋市公館で開かれました。生物多様性なごや戦略は、生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)の開催をきっかけに策定が決まったもので、2年がかりで内容が検討されます。この日の会議では、身近な自然とのかかわりとひとの暮らしとのかかわりの両面から、今年度に過去から現在までのなごやの生物多様性を検証し、来年度に望ましい未来のなごやの姿を提案するという方針が示されました。
策定会議は、専門家会議としみん検討会議という2つのグループが連携して作業を進めていきます。専門家会議の座長は安田喜憲・国際日本文化研究センター教授が務めます。また、しみん検討会議の推進に当たっては、NPO、学校、企業、地域などによる市民有志との協働プロジェクトを呼びかけ、その成果を反映させるという形で、市民の参画を図る方針です。委員のうち、千頭聡日本福祉大学教授と香坂玲名古屋市立大学准教授の2人は専門家会議としみん検討会議の両方に所属し、専門家と市民のつなぎ役を務めます。

しみん検討会議の皆さん。左端の千頭氏と隣の香坂氏は
専門家会議の委員と市民検討会議の委員を兼任。
第1回会議では、参加した委員から▽古文書を利用したり、高度経済成長以前の写真を集めたりして、その土地の生物多様性が見えてくるようにする▽痛みを伴う戦略を立てるためにタウンミーティングを徹底的にやっていく▽中小企業、青年会議所、商工会議所などの人たちとビジネスをどうしていったらいいか考える必要がある―など、検討の進め方について多様な意見が出されました。
座長の安田氏は、締めくくりの発言で「20年先の社会を頭で考えるバックキャスティングが世界の大きな流れだが、私たちは、過去から現在を見て、未来を見る。検討は、生物多様性が豊かだった時代をどう復元するか、という逆ビジョンの考え方で進める。コウノトリがいた時代をどう復元するかだ。私たちはすばらしい過去を持っているから、頭で妄想して20年先の社会をつくるより現実味がある。ユートピアを求める方向性ではなく、桃源郷を求める方法だ」と語りました。
(文・安在尚人、写真・伊藤剛)


























