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和LOHASな人 - 欧菓子研究家・土井始子(どい・もとこ)さん
(2008年6月20日 09:00)

スウェーデンには「フィーカ」というお茶の時間があるという。午前10時、午後3時、そして夕食のあと。お茶とお菓子が出されるその時間は、同僚や友人、 そして家族が集う場所になる。また家庭では母から子へと、「フィーカ」向けのお菓子づくりが受け継がれている。そんな北欧の伝統的なお菓子を日本に紹介し ているのが、北欧の手作り菓子工房KRANSEN(クランセン)を主宰するフードコーディネーターの土井始子さん。6月8日〜9日、東京杉並区のギャラリー工に2日間限定でオープンしたカフェ「KRANSEN」を訪れ、話をうかがった。

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KRANSEN(クランセン) を主宰する土井始子さん。手に持ったお菓子は「セムラ」。
スウェーデンではイースター時の断食前に食べることが多いという。

―スウェーデンに行かれたきっかけを教えてください。

きっかけは、フードコーディネーターになりたいと思ったことです。そこで食に関係のあることを勉強したいと思い、スウェーデンの王立美術大学に一年間留学 をし、陶芸を学びました。食を盛りつける器から入ったわけです。スウェーデンを選んだ理由は、「いいな」と感じるデザインに、スウェーデンなど北欧のもの が多かったからです。日本に戻ったあと、改めてお菓子づくりを学びたいと思い、再びスウェーデンへ。三ヶ月間、スウェーデンのカフェで研修をさせてもらい ました。

―スウェーデンでの暮らしはいかがでしたか。

よく「ヨーロッパの日本人」といわれるスウェーデン人。作るものの感性や、物静かな性格など、似ているところが多いと思います。また山に囲まれた豊かな自然があるのも似ています。だからでしょう。日本人の私にとっても、とても暮らしやすいところでした。

―スウェーデンにはお茶の時間「フィーカ」があると聞きましたが、実際にはどんな習慣なのでしょうか。

「フィーカ」はスウェーデンの人たちにとって欠かせない時間です。職場ではフィーカ係というのがあり、時間になるとお茶やお菓子を配り、皆でいただ く習慣があります。もうだいぶ前のことですが、銀行で窓口に並んでいたらフィーカの時間になったことがありました。ものすごく混雑していたのに、「フィー カの時間だから」と一旦休憩。最近ではこのような風景は少なくなりましたが、スウェーデンの暮らしの中にフィーカの文化が深く根付いている証拠なのではな いでしょうか。また家庭でも夕食のあとには、必ずフィーカがあります。日本で言う「茶の間の風景」とよく似ているかも知れません。各家庭ではフィーカのた めのお菓子づくりが受け継がれ、それぞれの味が守られてきました。「7種類のお菓子を焼けること」がお嫁入りの条件であったともいいます。

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この日ギャラリー工では、秋山祐子さんによる「mysig-おさいふ展」も開催。

―スウェーデンのお菓子の特徴を教えてください。

一番の特徴はスパイスを多く使うことです。シナモン、カルダモン、ナツメグ、クローブなどは、季節によって用途は違いますが、一年中通して使用しま す。またサフランは主に冬のお菓子に多く使いますが、ゴットランドという地域では一年中使用したりと、地域によっても使い方が違ってきます。いずれにして もお菓子づくりにスパイスは欠かせません。北欧の厳しい寒さに耐えるため、体を温める作用があるスパイスが重宝されたのでしょう。お菓子以外では、にしん の酢漬けなど、甘酸っぱい食べ物が多いのも特徴。北欧では夏が短いため、野菜や果物などが採れる時期が限られています。そのため保存に良い酢漬けやジャム が食卓に並ぶことが多いのでしょう。

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サフト(にわとこのの花のシロップのソーダ割り)は
スウェーデンの伝統的な飲み物。
ライチのような甘酸っぱい爽やかな味だ。

―今後の活動を教えてください。

実は今年の7月にスウェーデンにお嫁に行くことになっています。日本の皆さんに北欧のお菓子を伝える「KRANSEN」は拠点をストックホルムに移し、今後はスウェーデンでフードコーディネーターとしても、日本の食文化を伝えていこうと思っています。そこで今までの日本での「KRANSEN」の活動の集大成として、5月にレシピ集『北欧の美味しいお菓子づくり』(インターシフト)を出版しました。北欧の伝統技術を守りつつも、誰でも簡単に挑戦してもらえるようにと、アレンジしたレシピ集です。是非手にとってみてください。

カフェの片隅で静かに語る姿が印象的だった土井さん。彼女が作ったお菓子を食べたときに広がる、ゆったりとした時間。ちょうどスウェーデンのフィー カのように、人と人が集える場所や時間の貴重さを改めて感じた。今後、土井さんの活動の拠点は日本からスウェーデンへ。場所が変わったとしても、彼女が作 り出す時の流れはきっと変わらないのだろう。

土井始子さんオフィシャルHP(http://www.motokodoi.com/index.html)

(蛭田有里子)

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