2007年10月27日(土)、三重県松阪市の中川コミュニティセンターで「志摩半島野生動物シンポジウム」が開催されました。主催は志摩半島野生動物研究会と三重大学ウミガメ・スナメリ調査・保全サークル「かめっぷり」。
[表浜海岸の砂浜再生について語る田中雄二さん]
開催10回目の記念大会となるこのシンポジウムのテーマは、「里海の生き物たちは今」。三重県内外の研究者や学生・市民活動家などから、里海に棲息する動植物の現状や里海環境の保全活動など、幅広い内容についての発表がありました。
[志摩半島野生動物研究会代表の若林郁夫さん]
「長年の調査活動から分かったこと」と題された特別講演は、元三重大学教授の粕谷俊雄さんと日本ウミガメ協議会会長の亀崎直樹さんが、それぞれスナメリとウミガメについて講演しました。
[瀬戸内海のスナメリについて発表する粕谷俊雄さん]
粕谷さんによると、スナメリは瀬戸内海に棲息する唯一の哺乳動物ですが、棲息頭数は20~25年前と比較すると全域で1/3ほどに減少しています。
減少の原因は、埋め立てや護岸、砂利採取などによる棲息場所の減少、海域の化学汚染、そして混獲などの漁業事故などが挙げられます。しかし、混獲については実態調査がほとんど行われていないのが実情で、必要な対策を講じるためにも今後の調査・研究が必須であると粕谷さんは警鐘を鳴らしました。
[市民によるアカウミガメ調査活動の役割を語る亀崎直樹さん]
一方、アカウミガメの実態を知るための上陸・産卵調査は、1950年に徳島県で中学校教師が始めたのを端緒に、以後、全国各地で市民による調査活動が行われています。
また近年では、サーファーなどに呼びかけて、携帯電話の写真メールでウミガメのストランディング(漂着した死体)の情報を集めるなど、新しい活動に期待が寄せられていると、亀崎さんは語りました。
人と自然が共存してきた“里海”は、しかし、高度経済成長以降、埋め立てや護岸、水質汚染などで急激に環境が変化してきました。行政や大学などの研究機関の活動だけでは、こうした変化の実態をすべて把握することはできません。次の世代への責任としても、市民と協働した研究・保全活動が今後ますます活発になることが望まれます。
(原野スキマサ)























