2008年6月14日(土)、名古屋市東区の愛知県芸術劇場にて「生物多様性キックオフシンポジウム」が開催されました。これは、2010年に愛知県名古屋市でCOP10(生物多様性第10回締約国会議)が開催決定されたのを受け、環境省と地元のCOP10誘致委員会が共同で開催したものです。
記念式典では、並木環境大臣政務官に続き、カナダ・モントリオールにある生物多様性条約事務局の事務局長であるアハメド・ジョグラフさんがあいさつ。
続いてCOP10誘致委員会の岡田名古屋商工会議所会頭、川口中部経済連合会会長、神田愛知県知事、松原名古屋市長がCOP10に向けての意気込みや抱負を述べました。
COP10ソングを歌いながら踊る小学生と幼稚園児にまじり、主催者の神田知事らやジョグラフさんも、目をほそめながら手拍子で参加。あいさつで松原市長が見せたアイ・ラブ・ユーのハンドサインは、50年後の子どもたちに美しい地球を譲り渡すことを約束したあかし。市民と行政と経済界、大人も子どもも皆でCOP10の成功を願いました。
パネルディスカッションでは、NHK解説主幹の室山哲也さんをコーディネーターに5人のパネリストが参加。「今、生物多様性に何が起きているのか?」「生物多様性を守る戦いと課題」「生物多様性の持続可能な利用のために」などの内容で活発な意見交換がされました。
「生物多様性をひとことで言うと?」との問いに・・・
中村桂子さん
JT生命誌研究館館長で東京農業大学客員教授の中村桂子さんは、『身近にさまざまな生き物を見てください』。「38億年かけて生物は多様化してきた。厳しい地球環境の中で、ある種は滅び、それでも何とか生命が切れないように、生き物は多様化することによって生き延びてきた。まずは個人が身近にいる小さな命をみつめてほしい」と。
新湊漁業協同組合代表理事組合長の矢野恒信さんは、『循環型社会の構築』。「漁業を持続可能にするために、山に木を植えた。山から養分が流れ出て、微生物で魚場が豊かになる。生物はつながっていて、命の輪をはずれると、他の生き物に影響する。経済格差を是正して循環型社会を作らないと生物多様性は守れない」と。
ユニバーサルデザイン総合研究所所長の赤池学さんは、『生物多様性産業会議』。「石油資源の枯渇は時間の問題で、生命産業の時代に大きく軌道修正していかなければいけない。遺伝子改変論者ではないが、飢餓を救うためには踏み込んだ研究も必要。そういう観点から生物がもっている力に着目し、生物多様性がビジネスになること、また生物多様性に日本のモノ作りが貢献できることをCOP10で世界に知らしめたい」と。
環境大臣官房審議官の黒田大三郎さんは、『いきもの・つながり』。「モノであれば捨てることができるが、環境や地球は捨てることができない。汚れたら、汚れたままでいるしかない」と。
タレントの大桃美代子さんは、『できるけど、しない選択』。「エアコンをつければ涼しいけれど、つけないでおく。自分の欲を抑えた小さな行動が、生物を救う」と。
最後に司会の室山さんは、「グローバルに考えて、ローカルに行動する。いうなれば、グローカルに!人間と自然とのバランスのとれた関係を構築するために、今、新しい生き方が求められている」と結びました。
(記事:浜村良子 写真:伊藤剛)





















