「福田ビジョン」ボンでの反応
(2008年6月14日 09:00)
世界の注目を集めていた「福田ビジョン」は、ボンの現地時間で2008年6月9日午前11時頃発表されました。ボンではちょうど気候変動問題に世界的に対応していくための2013年以降の次期枠組みに関する議論が行われており、日本がどのような長期的なビジョンを示すのか大きな関心が集まっていました。しかしながら、今回発表された「福田ビジョン」は、世界が期待したものではなかったようです。
NGOによる緊急記者会見
事前に福田総理大臣に宛てて手紙を送っていた、世界各国で気候変動問題に取り組むNGOの世界的なネットワークである気候行動ネットワーク(CAN)は、発表後すぐに日本のNGOと一緒に緊急記者会見を開きました。

会見では、福田総理大臣が、G8において、気候変動を主要な議題と掲げていることを評価しつつも、以下のような点をあげながら、発表された内容では低炭素社会への道を示したことにならず、世界に向けて、明確なビジョンを示してリーダーシップを発揮することに失敗したと述べました。
- 日本が長期目標として掲げた2050年までに60~80%削減では、危険な気候変動を回避するには不十分であること。
- 基準年を2005年として過去の排出増を帳消しにしようとしていること。
- 洞爺湖サミットを契機に、コペンハーゲンに向け2013年以降の次期枠組みに関する交渉をリードする為に不可欠な中期目標を発表しなかったこと。
- 目標設定ゲーム時間を費やす余裕はないと述べつつ、日本の削減ポテンシャルについて、基準年を1990年から2005年に変更し、さらに森林吸収分を足すといった数字遊びをし、EUと同じ削減ポテンシャルがあると述べたこと。
- 2012年までの日本の削減目標達成のために不可欠な実効性ある国内排出量取引制度を試行的に実施するとしか語らず、その創設を明言しなかったこと。
「化石賞」を受賞
さらに、日本は、「福田ビジョン」にある2020年の日本の削減ポテンシャルを示す際に使った数値のトリックで、「今週の化石賞」第2位を受賞しました。この賞は、CANが、2000年のCOP5以降、その日の交渉を妨害、後退させるような発言をした国に与えるものです。今回は、先週から今週月曜日の午前中までの動きを対象にした「今週の化石賞」を授与することとなりました。今回の日本の化石賞の受賞に関するニュースは、日本でも多くのメディアを通じて報道されました。

その他にも毎日、会議場でCANが発行するニュースレター「eco」の6月10日号の一面トップで、「ぼやけた福田ビジョン」という記事が掲載されています。
(川阪京子)




















